AFTER THE CEREMONY
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「都子!よーっす!」
「あらルミ、今日はオフ?」
勢い良く開いた窓の方を振り返るとそこには私服のルミが居た。白いノースリーブサマーニットとジーンズと言うラフな私服で、ヒーロースーツばかり見る都子は新鮮な気分になった。
「そー!都子は忙しい?」
「んーん、今日はもうおしまいでも良いかなーって思ってたよ。パトロールは午前したし」
「じゃあデートしよ!!」
「いいよ」
やった!とルンルンしながらソファに座るルミを見てつい笑みが零れる。職場に置いてある私服を取り出して事務所入り口の鍵を締めるとその場で着替えた。
ルミに合わせてノースリーブのカットソーにスキニージーンズ、キャスケットを被る。ふと、ルミを見ると特徴的なうさ耳はぴょこぴょこと出たままだった。
「ルミは帽子とか被らないの?」
「んー、被らないなぁ。どーせ隠せないし!」
「そっかぁ」
そのうさ耳にストレートのロングヘアはプロヒーローミルコのトレードマークだ。お忍びで遊ぶつもりは無いけれどあまりにも目立つ。少し考えて都子は引き出しからヘアゴムを出した。
「髪、結っていい?」
「え、いいの?あんがと!」
「三つ編みね〜」
「うげ、そんなファンシーな髪型してられっかよ〜」
「しかも二つ結び!」
「似合わなかったらソッコーで取るからな?」
「ふふ、絶対に似合うよ〜ルミ可愛いもん」
どんな仕上がりになるか不安ではあったがご機嫌そうな都子を見てルミはまぁいっかと言う気持ちになり身を任せた。
「どう?」
「おー、思ったより悪くないかも」
「ラフめに崩してるからジーンズにも似合うでしょ?」
出来上がった髪型を見たルミは案外悪くないと上機嫌だった。胸の方に下された二つ結びは三つ編みとは言えフィッシュボーンを崩したアレンジで甘くなり過ぎて無い。普段は髪を結っても適当な一つ結びなことが多かったため新鮮だった。
鏡を置いて都子を見ると、鼻歌を歌いながら自分の髪も同じように結っている最中だった。
「ふふ、お揃い」
「あ〜、やっぱ都子カワイイな」
「そう?ルミもとっても似合ってるけど」
「違う、髪型とかじゃ無くて存在が」
「なにそれ〜」
ケラケラと笑いながら出来たと髪型を披露する都子の手を引いて、ルミはドアから外に出た。
残暑もだいぶ落ち着いて秋を感じる穏やかな天気の中、二人は思い思いに買い物をした。主にお互いに似合いそうな服をプレゼンしていたが、都子の推しに弱いルミの方が買った量は圧倒的に多く、二人とも両手に紙袋をたくさん抱えて大通り沿いのカフェに入った。
緊急要請があってもすぐに出られるよう、テラス席を指定して座るとメニューからコーヒーとフルーツのたくさん乗ったパンケーキを注文して漸く腰が落ち着いた。
「ふふっ、いっぱい買ったね〜。満足した」
「いっぱい買ったの私だかんな?都子のプレゼン上手すぎなんだよ」
「ルミがなんでも似合っちゃうのが悪いんだよー。どれも可愛くてさ、素直に感想言ってただけだよ?」
仕方ないよねぇと笑いながらお冷に口を付けている都子は本当に上機嫌で幸せそうだった。
都子が猫の姿となってビルから落ちてきた時、イレイザーヘッドと別れた直後、ホークスと付き合うまで東京で活動していた時。変わらず明るく振舞ってはいるがいつもどこかに陰を感じていた。
今はそんな憑き物が落ちていて、心の底から幸せそうに見える。
グラスから口を離すとその宝石のようにキラキラとした美しい瞳はこちらを見つめてくる。
「ねー、ルミ。ずっと聞きたかったんだけどね」
「ん?」
「あの時、置き去りにしたのはわざとだよね?」
秋の風が三つ編みを揺らした。
あの時と言うのは、博多の湾岸で敵を掃討した時。夜更けにも関わらず帰る足の無い都子を博多に置き去りにした時のことだ。
あの時から都子の運命が変わったのは言うまでもなかった。
「どっちでもいいだろ」
「え、」
「都子が、今幸せなら、正解だ」
それが本心だった。
空から落ちてきた美しい悲劇のヒロインを抱きとめた時からある種の恋に落ちたような状態だ。都子は愛されて守られて幸せになるべき。その為だったら恨まれたって構わなかった。
ニッと笑うとその綺麗な宝石はわずかに潤む。
「ルミ…、ありがと…大好き」
「勘違いすんなよ!私の方が大好きだ!」
「ふふっ、男前だな〜かっこよすぎ」
「だろ?だから私と結婚しよ?」
「する〜!」
顔を合わせてケラケラ笑っている時、秋風にしては強すぎる風が吹いて都子の帽子を飛ばした。突然のことで風上を見るとそこには明らかにご機嫌斜めな恋人の姿。無言でズカズカとこちらに歩いてきて肩を揺らす都子と、スッと席を立つルミ。
「おいミルコ、都子は俺の嫁さんですよ?馬鹿なこと言わないで貰っていいッスか?」
「ああ?うっせーな都子がするって言ってんだろ。すっこんでろストーカー」
「ハァ〜?旦那です〜。しかもそれ冗談に決まってるでしょ都子は俺の」
「やんのか?」
