女の子と大人達(nrt) 凍
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あさごはんをたべたら、たゆやからぼうアイスをもらった。二つもらったから、いっこはかりんちゃんにあげる。
水いろのアイスをたべながら、きょうはかりんちゃんとなにしよっかなーってあるいてたら、まだ見たことないおへやがあって、ドアがあいてたから入ってみた。
中には、大きなガラスのビンみたいなのがあって、それから、ゴチャゴチャしたつくえと、なんかのおくすりが入ったコップがいっぱいあった。
きょろきょろって見たけど、だれもいなかったから、かえろうとおもってうしろをむいた。
「わあ!!」
「きゃー!!へんな人!」
びっくりした。
べしゃってもってたアイスと、たべてたアイスおとした。でももういらなくなってたから、べつにかなしくなんかないもんね。
でもかりんちゃんのもおちちゃった。むーっとしてそのおどかしてきた、見たことない人を見上げる。
かみが青くて、こしに白いぬのをギュってしばってる。瑚咲はちょっとだけうしろに下がって、その人を見上げた。
その人は、しゃがんでから、ほっぺたをおかあさんゆびでポリポリかいた。
「変な人って酷いなー…ボクだってキミが突然来たから吃驚したのに」
「そうなの?しらない人ー。あなただーれ?瑚咲は瑚咲っていうのよー」
「瑚咲?ああ、キミか、大蛇丸様が言ってたの。ボクは水月」
よろしくねって水月は手をのばしてくれたから、きゅってにぎってみた。
おもしろい、たのしいっていってる。水月はわるい人じゃない。
「水月?じゃあ水ちゃんね。すーいちゃん」
「んー、なんか新鮮だ」
「水ちゃんなにしてたの?瑚咲はね、かりんちゃんさがしてたのよー?」
「香燐?知らないよ、煩いから会いたくもないね」
水ちゃんのおかおがぐにゃってまがった。
かりんちゃん、やさしいしかわいいのに、なんでそんなおかおするのかなあ。
「そうそう、ボクは検査した後だよ。定期検査」
「けんさー?あー、しってるよ!瑚咲もね、たまにするのよ」
「へぇ?」
「シールいっぱいはってね、たまにちっくんもするのよー?ちっくんいやぁねぇ」
きゃーって瑚咲はほっぺたをぱんって手ではさむ。おもい出しちゃった!
けんさはたまにこわくて、たまにすき。でもやっぱりすきのほうがおっきいかな。だっておわったらカブトさまがイチゴのあめちゃんくれるから。あと、大蛇丸さまがよしよししてくれるから。あれ?いっつもよしよししてくれるや。
「ちっくん?なにそれ」
水ちゃんが右にくびをこてんってした。
「ええー?ちっくんしらないのー?んー……あ!ちゅーしゃ!ちゅーしゃだよー」
「ああ、注射なら知ってるよ。ボクもたまにされるなぁ。あれ何採って何採られてんだろ、よくわかんないなぁ」
水ちゃんもむずかしいこという。大人はやっぱりみんなむずかしいことばっかりだ。瑚咲もおっきくなったら、こんなんなるのかなぁ。
やだなぁ。いまのままでいいやー。むずかしいのきらい。
「ねぇ、水ちゃん、なんで水ちゃんのハは、ギザギザなのー?」
さっきからおしゃべりするときにチラチラ見えてる水ちゃんのお口の中は、ギザギザのハがならんでる。いたそう。
「歯?さぁ?なんでだろうね」
「水ちゃんもしらないのー?へんなのー」
「…変、かなぁ。そうかもね」
けらけらって水ちゃんはわらった。わらうと水ちゃんとってもかわいいー。
水ちゃんは立ち上がって、つくえにあるきだした。うしろをついてくと、水ちゃんはつくえの上から竹の水とうをもって、さしてあったストローを、かぷってした。ぢゅーって音する。
