女の子と大人達(nrt) 凍
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ヒルコちゃんのおうちはとおかった。
ずっとずっとあるいてたら、つかれて瑚咲はなきそうになった。
目がうるうるしてきて、はな水も出そうになってズルズルしてたら、ヒルコちゃんが立ち止まって瑚咲をのぞいてきた。
「おせぇ。何泣きそうな面してやがる」
「だ、って!とおい!つかれ、たー!いちまるくんがいーいー!」
「誰だイチマル…。お前、あの合流地点までどうやって来たんだ……まさか大蛇丸の奴に背負われた訳じゃねぇだろう」
「つかれたって、瑚咲がいうまえに、大蛇丸さまがいちまるくんよんでくれたもん…いちまるくん…」
瑚咲はぐすぐすしながらすわりこんだ。ヒルコちゃんがずるずる音を立ててちかづいてくる。
うーって目をこすりながら見上げたら、ヒルコちゃんのしっぽがぐるりって瑚咲にぐるぐるした。きみまろみたい。
そのままヒルコちゃんは瑚咲のからだをもちあげて、あるきだした。ぐらん、ぐらんってする。
「ちがう!!ヒルコちゃんこれちがう!瑚咲せなかがいいのよー!」
「うるせぇ。妥協してやってんだろ。…それから、さっきから思っていたがヒルコちゃんって言うな」
「いーやー!!ぐらぐらするー!せーなーかー!いやーいやーいやーいやー!!!」
「……ちっ」
ぐるん、ぽすん。
瑚咲の手がなんかかたいものをさわった。
ゆらゆらしてたから目をギュッとつむってからパチパチってして目をあけたら、瑚咲はヒルコちゃんのせなかの上にのってた。おおー、ゆれるー。でもいちまるくんよりしっかりしてるー。
「よ…んしょ…」
ヒルコちゃんくびのほうにうごいて、ヒルコちゃんのあたまのぼうしをポスポスする。
ちりんってすずがゆれた。
「おい」
「ヒルコちゃんいい子ねぇ。ありがとう」
「………お前、随分甘やかされてるみてぇだな。警戒心がねえ」
「んー?あまいのより、瑚咲おだんごのがすきよー」
「そうじゃねぇよ。というか団子も甘いもんになんだろ」
ちりんちりんってすずの音をさせるヒルコちゃんに、瑚咲はねむくなってくる。
「あ、そーだ」
瑚咲はおもい出した。
瑚咲のかたからしてるがま口かばんをばかってあけて、中からお花を出した。くるとちゅうに見つけた、むらさきいろのちいさいお花。かりんちゃんが、ホトケノザっていってたやつ。
これはお花のおしりをすうとあまーいのが出てくるからすごくすき。
きみまろにあげたら、あらってからかえされた。「洗ってから口に入れろ」っていわれたけど、もらったお花はなんのあじもしなかった。きみまろさいてい。
さっきヒルコちゃん、あまいっていってたから、すきかなー。
「おい、もうそこだ。いいか、今からアジトの入り口に術を…おい聞いてんのか」
ぴょんってヒルコちゃんのせなかからおりた瑚咲は、ヒルコちゃんのおかおのちかくにお花をあげた。
ヒルコちゃん、おかおなんにもかわらないなぁ。くろいぬのをはなから下にくっつけてる。ごはんのときじゃまじゃないのかなぁ。
「お花あげるー。これおいしいのよー」
「こんなもん食ってんのかテメェ。大蛇丸んとこならもっとマシなもん食えるだろうが。というよりいらん」
「えーなんでー?あげるよ?いっぱいあるから。瑚咲ねぇ、オムライスとおすしのつぎにこれがすきなのよー」
「いいもん食ってんじゃねーか」
瑚咲がギュっておしつけたら、ヒルコちゃんはおかおをとおくした。
もーっておもった瑚咲は、ヒルコちゃんのお口のまえにあるくろいぬのをぺらってめくった。
「ぴゃ!」
「…てめぇには礼儀やら常識ってもんはねぇのかクソガキ」
「お口へーんなのー!なんでー?ヒルコちゃんおかおにせんいっぱいあるよ!」
「てめぇ今変っつったか?」
ぐいってヒルコちゃんのおかおのほそーいせんをおしたら、がばってヒルコちゃんのお口がひらいた。
「うおおおー!すごーい!ヒルコちゃんかっこいー!お?中になんかあるのよー?なーにー?」
「…格好いいだと?」
「うん!がぱっ!がちょ!」
「わかってんじゃねぇか瑚咲。ヒルコは俺の浪漫が日常用に搭載された最高の傀儡で「ヒルコちゃんはヒルコちゃんじゃないの?おれ?」…被せてんじゃねえよ」
瑚咲がぐるっとヒルコちゃんのまわりをまわってから、よこっちょに立ってくろと赤のマントをバサッて上にした。
「おいこらクソガキ!」
「ひょー!がちょがちょだー!」
まるいとこをぎゅっておした。つめたい!ぺたぺたさわってたら、ヒルコちゃんはすごい音をしながら、がちょってくずれた。
そしたら中から!赤いかみの人が出てきた!だれ!すごい!
「ヒルコちゃんからうまれたー!すごーい!すごいー!」
「産まれてねぇ!俺が本体だ!」
「ふーん」
「…心底興味なさそうな声出してんじゃねぇぞガキ…」
「ガキちがうよ瑚咲よー。だれ?」
赤い人ははーってためいきした。
「……俺がサソリだ」
サソリ!大蛇丸さまたちがいってたなー。
ヒルコちゃんからサソリがうまれたのかー。でももうヒルコちゃんはうごかなくなっちゃった。
「ヒルコちゃんしんじゃったの?」
「だからこいつは俺の傀儡なんだよ。俺のチャクラで動いてんだ」
「そっかー。じゃあヒルコちゃんはサソリのおにんぎょうさんなんだねぇ。瑚咲もねぇ、おにんぎょうさんほしいんだけどねぇ、大蛇丸さまにいったら、たくさんいるじゃないっていわれたのよー。瑚咲もってないのに…」
瑚咲はヒルコちゃんのおかおをぺちぺちたたいてみたけど、ほんとにおにんぎょうさんだった。
サソリは「何でヒルコがちゃん付けで、俺が呼び捨てなんだ」とかいってたけど、瑚咲はちょっとおなかがへってきてたからしらんぷりした。
サソリがブツブツ小さいこえでいってから、ちかくのいわのまえに立っていんをくんだら、すごくおっきい音がしていわがうごいて、中にアジトの入り口が見えた。
「わー!」
「…入るぞ。頼むから静かにしてろ…勝手に変なもん触んなよ」
「サソリはやくいこー!」
「走んじゃねぇよガキ!」
瑚咲がぴゅーってはしってアジトへ入ったら、あとからゆっくりサソリとヒルコちゃんがあるいてきた。
(今日でおれ、白髪増えた気がする)