「ちょ、ちょ、待ってやめて二人とも、あとミケって呼んで欲しいし結婚してない」
一番大きな風切羽を持ち出したホークスの胸倉を掴みかかったミルコを見て、都子はテラスからぴょんと飛び出て二人の間に割り込むがミルコは手を離さずに二人にぎゅうぎゅうと挟まれる形になってしまう。
「んっ、ちょっと」
「え、てか都子その髪型可愛いんだけど…つらか」
「私もしてるんだけど?これ都子がやってくれたんだからな?服もいっぱい選んでくれた!」
「俺は毎日髪乾かして貰ってますし?なんなら昨日は一緒に風呂入ってますから」
「ちょっとホークスほんとやめて恥ずかしい」
こんな目立つ三人が集まってぎゃあぎゃあと痴話喧嘩したら人が集まらない訳が無い。カフェのテラスには店内にいた人達も出てきてこちらの様子を伺っているし通りの方にも人だかりが出来て皆一様にスマホを操作していた。
「風呂ぐらい私だって一緒に入ったことあるからな?よく一緒に温泉行くし」
「え、初耳なんだけど?」
「うん、地方遠征の時は一緒に近くの温泉巡りするんだよね」
「そうだぞ、お前よりずっと昔からウチら裸の付き合いだからな」
「…ズルい俺も都子と温泉行きたい」
「ホークスなかなか連日オフ取れないから…」
「ざまァ」
あえて腹を立たせるように挑発するミルコと明らかにムッとするホークスに都子はヒヤヒヤするが、胸倉を掴む手は離れないし恋人は空いた片腕で腰を抱いてくるので状況は悪化した。そうしている間にも観客は増えて、ミルコいけ!や、ホークス負けんな!などと面白がってる野次まで聞こえてきた。
「来週…オフ取る。温泉行こ」
「あ〜残念だったな。来週ウチら遠征予定だ。温泉は私とだな、都子」
「は?聞いてないんスけど」
「あー、言ってなかったかも…来週関西の方行ってくるね」
「え〜〜やだ、イヤだ離れたく無い。あとミルコと風呂やめて」
「言っとくけど、お風呂入ろ〜って可愛くおねだりしてくんの都子だからな?」
「!!」
「!!」
ホークスが驚いて顔を覗き込むと、都子の顔面はぼぅと効果音が付きそうなほど一気に赤くなって、唇はモゴモゴさせている。
「どういう事?俺とのお風呂は断ること多いのに…」
「友達とお風呂入るのは普通でしょ…てかこの話は、やめよ…?みんな見てるし」
「断られんの!ダッセーな!私以下!」
「ミルコも煽らないで、とりあえず私の事務所にでも…」
「都子どういうこと?ミルコとは喜んで風呂入るのに俺とは嫌がるなんて…」
「ああ〜…もう、だから…」
こんな所でする話では無いのに二人共全く会話を止めないので都子の猫耳はへにゃりと下がり始め真っ赤になった顔もやや俯き始める。
都子は気付いていなかった。ホークスとミルコが言い合いをしている中たまに目配せをしていたことに。
只でさえ可愛い都子の困ったり恥ずかしがる顔は更に可愛いことを二人は知っている。そして今この状況下でも二人は心の中でその可愛らしさに悶えていた。
可愛らしく愛おしい、そんな感情が溢れ出そうになった二人はそろそろネタバラシをしようと口を開く。
「あぁ〜無理もうだめ都子愛らしすぎる…」
「そこだけはコイツと合致すんだよな〜、都子…」
「二人とも」
「「はい?」」
いつのまにかへにゃりと垂れていた猫耳はピンと立っている。ふと顔を上げる彼女の目は凛としていてそれは都子ではなくミケの顔だった。ホークスとミルコに冷や汗が走る。
「正座」
「え?」
「ちょ、まって」
「正座しなさい」
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今日カフェに入ったら隣の席の美女二人がお互いに可愛いとか好きとか言っててそれだけで悶絶だったのに、結婚しよう、する、と言った途端に事態が急変。めちゃくちゃ不機嫌なホークスが現れるわ美女の片方のミルコと一触即発になるわもう一人の美女のミケが止めに入るわでちょっと理解が追いつかなかった…
#今日のホーミケ
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なんだその修羅場…眼福かよ…
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#今日のホーミケ 一段とヤバイ
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俺も見たけど、ミルコとミケお揃いの三つ編みしててめっちゃ可愛かったな
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あれはミケが結ったらしい。それについてドヤ顔でホークスに言うミルコに対して「俺は毎日髪乾かして貰ってる」って対抗してた
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wwwwwwwww
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wwwwwwwwwwww
