女の子と大人達(nrt) 凍

名前変換




はじめてここにきて、二しゅうかんしてから、大蛇丸さまからアジトの中をじゆうにあるいていいっていわれた。
アジトの中には、もう瑚咲のことをしらない人はいないから、けがはしないって。カブトさまには「人にあったら名前を言って頭を下げて挨拶するんだよ」っていわれた。はーいっていってから、瑚咲はすぐに瑚咲のおへやからはしり出した。

ひろいアジトの中は、いっぱいおへやがあって、すごくわくわくする。ながいながいろう下をとおったら、ちょっと大きめのドアがあった。
あくかなー?りょう手でぐーっとおしたら、ゆっくりゆっくりドアはあいた。


「…あ?」


中には、二人いた。まるい大きなつくえに、むきあわせですわってる。
ドアのすきまにひょいって入って、瑚咲はぺこっとあたまを下にした。


瑚咲瑚咲っていいます。よろしくおねがいします」


あたまをもとにもどして、二人を見る。
一人は、かみがカブトさまみたいに白くて、右目をかくしてて、青みたいなむらさきみたいな口べにをしてた。

おめめをね、まえがみでかくすとシリョクがわるくなるってかりんちゃんがいってた。かりんちゃんはまえがみはみじかい。でもめがねしてる。まえはながかったのかなぁ。

その白い人のよこは、くろくてくりくりの目で音ぷのひたいあてをしてる。あのマークは大蛇丸さまのさとのマークなんだって。
瑚咲の白いワンピースのはしっこにも音ぷのマークがある。かわいくてすき。

それで、それで。


「ああ、お前かよ。瑚咲ってガキは…俺は左近」

「鬼童丸ぜよ。宜しくなぁ瑚咲


さこんと、きどまる。
それより、それより!


「うでー!!きどまるおてていっぱいあるー!なんで?ねえなんでー?」

「やっぱ食いつくよなぁ、ガキはよ」

「きどまる、じゃなくてきどうまる、ぜよ」


ドアから二人のとこへはしっていって、きどまるのまわりをくるくるまわる。
手、手が、いち、にい、…六本ある!きどまるのまえでぴたっととまって、じっとかたを見る。


「ねぇ、きどまる。おててなんでいっぱいなのー?」

「きどまるじゃ…もういいぜよ」


イスにすわってたきどまるは、瑚咲のまえにしゃがんだ。それから、いっぱいの手をわしゃっとぜんぶ上にあげた。


「うわっ!」

「全部動くぜよ」

「すごーい!へんなのー!」

「……なぁ、おい左近、俺褒められたのか貶されたのかどっちぜよ?」

「知らね」


きどまるは、はーってためいきをした。そのあと、すぐに右の上二本の手であたまをささえた。左手のまん中の手は、瑚咲にむかってくる。
ひょーっとおもって、瑚咲はその手をつかんだ。あくしゅ。

あー、きどまる、いますごくこまってて、いっぱいどうしようってなってる。


「…おお、掴めるんじゃねぇかガキ」

「がきちがうのよー。瑚咲よー」

瑚咲な、覚えた覚えた」

「さこんはえらいねー」


よしよししてあげようとおもったけど、さこんはあたまがたかくて、手がとどかなかった。ざんねんだ。


「何だこいつ……鬼童丸の手はどうだ?瑚咲。何か違うかよ」


ぐにぐにとつかんだ手をすると、きどまるの左の上の手がみよってのびてあくしゅの手をはなした。むーっとする。
でも、その上の手もどうしよっていってたから、ほんとにぜんぶきどまるの手だ。


