このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

他雑多


ねえじっちゃ、俺さシロの事護ってやりたいんだ。


「クロか……前にも言うたが、おめぇにゃ無理だよ」


無理とかじゃなくてさ、聞いてよ。俺シロの為なら命かけれるよ。


「クロ、おめぇ…」


じっちゃさ、その片目で何が見えてる?やっぱ宝町の未来?そういえばシロにも見えてるってじっちゃ言ってたよな。
それ、なんで?シロに解って俺にはわかんねぇ?なんでかなぁ、俺見えねぇもん。


「クロは自分の事とシロの事で精一杯だったからなぁ、周りが見えなかったんだろうよ」


は?なにそれ。俺ちゃんと周り見てるし。


「おめぇが見てたのはシロだけだよ」


ああ、確かに、そーかも。じっちゃやっぱすげぇよ。
そういえば最近さ、シロの奴話し掛けても全然返事しねぇんだ。なんでかなぁ。反抗期?


「シロには…おめぇの声は聞こえとらん」


なんでかなぁなんでかなぁなんでかなぁ。
なぁじっちゃ。
俺にはシロしかいねーのに。シロ以外いらねーのにさ。
シロ最近、俺のこと見なくなってさ言う事全然聞かなくてさ、豊町の奴ら…なんてったけ?嗚呼、アサヨル兄弟だ。あいつらとばっか喋ってさ、たまに林檎の木に話し掛けてさ。
本当…俺、馬鹿みてぇ。


「クロ」


木村や鼠はさ、遠くで言うんだ。
シロはお前に飽きたんだってさ。
そんなことねーよな。

なぁじっちゃ。


「じっちゃー!本日の交信終わったよー。聞いて聞いてあのねあのね、シロねー凄い夢見た!」

「おおシロ」


シロ、シロシロシロシロシロ、シロ。
なぁシロこっち見て話してくれよ。俺なんかした?なぁ、嫌われるような事してねーよな?

シロ、なぁ、頼むから、俺に笑ってくれよ。


「すんごいんだよー?クロがね、でてきてね…そんでね、泣いてんの。クロ、泣いてた」


泣いてない、から、シロ笑ってくれ。


「おれね、シロね、泣かないでっていってねクロをね抱きしめたのね、したらクロね、笑ってくれって言ったの。だからね、シロ今日からちゃんと笑うことにしたのね!偉い?ねぇじっちゃ、俺すごい?」


シロ。


「ああ…そうだな…シロは凄いよ。…なぁ」


うん。シロちゃんと聞こえてたなじっちゃ。


「シロ隊員、とっても偉い子です!クロにちゃんと笑ってる事伝えなきゃなのね」

「そーだなぁ」


シロ、俺はここだ。どこ行くんだ。


「じっちゃ。クロのさ、お墓にさ、あげるのなにがいーかなぁ…昨日は林檎だったからー今日はー」


はか?
なんだよ、墓って。なぁじっちゃ。


「クロ、…おめぇはもうこの世にいねぇんだよ」

「きーめた!今日もりんごな!クロ今日も林檎だぞ!」


ああ、
ああ、そうか。

そうだった。

俺はもう、いないんだった。


「りんごりんごりんごまーん負けるなりんごまーん」


俺はもう、シロをこの手で抱きしめることも護ることも、ましてや笑いかけてもらうことも無理だったんだ。


「クロ」


じっちゃ、ごめんシロを頼むな。
シロを、護ってやりたかった。だからじっちゃ、頼んだよ。

俺はもう、そこにはいれないから。





わかってるつもりだった。つもりになってた。


お題先I hate you!


4/6ページ