3話:はじめてジム戦やりました。

「ミミッキュ!“かげうち”!」


「ケケッ………!」


ヒメの噛みつきを飛び退いて回避すると、ジ……ミミッキュ仮面のミミッキュは化けの皮の下側から真っ黒な腕を伸ばす。

それは街灯の光すら飲み込む程のどす黒いオーラを放ちながらヒメに迫る。



「やべっ……!ヒメ!なんでもいいから盾にしろっ!」


「イヌヌワンッ!」


我ながらかなりの無茶振りだが、ヒメにミミッキュの攻撃をやり過ごすように指示をだす。

というのもミミッキュには『ばけのかわ』という特性があり、この特性は一回だけダメージを無効化する。

ただあまりに強すぎるため、特性の発動後には最大HPの8分の1削られるように下方修正された。

しかしそれでも強いのは変わりないし、あの手に捕まったら一貫の終わりだ。


あのばけのかわの中身を見れば恐怖のあまり文字通り即死………らしい。



それはヒメもわかっているようだ。



しかし……………




「イヌヌワンッ!」


「ヒメ!?」


ヒメが盾にしたのは、どこかで見たことがあるバカ女。


あー、さっきまでシビルドンに入ってた人だっけー?



………あー、すっかり忘れてたわー。こいつの存在。





「ど"お"し"て"だ"よ"お"お"お"お"お"お"!!」






「…………ケケッ」




「ああああああああああああ!!!」




ヒメの変わりにミミッキュの黒い腕に捕まったのは、ご存知『どおしてだよの人』。


そう…………希望の担い手(笑)のノゾミ・ナカムラさんね。



ていうかコイツ未だにこんなところで寝てたのかよ。

邪魔すぎるだろこの疫病神。




粗大ご……ノンたんを捕まえたミミッキュは、ノンたんの体を何度も何度も地面に叩きつけると黒い腕でノンたんの顔を顔面の原型を留めないほどに何度も何度も殴る。


何度も殴るたびにノンたんの口から、折れた歯が血液と共に吐き出される。

飛び散った血液がミミッキュのピカチュウを模した顔に付着する。




………あ、わりぃけど俺たちはあの粗大ごみを助ける気なんか毛頭ないよ?

流石に関わりたくないし。


『君子危うきに近寄らず』っていうだろ?




「ギャアァァァァァァァァァァァ!!!」


やがてミミッキュはノンた………粗大ごみをそのばけのかわの中に引きずり込む。


バリボリと何かが砕ける音。響く咀嚼音。ノンたんの断末魔。


更にゴクンという何かを飲み込む音と共に、あのバカの断末魔が聞こえなくなる。



あー………流石にこれは死んだか………?





………まっ、ノンたんなんかどーでもいいけどな☆
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