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ぱしゃんと生温い水が跳ねた。
私の背中には水以外の温もりがあって、その温度が怠そうに私の肩に顎を乗せて唸っていた。くつくつと声を殺して笑う。
「…何笑ってやがる」
舌打ちしながら吐き捨てた言葉はダイレクトに耳に伝わる。
近すぎる。擽ったくて身を捩る。
「ふふ、なんもないよ」
「…あ?」
「しあわせ、だなぁって」
「…俺は怠い」
「何故なら溜まった水に浸かっているから、でしょ?例えお湯でもそれは然り。流れるものじゃ意味がないのよね?だからこそ、コレよ」
可笑しそうに笑い続けると、怠いはずの腕を動かして私の鳩尾辺りを軽く絞めてきた。
でもやっぱり、力が入らないから弱々しい。
「…てめぇは俺を、殺してぇのか」
「やだな、言ってないよ。ローが少しの間だけでも私と同じ“一般人”なんだ、って思ったの」
嫌そうに舌打ちして、腹に回された腕はそのまま下に降りた。素早く掴み、引き上げる。
後ろに首を回し、その不健康そのものの目をじっと見る。
「 イ ヤ 」
「…てめぇ…風呂から出たら覚えておきやがれ」
「どうだろ?確か私ペンギンと約束があったからな」
顎に手を当てて考えるふりをすれば、ローは怠い筈なのに素早く手を私の首に這わせ、力を入れて圧迫した。キュ、と絞まる声帯に、ふ、と息が漏れる。
後ろから絞めているのに、水に浸かってるのに、強すぎる力。項と肩に舌が這わされた。
「…アンナ、てめぇは誰のモンか、わかってねぇはずはねぇ」
「、ぐ…ぁ、はっ」
「…お前の中で俺以外に優先させるべき男はいねぇ。違うか?」
目尻に生理的な涙を滲ませればローの力は緩まり、バシャン、と絞めていた手が湯舟に落ちた。
相当頑張って絞めたようだ。後ろのローからも緩く息が聞こえた。
「っけほ、ぁー…苦し…っ…」
「…解りきっている癖に、馬鹿げた事を言ったからだ」
ばれていたのね。そうよ、私はローが嫉妬すると解っていて先の発言をしたのだ。何だか急に見たくなったから、どんな顔をするか。
「ねぇ、好き」
「…あ?」
ローは、私が死んだら泣くのかな。
それとも泣かずにすぐ新しいのを連れ込むかな。
「…今嫌なこと考えてんだろ」
「えー?」
やめて。
「…アンナ」
「うん?」
やめようよ。
「…死んでやるよ」
私の肩に歯を立てながら言ったローに、私は笑いながら頷いた。
「……そ、か」
【震える声で、たった一言】
「 」
見開いた目が溢れ落ちそうで、すこしおかしかった。
お題hmr
了