キバ(nrt) 2013/10了
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無理矢理連れだしたイトと共に木ノ葉ちけっとへ赴き、店のおじいさんに中忍試験本戦について聞いたところまだ二次試験の結果も出てないのにわかるか、と怒鳴られた。
じゃあ解り次第此処に連絡して!と住所を書いて出て来た。
甘栗甘から出て来てから終始黙りっぱなしのイトは、ここでやっと口を開いた。
「あのさぁ、さっきは親父どもいたから深く聞かなかったけど、何よ。掛けてるって」
腰に手を当てて、私を少し鋭い目で見るイトはちょっぴり怖い。
あまり見ないように、くるりと向きを変えて帰路につくため歩き出した。
イトの足音が後ろから聞こえてくるため、着いてきていることは解る。
私は口を開いた。
「そのまま。中忍試験終わったら告白するから。どうしても、本戦会場に行きたいの。そこで告白するつもり」
夕焼けを見あげる。
オレンジと紺と黄色が混ざって、綺麗な絵になっている空を見ていると、ぐらりと揺らいだ。
イトが私の肩に手をかけて、後ろに引きつつ無理矢理方向転換させられた。
視界は、夕焼け空からイトのほんのり赤い顔に変わる。
「イト?」
「…応援してる。砕けても泣くなよ」
もうすでにイトが泣きそうになっている。
その大きな目が潤んでいるんだけどな。
「なんで、玉砕することが前提なのよ」
「最悪を前提にして考えておけば、無駄に落ち込まなくてすむじゃん」
「それって凄くネガティブ」
まぁ、事実かと頷く。だって、私だって覚悟はしてる。今のとこ脈ナシだからね。
肩にある手を握り、下に降ろす。
ぎゅっと握り込んだイトの手は熱い。
「後二日で二次試験が終わるでしょ。それから本戦が始まる。すぐに始まるのかなんなのかわからないけど、とりあえず本戦までキバには会わないつもり。会場でタイミング見て伝えるから、イト」
「わかってる。時間作れるように協力する」
握り返してきたイトの手のひらの力は、少し強い。
「うん。ありがとう」
「チケット、私が取るわ。あのおっさんから連絡来るかわかんないから、私が親父に聞いてやるわよ。のぞみ、あんたはそれまでに今より磨きかけときなさい」
それで、もし振られたら逃した魚は大きかったと悔やませてやろう。
イトは胸を反らせて真面目な顔で言った。
なんだかいつもより頼もしくなったイトに、笑いがこみ上げるも、しっかりと頷いてみせた。