男子誕生日で花言葉(アカセカ) 2017/07了
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ふふ、中也様はとっても情熱的なお人なの。
中也様の作り出す詩はとても後ろ暗くて、なんだか背徳的で排他的。
けれどそこが魅力なの。本人だってそう。
切れ長の吊った瞳に、細い柳眉、空に向かう短い金の髪は存外柔らかい。
その身長だって魅力的なのに、中也様はどうしてか嫌がって、上げ底なんてしているけれど、そんなことしなくても十分素敵なのになあ。
そうそう私が一度書いた恋文への返歌なのか、その後すぐに短編詩集が発行されたのも、とっても嬉しかったわ。
なんて律儀なお人なのだろうと思ったけれど、少しもやっとした。
だって直接くれてもいいのに。
けどきっと担当編集が邪魔して私に直接お返事が送れないのだわ、と思いなおした。
だから詩集を代わりに発行したのでしょう?
ふふ、嬉しい。
さて、今日は何時に帰ってくるのかしら。
中也様ったら最近夜が遅いんですもの。
なんだか寂しいわ。
あ、でも今玄関から音がした。
帰ってきてくれたのね。
さあ、私は驚かすために隠れて、おかえりなさいをしなければ。
押入れを開けて、ごそりと布団を整えてその中に入って、静かに閉める。
ガチャガチャと鍵を差し込んで外す音、ドキドキする。
お台所に置いた夕飯、喜んでくれるかな。
くれるわよね。
中也様の好きなネギを使った変わり種ばかりなのよ。
中也様の嫌いなほうれん草は使ってないのよ。
バタン。
「…う、…まじかよ…またっ…」
どうしたのかしら。
いつになく焦った声だわ。
仕事がうまくいかなかったのかな。
ああ、早くこっちに来て。
私がお話を聞いてあげるから。
この襖を開けて、おかえりなさいっていうの。
前は何だったかしら、ほら、誰だったかに邪魔をされて、暫く中也様と離れ離れになってしまったけれど、私はこうやってちゃんと戻って来たのよ。
ふふ、ねえ。
愛してるわ。
中也様。
【私は貴方から決して離れないわ大丈夫よ。恋に酔ってるバカ娘と一緒にしないで】