キバ(nrt) 2013/10了
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「………」
「…………」
「…ねぇ、なんなのあんた。久々に学校来たと思えば、キモいくらい静かなんだけど」
「……そうすかね」
「うざー……なんかあったの?いつもの顔に戻れ!今のあんた、死にかけのヤモリみたいな顔してる」
「なんだよ死にかけのヤモリみたいな顔って」
イトの発言に多少なりともいらついた。
でも心配させてるのは事実なため、両手で頬を引き上げる。
ちょっと痛いけど、なんか気合い入った気がする。
「…まぁねー、なんかあったっちゃあったかなー」
「犬塚の事か」
ノートを写そうとしていた手が軽く止まる。
が、再び動かして、シャーペンを握る。
やだ、イトちゃん鋭いね。
「まぁそうかなぁ…イトちゃん」
「…なに?」
「私さ、頑張れそうにないかも」
「はあ?なんでよ、諦めんの?」
目線を上げてみれば、心底憮然とした顔のイトがいた。
「そんな呆れた目で見ないでぇ…」
「いや、こうなるでしょ。つーか理由は?」
「今日思ったんだよねー。私から関わろうとしなければ、なぁんの関係もなく消えてくんだなぁって」
かちかちかち、ぼき。
出し過ぎて芯が折れた。
「…」
「で、それ考えたらこの三日間、キバから私に会いに来てくれたことなかったなぁ、と思いまして。そしたら、あれ?これ、キバ私に興味ないからだよね、じゃあ毎朝の挨拶もかなり迷惑だったんじゃね?とか言う結論に至った」
「…それでもう、迷惑かけないようにしよーってか?」
「えー…うん」
迷惑というか、嫌われないようにしよう、に近いかもだけど。
そう思っていたら、大きな音を立ててイトがノートを叩いた。と思えば、そのまま握り締めてグチャグチャにした。
ルーズリーフだからいいけど、じゃなくて。
折角半分まで書いたのに。
「ちょ、おま、なにやってんの?!」
「ふざけんな馬鹿のぞみ。好きなんだったら当たって砕けるまで諦めんなよ!」
「…イトさん、貴女いつからそんな熱いキャラになったのよ」
「うっさい。私だけ幸せだからあんたにも早く幸せんなってほしいのよ!」
言い捨てると同時に、丸めたノートを私に向かってぶん投げてきた。
近距離からの迷いの無い剛速球に、無様にも餌食になった私の顔面。
それでも、何故かイトの言葉に甚く泣きそうになった。
「イト。私頑張る」
「…おう」
「砕けるまで諦めないよ」
「…うん」
「でも、とりあえずは日課、止める」
「…なんで」
「止めて、迷惑にならない程度にキバに近付いて関わり持つ」
「…ならいい…のぞみ」
「おう」
「がんばれ」