男子誕生日で花言葉(アカセカ) 2017/07了
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千香子ちゃん、君の部屋っていつも綺麗だけど、マメに掃除してるの?
凄いよね。俺には真似できないなぁ、なんて真似も何も、時間がないから出来るはずもないんだけどね。
はは、と笑って見せれば、千香子ちゃんは複雑な顔をした。
「どうしたの?」
「え…あ…」
千香子ちゃんは自分の手の中に納まっている木の器を握り締めて、俯いてしまった。
本当にどうしたのだろう。
俺、なんか悪いこと言っちゃったかな。
慌てて千香子ちゃんに色々訊ねるけど、千香子ちゃんは俯いたまま動かない。
「…ねえ、ごめん。俺、何か気付かないうちに言っちゃった?」
ちょっとだけため息交じりに、困った様に言ってみれば、やっと千香子ちゃんは顔を上げる。
その顔は今にも泣きそうで、よく卑弥呼様が太子に叱られているときの顔にそっくりだ。
「あっ、あのね…妹子君、私ね…その…部屋、本当は綺麗じゃないの」
意を決した様に言った千香子ちゃんに、俺は暫くキョトンとするが、すぐに笑いが込み上げる。
クク、と喉を鳴らした俺を不審がる千香子ちゃんの頭に手を伸ばし、ポンポンと撫でた。
「大丈夫…知ってたよ。俺が来るから、毎回頑張って掃除してくれてたんでしょ?実はね、入鹿様から聞いちゃったんだ。千香子は片付けが苦手だって」
そう言って笑いかければ、見る見るうちに千香子ちゃんの顔は真っ赤になり、そうしてボロボロと泣き始めた。
「わあ、ごめんごめん、言わなきゃよかったね!ごめんね」
「ううー…ううん、もう…いいよお…とりあえず、入鹿君が……っ入鹿、様が…底抜けに気が使えないってわかったから…」
「わあ…親族でも、一応筆頭王子なのに…入鹿様のことそんな風に言うのって、千香子ちゃんだけだよね。……いいよね。そういうの。俺も千香子ちゃんに軽口叩いて貰えるように頑張っちゃおう」
へら、とすれば、千香子ちゃんは耳の先まで赤くなりながらも、パシリと俺の手を取った。
そうしてその手をぎゅっと握りしめて、しっかりと俺の目を見る。
「私!妹子君が好きだから、軽口叩けないの!好きな人には軽口叩くより、そんなことで時間を使っちゃうより…もっと沢山好きって伝えたいから!」
ああ、大きな目だ。綺麗に澄んで。
可愛い顔。可愛い唇。優雅な睫毛。
性格まで可愛い。
全てが俺を魅了してやまない。
ありがとう。
俺、千香子ちゃんに好きって言ってもらうたびに、どんどん深みにはまってるよ。
【大好きなキミと一緒にいれることがとても嬉しい。ねえ、俺はこの上ない幸福者だよ】