2話:希望の担い手(笑)が人間辞めてました。

──次の日。


「ふぁぁぁ……おはよ」


結局あれからすぐに眠りにつき、目を覚ますと既に日が登っていた。

俺は体を起こし、布団にくるまる三匹のポケモンたちの背中を撫でる。


嗚呼、なんだろうか。この充実感。


ユーキド博士とのいざこざなんか忘れてしまいそうだ………。



「むちゅ………」


最初にムチュールが目を覚ますと俺の体をよじ登り、俺の頬にキスをする。



「っ!あはぁぁぁぁぁぁ~~………!!」


表情筋がとろけてゆく。

これだよ!この癒しッッ!!


癒しが欲しかったんだよ!!!


やがてピッピが目を覚ますと、こいつらも俺の体をよじ登る。


これが、幸せというものかッッ!!


ありゃ?でもヒメは?


まぁ、寝ぼけてベッドの下に落ちたんでしょ。



「あれ………これ、もう元の世界に戻「いつまで遊んでんだコラ」


「あいたっ!?」


バシンッ!!という音と共に、頭に痛みが走る。

振り替えってみるとそこにはジニアとノエルが。

ノエルの腕にはヒメが。

ありゃ?昨日ドア開けっ放しにしてたのかな?

ふたりとも勝手に部屋に入ってきちゃったのか??



「………ってかオートロックじゃないのかよポケモンセンター」


「お前んとこの犬ッコロが開けてくれたんだよ」


あぁ、なるほど。

俺はノエルからヒメを受けとるとヒメの頭を撫でる。



「ホラ、起きたんならさっさとチェックアウトすっぞ。

ナカムラシティのジムリーダーのノゾミを探すぞ……
なんか行方不明らしいからな」


「えぇ………そんな慌てなくてよくねー?

………もっとお布団でポケモンたちとわちゃわちゃしてぇよー。ねむてぇよー………」


「バカ言うな、時は金なりだ。

そら、早く支度しろよ。
ノエルだってちゃんと起きたんだぞ?」


「へーい…………」


こうして俺はポケモンたちをボールに入れると、支度を済ませ三人でポケモンセンターを後にした。
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