「瑚咲の歯はねぇ、ちゃんとふつうなのよー?ねぇ水ちゃんなにのんでるのー?」
「何って、普通の水だよ」
「お水?いらないー。ねぇ水ちゃんどこにすんでるの?ここ?」
「うん」
「ぜんぜん見ないねぇ」
水ちゃんは、水とうをおいて、あのおっきいガラスのビンみたいなとこへあるく。瑚咲も水ちゃんをおいかける。
水ちゃんはくるってこっちをむいて、うしろのガラスをこんこんってした。
「そりゃ見ないよ。だってボク、ここに住んでんだもん」
へらーって水ちゃんはわらった。
でもここって、ビンだよそれ。水ちゃんもへんだなぁ。
「ビンよー?ドアないよ?せまくないのー?」
「心配ないよ。ボクは特殊だからね。まぁ、見てなよ」
またわらった水ちゃんは、手をバイバイってふると、ぱしゃんってなった。
ぱしゃん……。
「えええー!!水ちゃんー!とけちゃったあー!きゃー!水ちゃんが死んじゃったあ!」
水ちゃんは、水ちゃんは水たまりになっちゃった。
水ちゃん、水いろのかみのけだったから、アイスのようせいさんだったのかもしれない!水ちゃんはアイスさんだったんだ。だからとけちゃったんだ。
ずっと瑚咲とおはなししてたから水ちゃんとけちゃったんだ。
「水ちゃんごめんなさいぃぃ…れいぞうこにちゃんと入れてあげるからあ!もっかいおしゃべりしようよー」
ぺたって水ちゃんの水たまりをすわって見てたら、水たまりがムクムクボコボコってした。
それでにょろって水ちゃんのおかおができて、おなかまで水ちゃんがもとどおりになった。
「水ちゃん!」
「ボクは冷蔵庫なんか入れられたくないよ!それに溶けたんじゃないし死んでもないからね。こういう体質なの」
水ちゃんはお水でどろどろのまま、おしゃべりしはじめた。
「だいじょうぶなの?水ちゃんいたくない?」
「うん。寧ろこっちのが楽だね」
「よかったあ……でも、水ちゃん、へんなの。それって水ちゃんお出かけできるの?」
ぴしゃん、と水ちゃんの水たまりを手のひらでたたいた。
お水がはねただけで、水ちゃんはいたいっていわなかった。
「出来るよ」
水ちゃんは水たまりのままうごいた。
にょろにょろにょろずるずるって。
「やー!!きもちわるいー!」
「ひどい!出来る?って聞いたのキミじゃない!」
なんか、なんか、水ちゃん、でんでん虫みたい。にょろーってして、お水のあとがキラキラしてる。
でんでん虫も、あるくとうしろがこんなふうになってるもん。
「瑚咲、お水にもでんでん虫にもなりたくないー」
「ふん、そう簡単になれたら困るし、なれるもんでもないよ…ていうかでんでん虫ってなにさ。一緒にしないでよ」
「水ちゃんお水さんだから大蛇丸さまにもらわれたのー?」
「貰われたって…なんか嫌な言い回しだなあ…まあそうなんだけど半分無理矢理ね。キミも拾われたんだろ?」
水ちゃんはずるずるってまたもどってきて、ビンの中へ入っていった。
ぽちゃんっていって、どこに水ちゃんがいるのかわかんなくなった。ピタッて手をビンにくっつけて中を見るけど瑚咲のおかおがびよーってうつってるだけだった。
「水ちゃん?」
「ボクは疲れたから暫く休むよ。瑚咲、キミもどこかに遊びに行きなよ。また今度一緒に遊んであげるからさ」
どこにいるかわかんない水ちゃんがしゃべった。
水ちゃんはもうおねむなんだって。しょうがないから、瑚咲はビンにバイバイする。
「おやすみ水ちゃん。ぜったいだよー?またこんどよー?じゃあねえ」
ゆっくりおへやから出て、そーっとドアをしめた。こぽこぽって音がきこえたきがした。
瑚咲はかりんちゃんをさがしにいくのをおもいだした。
(あ!アイス!かりんちゃんにもあげようとおもってたのにー…)
(こんど、水ちゃんにかってもらおー!)