キバ(nrt) 2013/10了
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キバとは、まだ赤丸が子犬だった時からずっと一緒にいた。
ご近所さんで、母親同士が仲良しさん=幼馴染みの方程式で、私はずっとキバの後ろにくっついていた。
「まってよーキバー!」
「おっせーぞのぞみー、なぁ、あかまる」
「わん!」
赤丸の散歩に行けば、二人にはいつも追い付けなくて、それでも置いていかれたくなくて転びそうになりながらも必死に追い掛ける。
けどやはり躓いた。
「わ、あっ」
前のめりになったところで、咄嗟に地面に手を伸ばして受け身の体制を取ろうとし、目を瞑る。
しかし予想していた痛みは襲ってこなくて、代わりに暖かいものに包まれている。
「あっぶねー!おい、だいじょうぶかよ!」
恐る恐る目を開けば、焦った顔のキバがいた。
「きば」
キバは、私の伸ばした腕を引き上げて、自分に寄り掛からせるようにしている。キバのお陰で転ばずにすんだ。
ほわりと胸が暖かくなる。
「のぞみはよー、あぶなっかしいから、おれがまもってやるよ!」
「な、なにそれ!わたし、キバにまもってもらうほどよわくない!」
「はぁ?すぐなくくせに、いうこときいとけよ!それにおれは、しのびになるんだぜ。らいねんからはアカデミーにかようんだからな!」
へん、とドヤ顔で言ったキバに、先程までの暖かい気持ちや感謝等忘れてムカついた私は、掴んでいる手を振り払い、キバの胸を突っぱねた。
「しのびになれてもつよくなれなきゃ、いみないもん!キバにはむり!」
「はー?ばかじゃねーの?おれは、つえーんだよ!な、あかまる!」
「キバはへぼっちぃよ!ね、あかまる!」
興奮する私達二人に挟まれる赤丸は迷惑そうな顔で、でも何処か嬉しそうだった。
この時は、キバが忍者になるんだから私も忍者になるんだ、と漠然とそう思っていた。
でも現実は違った。キバがアカデミーに通い出した同日、私は普通の学校に通いだした。それはお互いの両親を考えれば至極当たり前だった。
だって、私の親は忍者ではないし私自身を忍者に育てるつもりもなかったから。
それによってキバと離れるのは必然的だった。
その頃ぐらいから、自分の気持ちに気付いていた。
けれど、幼馴染の私達の関係的に恋心に気付いたのは遅く、到底その気持ちを伝えることなんてことは、出来なくなっていた。