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ミケ、こいつ甘やかしたらアカンwww
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ミルコ、ホークスの胸倉掴むしホークスは一番強そうな羽持っててまさに一触即発だったな。あれの間に挟まれに行ったミケすごい。
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ミケの顔隠れてるけど猫耳がへにゃってて死ぬほど可愛いの把握した
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すげー写真だなコレ…
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そう、そうなんだよ…困った顔のミケが本当に本当に可愛くてマジ国宝級だったんだよ…そしてホークスとミルコの喧嘩も、それが見たい一心でやった演技だったらしくてさ…
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えっwwwそれミケ怒んないの?wwww
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[画像]
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正www座wwwwwwwww
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ミケ渾々と説教してた
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ヒーロートップランカー2人が道端で正座させられて説教受けてるwwwwwww
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こん中だとミケが一番お姉さんだからな
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ミケ姉さん
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なんだこの写真…鳥獣戯画かな?
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鳥獣www戯画wwwwwwwww
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#鳥獣戯画
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「で、なんで俺とは風呂入ってくれんと?」
「んッ、…」
いつもより少し激しめに抱いたので力気無くクッタリとうつ伏せになっている都子の背中を撫でる。いやらしく撫でたつもりは無いけれど余韻を刺激するには十分なようで腰がびくりと持ち上がった。つるんと丸いお尻が可愛らしいし、その近くには俺が中へと吐き出した精液が所々に付着していてとんでもなくいやらしい。
「教えて?」
乱れた髪を撫で整えて片側に流してやると、とろんとした顔をこちらに向けておずおずと口を開いた。
「だって、えっちなことするじゃん…恥ずかしい」
「そんなのたくさんしてるし、いっつも裸見てるから恥ずかしがらんでも…」
「…お風呂場明るいし…あと…」
「ん?」
「鏡…あるの、やだ…恥ずかしいの…」
「あー、あ〜……」
それは覚えがあった。
恥ずかしがる都子の顔が見たくて、鏡越しに挿入部をわざと見せつけるようにセックスしてしまう。やだやだ言いながらも、チラリとそこを見て顔を赤らめたり、普段より腰が動いてしまったり、よく濡れるのが可愛すぎてついやってしまっている。
でもそんな時の都子は本当に気持ち良さそうで、…
「あ〜…、勃った。もう一回シたい…」
「もう無理だよ〜…死んじゃう…」
「んー、おねがい?」
「んぁっ、」
うなじをかぷかぷと軽く噛んでやると腰が揺れて太腿を擦り合わせ始める。猫っぽい個性からか、ここを噛むとかなりエッチな気分になるようで今もはぁはぁと上気し始めていていた。可愛い。
「んっ、わかったから…ぁ、」
「よし、じゃあ行こ」
「へ?」
「お風呂場」
「…話聞いてた?、ん〜〜ッ!!」
抵抗されるのでうなじをぎゅうと強めに噛むとビクビクと腰を揺らしてお尻が突き出る形になる。身体は素直で期待しているようだった。痺れるような甘い余韻に浸ってる都子を抱えるとお風呂場へ向かう。
「都子から一緒にお風呂入ろうっておねだりしてもらえるように、たくさん気持ち良くしてあげるね」
「…勘弁してくださぃ…」
困ったように眉を下げで懇願する彼女の顔は可愛らしい以外の何物でもなく、この後どうやって可愛がってあげようかと俺は風呂場へ向かう足を早めた。