女の子と大人達(nrt) 凍
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「おじゃましまーす!」
うしろでなんかサソリがわーわーいってたけど、どうせむずかしいことだとおもうから、瑚咲はむしした。
はしって、バンって大きいドアをたいあたりであけたけど、シーンってしてた。
「…だれもいないのですかー?」
大きいこえを出したけど、なーんにもへんじしない。
くろい大きいながいソファがあって、それのちょっとはなれたとこに、大きいまるいテーブルがあった。
「ひろーいねぇ!」
きゃーってさけんではしってソファの上にぼすんってのった。ぶわんって瑚咲のからだがちょっとはねた。おもしろーい!
ばしばしソファをたたいて「だれかいますかー?」っていってたら、ぼすってあたまにサソリの手がのっかった。
「そのうち会える。つーかそんなとこにはいねぇよ」
「ふーん」
「その荷物寄越せ」
サソリは手を瑚咲の目のまえにぐいって出してきた。瑚咲はリュックをせなかからとって、ぎゅってだっこして、サソリを見上げた。
「だめだよー!これカブトさまが、瑚咲のかばんだもん!」
「意味わかんねぇ。お前の部屋に置いてきてやるって言ってんだよ」
サソリは、はーってしてから瑚咲のリュックのひもをにぎった。
「ふーん。じゃああげる!あ!瑚咲もいっしょにいくー!」
サソリにリュックをあげて、ソファからぴょんっておりた。サソリが瑚咲のリュックを左かたにひっかけたから、瑚咲はサソリの右手をぎゅってした。
「……」
サソリはちょっとだけ手がぴくってしたけど、それより瑚咲のがびっくりした。
サソリの手をにぎにぎして、もっかいぎゅってしてみた。それでもサソリの手からは、ひんやりしたつめたいのしかわかんなくて、いつもみたいにうれしいとかこわいとかわかんない。
「何やってんだテメェ」
「んー?うん、…あのねぇサソリ、おてて…ん?…へん」
「……ああ」
「サソリ、なんにおもってないの?」
ぎゅってもっかいしたけど、やっぱりかたくてつめたかった。やわらかくない。
サソリはちょっとだけまゆげをぎゅってして、こわいかおをした。
「何言ってんだ」
「瑚咲ねぇ、おててをぎゅーってするとねぇ、おこってるとかうれしいとか、なきたいとかわかるのよー?でもねぇ、サソリなんにもわかんないねぇ。へんなの」
サソリがあるきだしたから、瑚咲もそれにくっついてあるく。
右手にぎゅってくっついたまま。
「………大蛇丸の奴がお前を抱き込んでる理由が今解った。そうか、瑚咲、お前は何の血継限界だ?」
「んー?けっけーげんかい?あ!それしってるのよー。きみまろがねぇ、かぐやのほねでねぇ、ビューンメキメキーってするのよ?」
サソリがちょっとだけ立ち止まった。瑚咲も止まって、うん?ってすると、またためいきした。
「……もう、いい」
かいだんがあって、それをぴょんぴょんのぼる。ちょっとサソリの手をつかってぶら下がってぴょんってジャンプしてのぼってたら、サソリが「落ちるぞ」っていったから、やめた。だっておちたらいたいもんねー。
「ねーねーなんでサソリはなんにもないのー?ねーえーなーんーでー?」
サソリの手をブラブラさせて、ちょっとだけまえにいってサソリをのぞいた。
「うるせぇ、聞いてばかりじゃなくて少しは自分で考えたらどうだ。頭を使え」
「瑚咲、あたまとれないもん。だからつかえないよ?サソリはあほなの?」
「ぶっ殺すぞクソガキ」
ぎってサソリが瑚咲をにらんできたから、瑚咲はぷーってほっぺたをふくらませた。
「あー!そういうこといっちゃいけないのよー?あほのうこんがねぇ、瑚咲にころすーっていっておいかけてきたからねぇ、きみまろにいったらね、あほのうこん、ちがでたのよ」
きみまろ、かたからずるるるってほねのけんだしてたの。きもちわるかったよー。
あほのうこんは、つのときばがでてたけど!ひえー。
「何がどうなってそうなったんだ。何でいきなり血出してんだそいつ。お前もう少し語彙増やせ」
「ごいってなにー?」
「単語の総体。要するに生活する上での単語をさっさと覚えろ」
「サソリはむずかしいねぇ。きみまろみたい」
ぷっぷくぷーよ。
ぶんぶんつないだ手をふってたら、サソリが「つーかお前ナチュラルに知らねぇ名前ばっか出てんだよ。誰だよキミマロとかあほのウコンとか」っていったから、瑚咲はわらった。そしたらあしふまれた!「笑ってんじゃねえ」って!
サソリさいてい。ぜったい大蛇丸さまにいってやるもんね。
「ほら、ついたぜ。覚えたな」
「……んー」
大きいドアのまえでキョロキョロ見たけど、まわりになんにもなかった。
かりんちゃんが、はじめてのとこでは目じるしになるモノを見つけとけっていってたのに、なんにもないのはどうしたらいいんだろー。だまってサソリを見上げた。
「…隣が、小南だ。わかんねぇことあったら聞け」
「はーい!」
サソリが瑚咲の手をはなして、ドアをあけた。
おへやにはいると、中はまどがなかった。大きいベッドと、ちっさいテーブルがある。
「ベッドー!」
はしって、ぼふんってダイブした。ふかふか!
「荷物は置いとくぞ」
サソリが瑚咲のリュックをベッドのよこにぽんっておいた。瑚咲はおもいだして、あわてておきあがる。
「サソリ!じらいやくんだして!」
「は?」
サソリがぴたって止まった。
もーっておもったから、瑚咲はベッドのはしっこにいって、手をのばしてリュックをあけて中をごそごそした。
「ここにねぇ……」
手が、かたいものとか本とか、ふくとかいろいろあたって、それからぐにゃっとしたやわらかいものをにぎった。ずぼってひっぱった。
「あった!これー。かわいいでしょー。大蛇丸さまがかってくれたのよ」
瑚咲よりちょっとちいさい白いハリネズミさんのぬいぐるみ。くったりしてるけど、おめめはキリってしてて目の下に赤いもようがあるの。
だっこしたらハリネズミさんのかみのけみたいなしっぽが瑚咲のおひざのとこにくる。ハリネズミさんのお名まえも大蛇丸さまがつけてくれたの。じらいやくんはかわいいよー。
じらいやくんをぎゅってだっこした。
「サソリにはあげなーい」
「いらねぇよ」
サソリがためいきしながら瑚咲のとなりにぼすんってすわった。瑚咲はじらいやくんをだっこしながら、リュックの中をポイポイ出してく。
「あとねー、これとねー、これもねー」
瑚咲のふくとか、えほんとか、いろえんぴつとか、あめちゃんがはいったふくろとか、いっぱいだしてく。
ぜんぶだして、ベッドからおりて、えほんとか、いろえんぴつとかはテーブルの上において、へやにいっぱいおいて。ぜんぶおわったから、もっかいベッドにもどって、サソリのとなりにすわった。
じらいやくんをだっこして、サソリにぽふってたおれたら、瑚咲はねむくなって、サソリがうごかないしなんにもいわないから、そのまんまぎゅって目をとじた。
あー、ちょっと、つかれたなあー。
(マジ疲れた。何で俺デイダラの野郎を連れてこなかったんだ)