道連れ(三年) 2017/07了
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おっかしいな。此処は何処だ。
また移動したのか?
俺確か、第二演習場に向かってたはずだけど、辺りは薄暗い木々の中だ。
ガリガリと頭をかいて、一先ず戻ろうとその場を反転した。
しかし行っても行っても元の場所に戻れない。
なんなら藪が深くなった気がした。
なんでだ。
「うわっ」
何かに足を取られて、俺は盛大に転んだ。
「いって…なんだ、木の根か?」
足を引っかけた先にあるものを、薄暗い中よく見ようと目を凝らす。
膝を擦りむいたのか、じわじわと痛みが広がる。
情けないな、躓くだなんて。
「……根、じゃないな」
俺はよく見ようと膝を庇いながら自分が躓いた場所まで戻り、地面をじっと見る。
根ではない、けれど細長いものだ。
薄暗いからよく見えないけど、なんか白い色をしているようだ。
「…」
もう少し、と思って近寄り、徐に手に取ってみる。
それは俺の腕の長さほどある骨だった。
「う、わ」
さわっちまった。
思わず取り落として、手を振った。
なんだ、何の骨だ。
猪にしちゃ細いだろ。
兎や狐にしてはでかいし、野犬か。狼か。
ちら、と奥へ目をやると、割と骨が点在している。
これすべて同じ生き物の骨だったらかなりでかいし、多分別の生き物だよな。
そうなったらなんだ、ここは。
なんで骨がこんなにも集まっている?
「…まさか、墓…か?」
埋められていたのが、野犬などに掘り起こされてしまったか?
「三之助」
「!」
遠くの様な近くの様な、妙な感覚で囁かれた。
何と無く、足を踏み出して骨の散らばる場所へふらりと歩く。
誰だ、俺を呼んだの。
よく聞いたような、そうでないような。
「三之助」
「…誰だ。孫兵か?」
いや、違うな。
もっと低い。
いや、もっと高い。
なんだこれ。
カラン、と音がして、蹴っ飛ばしたものを見る。頭蓋骨だ。
「う、わああ!」
やっぱ人じゃないか!
心臓が煩くなって、思わず後ずさりした。
しかしそれはすぐに止まる。
どん、と背中が何かにあたった。
煩い心臓を無視しで、からくり人形みたいに首を動かして後ろを見る。
「さーんのすけえ」
ニタアと笑ったのは、女か、男か。
わからない。
けれどソレはいつも俺達と一緒にいたはずだった。
誰だお前は。
知っているぞ。
誰なんだ。
知ってるはずなんだ。
「みんナ、待ってるよお。授業、に遅れルか、ら」
誰なんだよ。
ぐるぐるそう考えているのに、俺は返事もせずにその知っているけれど知らないソレの、蛞蝓の様な冷たさの木の枝の様な穂孫が過ぎる指に手を重ねた。
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