「きどまる、おようふくぬいでー?」

「はあ?!おま、お前、瑚咲お前何言ってるぜよ!」

「おめーが何考えてんだよ」


いきなりアワアワしたきどまるに、さこんがへんなかおした。
瑚咲はきどまるの上のふくのはしっこをつかんで、グイッと上にあげた。


「おへそー」

「何やってるぜよ!俺ら初対面ぜよ!いきなり服捲って初対面の人間の腹見てんじゃねーぜよ!」

「しょたいめんってなに」

「しょ、初対面…ってのは、…初めてその日顔を見て喋るってことぜよ!…多分」


きどまるは瑚咲の手をパシってして、いそいでふくをなおした。


「なんでだめなのよー?はずかしがりやさんねー」

瑚咲は女の子だろ…もう少し恥じらいって奴を持つべきぜよ」

「なあ、おい鬼童丸、それお前多由也に言えよ」

「殺されるぜよ!」


きどまるはさこんと、へんなはなしをしながらも、けっきょくふくをぬいでくれた。

かたから、三つのうでが生えてる。でもわきは一つだけで、一ばん下のうでの下にわきがあった。ちょっとだけかたがモコってなってる。


「へえ、そんなんなってたのか」

「うわあー……」


イスに立ったら、きどまるのおなかの上、むねの下くらいに瑚咲のあたまがくる。それから、きどまるの三つの手のはじまりに、瑚咲の手をグサって入れてみた。かたい。


「お前…本当なんなんぜよ」

「こえーもん知らずだな。そこいてーの?つか擽ってーのか?」

「特に何も感じはしないぜよ」


一ばん上とまん中の手のはじまりのあいだに入れた瑚咲の手をうごかして、あいだのはだをギュッとおしてみる。やっぱちょっとかたい。
りょう手でうでをつかんで、ギュッてしてからはなして、きどまるを見た。


「きどまるきもちわるいのよー」

「散々触っておいてそれか!!本当こいつ何様ぜよ!」

「いっぱいもあるの、おてて、いらないぜよー」

「うつってんじゃねーか語尾」


くるり、とイスからおりようとよこをむいたら、さこんのあたまのてっぺんが見えた。さこんはまだイスにすわってた。
それより、さこんのうしろになんかある。かみのけ。つくえにひざをついて、さこんのほうへ手をのばした。
さこんはまえがみで見えてないはずなのに、左にちょっとずれて瑚咲の手からとおくなった。


「なんでー?」

「何する気だ?」

「さこん、なんかうしろにあるぜよー?かみのけ?」

「だから語尾。…これは気にすんな」

「ええー?なにー?ねーえー!」


ばんばんっとつくえをたたいたら、さこんはちらっと見た。じっと瑚咲もそらさずに見る。
さこんはためいきをした。


「後ろのは頭だ。兄貴なんだよ」

「んー?」


なにいってんだろ。さこんはへんだなあ。

くるん、とくびをよこにしたら、さこんが「うお、まじか」っていってから立ち上がった。そのまま上を見上げたら、さこんがちょっとうなってから、二つにわかれた。


「えええー!なになになんでー!それなにー!きもちわるーい!」

「…ぁーうっせぇガキだな…俺は右近だ。左近の双子のお兄ちゃんって奴だぜ?わかるかクソガキ」


うこんっていったのは、さこんとはんたいがわの目をかくした、そっくりのかおの人。さこんのうしろにはもうあたまはない。


「うこん?どやって入ってたの?すごーいねぇー!大蛇丸さまはうこんしってるのー?」

「あったりまえだろバカじゃねぇのお前。なんでこいつ拾ってきたんだよ大蛇丸様はよー」

瑚咲がすごいからなのよー?うこんなんでさこんのうしろにいたの?ひっついてたの?おんぶ?さこんはうこんおんぶしてるの?なんでー?」


イスからとびおりて、さこんとうこんのまわりをくるくる。
あいだに立って見上げたら、どっちかわかんなくなった。


「おんぶ何かしてねーよ」

「俺らは一つの体になると色々都合がいんだよ。ガキに説明してもわかんねーだろーから詳しくは言わねーけどな」

「ふーん。うこんはなまけものなのねー?」


きどまるがうしろでぶはっていった。きどまるはもうふくをきていた。
うこんを見ると、すごいこわいかお。さこんは「あー」っていって、あたまに手をおいてた。
うこんがしゃがんで、瑚咲とおんなじ目せんになる。がしってあたまをかた手でつかんで、ぎりぎりしてきた。


「いったーいー!!!ばかー!うこんばかー!」

「あぁ?ざけんなよクソガキィ…大蛇丸様のお気に入りだかなんだか知んねえけどよぉ?」

「お、おい兄貴、相手はガキだぜ」

「いーたーいー!!うこんばか!うこんのうんこ!」


ぴたって手が止まった。ぺしってして、いそいできどまるのうしろにかくれた。

きどまるはかおがまっ赤になってて、ぷるぷるしてる。
うこんがゆらーって立ち上がった。


「…誰が…うんこだこのクソガキィィイイ!!ぜってー泣かす!!グッチャグチャのギッタギタのぼろ雑巾にしてやる!!」

「きゃぁあぁああ!!!いやぁああ!!うこんのばーか!!」


すごいこわいかおでうこんがおいかけてきて、瑚咲はドアにたいあたりして、あほのうこんからいそいでにげ出した。
うこん、いや。




(珍しく元気ですね右近。いいんですか大蛇丸様?)
(ほっときなさい。頭の中身が同レベルなのよ)










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右近は口悪い分頭も切れやすくて、中学生レベルの沸点のイメージ。うこんのうんこ!!
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