男子誕生日で花言葉(アカセカ) 2017/07了
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人と言うものは、どうしてこんなにも脆いのだろう。
予想はしていたけれど、貴方を置いていくことが、こんなにも辛いだなんて。
ああ、ごめんね。
そんなに泣かないで。
可愛い顔が、涙で濡れて、大変なことになっちゃってる。
ほら、ヤタガラスさんが、手布を渡してくれてるじゃない。優しいかたね。
ああほら、貴方につられて、タケル君までも泣いちゃって。
ふふ、なんだかおもしろい。
「っううう…ぐすっ…な、なんで笑ってっううう…おるのじゃあ…っ」
「…彼女は、自分の死を見つめて受け入れているのですヨ…別に面白くて笑っているわけではないデショウ」
ヤタガラスさんの言う通りよ。
ニニギ君を残すのは嫌だし、ニニギ君とさよならするのは辛いけれど、けれど…私はもう死ぬことを怖がっていないよ。
怖がると、黄泉の国から悪いものが来て連れて行かれちゃうんでしょう。
いやだもの。私はアマツカミ様の元へ行くだけだから。平気よ。
でも。
「………っ…ニ、ニギ…ん」
「なんじゃ!どうしたのじゃっ!」
ゼロゼロと悲鳴を上げる喉を無理矢理動かし、私は絶え絶えになりながら口を動かす。
「ご、めんね…置いて…って…わ、たし…あなたと……はなれ、たく、ないな…あ…」
ごめんね、最後に我儘を言って。
「たのし、かったもの…あり、がとう…人を……あっ、たしを…愛、して…」
ぷつり。
私の意識は途絶えてしまった。
最後に見たのは、ニニギ君の泣き腫らした真っ赤な眼と、落ちる綺麗な雫だった。
【私に真心の愛をくれた貴方と別れてしまうのはこの身が切り裂かれる思いです】