無変換だと本名は千鶴(ちづる)、審神者名は花車(はなぐるま)になります。
花車
名前変換
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――???某日
「ええっ、そうなの? 盛永さんのところの?」
「そうらしいわよ。とんでもないわよね。――――になってたって」
「え、でも―――って――でしょ? それを言えば……」
「一緒よ。もう――しているんじゃなかったかしら」
「まだ―――でしょ? ――――でなんにも出てなかったもの」
「被害者なのか加害者なのかよくわからないわね」
「―さん、いくつだっけ。―――? 可哀想に」
「ご両親もかなり憔悴してたわよ」
暗転
「この度は誠に申し訳ございませんでした…。いえ、謝罪ですむようなお話ではないとわかっていますが」
「廬山様の―――には、なんとお詫び申し上げれば」
「こちらも……それはお相子ですから。発端はそちらですが、あのようになったのはうちの娘が引き起こした結果ですので…それに関しては私も本当に申し訳なく」
「…いえ……あのままではいずれ―…―にも」
「正直……―――ですが、安堵しているのも事実です」
「…―――――になったのは盛永さん達のお力添えだと、弁護士や検察からお伺いしました。本来なら、誤想過剰防衛だとか――――だとかで…執行猶予はつくものの懲役は免れないと言われてましたので…」
「……いえ…」
「それで、……――――は…」
「本人が罪はないと言い張って―――――です。私は何度も―――と言い聞かせましたが、もう聞く耳も持たず。盛永さんからも言ってくれませんか」
「…そうですね。こう言っては何ですが、――――のことなので本人の意思が一番大事だと思っています……。どちらにせよ、今後――――は全てこちらで賄いますのでおっしゃってください」
暗転
「もうどうしようもないのよ!!」
「でも、もう――も――歳なのに。―――、あんなに可愛がってたじゃない!」
「可愛かったわよ! でも段々、……―――に、――――――――って……普段は全然――――のに…っ」
「……――。…私にはとても―――――には」
「……――――わよ。私がそう――――があるのが、もう嫌なの…限界なのよ…ごめんなさい、ごめんなさい…母親失格で…」
「………捨てるの」
「…―――の受験資格の通達がきたの。あれになれば、私の現実との繋がりは消えるらしいの…ごめんなさい、逃げて」
「……捨てるわけじゃないって言いたいの?」
「………千鶴ちゃん、まだ高校生でしょ…だから、わからないのよ」
「……最っ低。無責任女」
暗転
暗い闇に囚われたような、身動きができない不愉快さに包まれて千鶴は目を開けた。
薄暗い天井。
いつもの自分の部屋だった。
寝ていたというのに酷く疲れた気分で体を起こし、室内を見渡す。
襖障子を挟んで隣の部屋からは、静かな寝息が聞こえる。
今日寝ていたのは誰だったか。翌日近侍をする者が寝たり、はたまた立候補して2~3にんで寝たりと日によってまちまちだ。
酷く頭が重い。
嫌な夢だったような気もするし、夢ではなかったかもしれない。何もかもが曖昧だった。
今がいつなのかも、覚束無い。
「…無責任…」
その言葉だけが酷く喉に張り付く。
ヒリヒリとして、剥がれない。剥がれてくれないのだ。自分が吐き出した呪詛に近い悪態が。
これを言った後の相手の顔はどんなだったか、もうわからないし、無表情だったかもしれない。相手が動揺すらしていなかったのだけは、覚えていた。
いつ吐いた言葉だったか。
暗い意識の中では高校生だとか言われていたので、その通りの時分だったはずだ。
もう6年も前の話か。じゃあ、あの子はどうしているだろうか、元気だろうかと千鶴は思うが、自分の父母の元にいるのだから心配はないだろう。
歩けない父の介護を母と一緒にしてくれていたのが最後の記憶だ。審神者になってからというもの、手紙でのやり取りしか知らない。
「…起きよ。寝れない」
呟いた千鶴は静かに布団から出ると、縁側に座る。
月明かりが煌々と畑と庭を照らし、白く反射していてとても眩しかった。