3話:はじめてジム戦やりました。

「大丈夫、なのか………?」


「大丈夫大丈夫!ノンたんはちょっとくらい傷モノにしたってなんてことねぇよ☆

首吹っ飛ばされても新しい体生えてくるんだろ、どーせ」


「おきなわのうみ、めんそーれー………おきなわのうみ、めんそーれー……おきなわのうみ、めんそーれー……………」


「どうみても大丈夫じゃねぇんだけどな…………」


ジニアはブツクサいいながら、ノンたんの尻を数回ペチペチと叩いた後めくれあがったノンたんのスカートを直し、ノンたんをゴミ箱から引き出した。


どのみち粗大ゴミにしかならないからそのまま放置しときゃいいのに、お人好しなのか?



「もうポケモンバトルでもなんでもないよコレ………ミミッキュ戻って」


ゴミ箱から引き抜かれても尚うわごとを呟くノンたんを見てはぁ……とため息をつくと、ミミッキュ仮面はボールを取り出してミミッキュを引っ込めた。


そして代わりのボールに手を掛けると、ボールのスイッチを押して、野球ボール大にしたモンスターボールを投擲。


中から出てきたのは………




「行って!ミカルゲ!!」


「おんみょーーーーーん………………」


───それは、封印されし“悪霊”。


不気味な顔が浮かび上がる紫色の霊魂が、『かなめいし』と呼ばれるアイテムのひび割れに繋ぎ止められているという、なんとも不気味な姿をしたポケモン。


あく・ゴーストの複合タイプである『ミカルゲ』。


あくタイプとゴーストタイプという属性が互いの弱点を消し合うためフェアリータイプが出てくるまでは事実上弱点なしのポケモンだった。


そのため防御面に特化させ、持久戦を挑むポケモンとして扱うことが多い。




「げっ…………!よりによってミカルゲかよ………!」


ミミッキュ仮面………いや、ジルらしく実に厄介なポケモンを出してきやがる。

ミカルゲは相手の妨害をする補助技を数多く覚える他、相手と自分の体力を平均にする『いたみわけ』も覚える。


これらを駆使することで状態異常で敵の自滅を待つ持久戦を得意としている。



「さて、と。

ミカルゲ!あいつらに本当のポケモンバトルを教えてあげな」


「おんみょーーーーーん……………」


奴の指示を聞くと、ミカルゲはぴょんぴょんとジャンプしながらヒメに迫る。



その光景は…………




「なんつーか………シュールだな……………」
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