キバ(nrt) 2013/10了
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「いのー!久し振りー!」
「うん久し振りーってのぞみ!あんた痩せたわねー?!」
会って早々、久々のいのに飛びつくように抱きついた。
いのは私を引き剥がし、私の頬をぶにっと両手で挟んでから、私の腰にも手を添えて肉を摘んで叫ぶ。
私が今度は叫んだ。
「ぎゃー!いの腹肉!つまむな!」
「腹肉ぅ?!そんなもんどこにもないわよー!」
もっと太れそれか筋肉付けろ!と怒るいのに、気のない返事を返す。
いのの手を掴み、どこか違和感を感じたまま、労りの声をかける。
「中忍試験、お疲れ様。二次試験はどうだった?」
「ありがと。一応試験は通過したのよー。まぁ、予選でサクラと当たってドロー。ダブルノックアウトで予選敗退よー」
へらりと笑ったいのは、結果に満足しているようだ。
いのと共に公園のベンチに座り、がさがさと持ってきた紙袋を漁る。
中からは朝焼いてきたマフィンが現れ、ひとついのに渡す。
「わぁ!焼いたのー?おいしそう」
「うん、味見したし、おいしーよ」
「自分で言うの?それー」
けらけらと笑いながらも、一口食べたいのは、美味しいと笑ってくれた。
食べるいのの横顔を見ながら、やっとそこで違和感の正体に気づいた。
私は思わず目を見開く。
「…い、いの、それ、その髪」
いつものように頭頂部で括っているが、そのクリーム色は淡い色の布で覆われ、お団子頭になっている。
いのの髪の長さならこんな小さなお団子にはならない。ということは。
「切ったの!?短くなった!なんで!?」
「今更ー?会ったときに気付きなさいよねー」
「な、なんか変だなーとは思ってたけど!」
ゆらゆらと揺れるクリーム色がなかったのだ。
「二次試験、死の森ってとこで5日間のサバイバルだったのよ。巻物集めて塔に辿り着くの。で、予想外に通過人数が多くて予選したのよ」
つらつらといきなり語り出したのは、試験のこと。
森の中で5日間のサバイバルとか、私半日で死んでる自信ある。
「サクラと当たったって言ったでしょ?その試合の時にあいつを追いつめる作戦で私の髪の毛使ったのよー」
忍足るものどんなものでも有効利用しなきゃね、と笑ったいの。
内容は確かに納得できるけれど、自分の髪の毛まで利用するってなに。どうやって髪の毛なんか利用するのかわからない。忍者謎。
「忍って…過酷だし、謎が多いし、なんだかほんとに同じ人間なのかたまに疑うね…」
「はー?なにそれ。しっつれいねー。それ言ったらあんた達だって身体能力無さ過ぎなのよ」
「事実過ぎた。まぁ忍さんのおかげで私達こうやって生活できてるんだけどね」
マフィンを食べ終えて、私にごみを突っ返すいのは、そうよ、と頷く。
それにふと思い出して、本戦のことを訊ねてみる。
「ねぇいの、本戦って誰が出場するの?」
「えー?サスケ君と…あと、ナルトでしょ、シノでしょー?ネジって人に、音のドス、あと、砂の三姉弟だったかな」
それと、とにんまり笑ういの。
「なんとシカマルもなのよねー!」
「えー!奈良君凄い!面倒くさがりさんだったから凄く予想外!」
「ねー!あたしも驚いたわー。ナルトとシカマルが行くだなんて」
「本戦、チケット取るから見に行くんだけど、いのは?」
ああ、といのは笑う。
いの達のような中忍試験参加者はもれなく見れるらしい。
なんだ、じゃあ会場で会えるね、と伝えるといのも笑顔になる。
「それとね、私、本戦会場でタイミング見て、告白するんだー」
「……は?」
いのの顔が固まった。
笑顔だったいのの顔は見る見るうちに険しくなり、あんた、と呟いた。
「なんでそのタイミングなのよ」
「区切り!…いいの。砕ける準備はしてあるよ」
「ネガティブな気持ちで告白しようとすんじゃないわよー!」
「あっははは!うん、つきあえたらいいけど」
キバの気持ちは全く分からないから、何ともいえないんだ。
へらり、笑っていのを見るとデコピンをいただいた。
「…がんばんなさい」
「いえっさー」
敬礼で返すと、険しい顔から一転、いのは困ったように笑ってくれた。