他雑多
ねえじっちゃ、俺さシロの事護ってやりたいんだ。
「クロか……前にも言うたが、おめぇにゃ無理だよ」
無理とかじゃなくてさ、聞いてよ。俺シロの為なら命かけれるよ。
「クロ、おめぇ…」
じっちゃさ、その片目で何が見えてる?やっぱ宝町の未来?そういえばシロにも見えてるってじっちゃ言ってたよな。
それ、なんで?シロに解って俺にはわかんねぇ?なんでかなぁ、俺見えねぇもん。
「クロは自分の事とシロの事で精一杯だったからなぁ、周りが見えなかったんだろうよ」
は?なにそれ。俺ちゃんと周り見てるし。
「おめぇが見てたのはシロだけだよ」
ああ、確かに、そーかも。じっちゃやっぱすげぇよ。
そういえば最近さ、シロの奴話し掛けても全然返事しねぇんだ。なんでかなぁ。反抗期?
「シロには…おめぇの声は聞こえとらん」
なんでかなぁなんでかなぁなんでかなぁ。
なぁじっちゃ。
俺にはシロしかいねーのに。シロ以外いらねーのにさ。
シロ最近、俺のこと見なくなってさ言う事全然聞かなくてさ、豊町の奴ら…なんてったけ?嗚呼、アサヨル兄弟だ。あいつらとばっか喋ってさ、たまに林檎の木に話し掛けてさ。
本当…俺、馬鹿みてぇ。
「クロ」
木村や鼠はさ、遠くで言うんだ。
シロはお前に飽きたんだってさ。
そんなことねーよな。
なぁじっちゃ。
「じっちゃー!本日の交信終わったよー。聞いて聞いてあのねあのね、シロねー凄い夢見た!」
「おおシロ」
シロ、シロシロシロシロシロ、シロ。
なぁシロこっち見て話してくれよ。俺なんかした?なぁ、嫌われるような事してねーよな?
シロ、なぁ、頼むから、俺に笑ってくれよ。
「すんごいんだよー?クロがね、でてきてね…そんでね、泣いてんの。クロ、泣いてた」
泣いてない、から、シロ笑ってくれ。
「おれね、シロね、泣かないでっていってねクロをね抱きしめたのね、したらクロね、笑ってくれって言ったの。だからね、シロ今日からちゃんと笑うことにしたのね!偉い?ねぇじっちゃ、俺すごい?」
シロ。
「ああ…そうだな…シロは凄いよ。…なぁ」
うん。シロちゃんと聞こえてたなじっちゃ。
「シロ隊員、とっても偉い子です!クロにちゃんと笑ってる事伝えなきゃなのね」
「そーだなぁ」
シロ、俺はここだ。どこ行くんだ。
「じっちゃ。クロのさ、お墓にさ、あげるのなにがいーかなぁ…昨日は林檎だったからー今日はー」
はか?
なんだよ、墓って。なぁじっちゃ。
「クロ、…おめぇはもうこの世にいねぇんだよ」
「きーめた!今日もりんごな!クロ今日も林檎だぞ!」
ああ、
ああ、そうか。
そうだった。
俺はもう、いないんだった。
「りんごりんごりんごまーん負けるなりんごまーん」
俺はもう、シロをこの手で抱きしめることも護ることも、ましてや笑いかけてもらうことも無理だったんだ。
「クロ」
じっちゃ、ごめんシロを頼むな。
シロを、護ってやりたかった。だからじっちゃ、頼んだよ。
俺はもう、そこにはいれないから。
わかってるつもりだった。つもりになってた。
お題先I hate you!
了