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「綾?…何故、泣いている?」
「なんでもありません」
「だが」
「大丈夫です…大丈夫ですよ我愛羅様」
不安げにこちらを向く我愛羅様に無理矢理笑顔を向ける。私へ手を伸ばしかけていた我愛羅様は暫し思案してから、手を引っ込めた。
風影になった暁に着用する風影服を着る我愛羅様は、物凄く
そこまで考えて、自分に嫌気がさした。
「我愛羅様」
「なんだ」
「この度は、風影就任誠におめでとうございます」
「……ああ」
いやだなぁ、こんな考えを持つ私なんていなくなればいいのに。忍失格だわ。
風影様は、あの人だけだなんて。
「綾」
「はい」
「俺は……いや…いい、なんでもない」
「…我愛羅様なら立派な風影様になれますよ」
笑う。笑うのよ綾。
似ているだなんて考えない。ああでも、カンクロウ様にお情けをかけてもらってから、余計に弱くなった気がする。
ああもう、愛してもらいたいなんて無理なのに。
愛がなくても抱いてもらいたいなんて、もう出来ないのに。
なのに何故、貴方の息子に面影を見てしまうの。
なぜ、貴方の子供はこんなにも優しいの。
こんなにも、似ていらっしゃるの。
「我愛羅様」
「なんだ」
「私はこれでお役御免でございます。貴方が立派に成長するのを見届けるのが私の仕事でしたから」
「側には、いてくれないのか」
「…申し訳ありません」
「父様には最期まで仕えていたのにか」
眉間にシワが寄る我愛羅様の顔は、あの人の困った時の顔と同じ。
「私は…我愛羅様の部下や側近ではありませんので」
「ならば今日付けで就任すれば」
「なりません」
「…なぜだ」
「私は先代様の影であり先代様の手足でございました。それ故私の生涯は、もう終わったのです我愛羅様」
「俺はお前が」
わらう。
「終わったのですよ、“風影様”」
【言い聞かせては絶望に浸る】
お題Aコース
了