はじめてひとりでねるんだ。
ごはんたべて、こなんちゃんとおふろ入って、カブトさまがいれてくれたパジャマきて、かみのけをでーちゃんにぶわーってかわかしてもらって、こなんちゃんがおへやのまえで「じゃあね、ゆっくりおやすみ」っていってぱたんってなって、瑚咲はきづいた。


「……ひとりで、ねる……！！！」


ぎゅ、とじらいやくんをだっこして、大きなベッドを見る。

きれいじゃなかった。
おふとんぐちゃぐちゃだ。なんで！


「……うー…」


だめだもん、ひとり。

瑚咲むりだもん。

じらいやくんをだっこして、いすをずりずりして、ドアのまえにたつ。

いくまえにわかったもん。
こうしたらとどくんだよ！


「あ」


ドアのとってをぐいってしたら、かちゃって音がした。

ぴょんってとびおりて、いすどかして、ドアをあけてろうかを見てみる。
ちょっとずつ光があるから、へいきかもしれない。

うん、こわくない、よ！たぶん。
だいじょうぶ、アホのうこんのがこわい。
うそ！アホのうこんなんてぜんぜんこわくない！
きみまろのがこわかった。

よこ、こなんちゃんっていってたから、ふん！って思ってはしってこなんちゃんのおへやにいった。

かりんちゃんが、「部屋に入る前は絶対コンコンってするんだぞ」っていってたから、瑚咲もコンコンしてみた。

ちょっとしてから、こなんちゃんが出てきた。


「こなんちゃん！」

「あら、瑚咲ちゃん。どうしたの？」


こなんちゃんがすわってくれて、瑚咲とおんなじばしょにおかおがきた。
じいっとお口にあるピアスを見てから、うん、っていった。


「瑚咲ね、ひとりね、だめなの。おやすみのときはね、だめなのよー」

「……一人じゃ眠れないということかしら」

「うん！」

「そう…困ったわね。私は今から任務だし………ああ、そうだわ。瑚咲ちゃん、おいで」

「んー？」


こなんちゃんがたちあがって、瑚咲と手をつないでからあるきだした。


「どこいくのー？」

「サソリのところよ」

「サソリー？なんでー？」


ぺたぺたあるいてたら、なんだかとってもはやくついた！ふしぎだ。

こなんちゃんはコンコンってしないで、そのままサソリのおへやにバン！ってはいった。
ひょー、びっくりだ。


「サソリ、いるかしら」

「てめぇ、ノックぐらいしやがれクソアマ」

「あら、したわよ。心の中で」

「音になってなきゃしてねぇのと同じだろーが！」


ガチャガチャしたおへやでガチャガチャしてたサソリがわーわーおこってるけど、瑚咲はそんなことよりねむねむだ。


「つーかなんだ。なんでガキまでいる」

「私今から雨まで行かなきゃいけないの。瑚咲ちゃん一人で寝れないって言うから、サソリ、あなた一緒にいてあげて」


かくん、てした。
あたまがおもいのよー。

じらいやくんをおとしそうになっちゃったから、じらいやくんも瑚咲とお手てつなぐことにした。


「ふざけんな」

「元はと言えばあなたが連れてきたじゃない。最後まで責任もって面倒みなさいよ」

「ペット感覚で話してんじゃねぇよ！デイダラでもいいだろうが」

「ダメよ、寝相悪そうだもの。瑚咲ちゃんが潰れたらどうするの」

「そんな簡単に人間が潰れてたまるか」


こなんちゃんが、そっとすわった。
瑚咲をじっと見てから、うん、という。

なぁに？ねむねむよー？


「じゃあね、私は行ってくるわ。瑚咲ちゃん、今度こそ、おやすみなさい」

「あーい……おやすみなさーい…」


瑚咲のあたまをよしよししてくれた。

サソリがわーわーまだいってたけど、こなんちゃんはそのままドアからでていった。

おめめごしごしをしたら、サソリがチッていってから、きれいなベッドをゆびさした。


「寝ろ」

「あーい……んんー……サソリねないのー？」

「俺は睡眠はいらねぇんだよ。いいから勝手に寝ろ」


ベッドでぺちぺちおふとんをたたいて、上にのっかる。

じらいやくんにおふとんかけて、瑚咲もよこにいっしょになったら、サソリがずっとこっち見てた。

なんなのー？いっしょにねんねするのー？
しかたがないわねー、いいよ！


「寝ねぇ、つってんだろーが」

「じらいやくん、あしたも、いーことありますよーに」

「話聞けクソガキ」

「大蛇丸さま、カブトさま、おやすみなさーい。じらいやくん、おやすみなさーい」

「……てめぇおいこら」


ほんとはサソリとねたかったけど、瑚咲はねれるよ！
サソリがおしゃべりだから。

だれかさんがいたら瑚咲、ねれるもん。
だからね、すやすやしてきたのよー。


「サソリー……おやす、みな」

「……最後まで言い切れガキ」


なんか、ずっとずーっととおくで、がちゃん、がちゃん、て。

きこえてた。




(あら、律儀ねサソリ)
(うるせェきえろ)