2話:希望の担い手(笑)が人間辞めてました。
「あぁっ!社長!!申し訳ございませんっ!!」
間もなくしてモノズの親であるリクニシさんが駆け寄ってきた。
モノズが自分のモンスターボールから抜け出したことに気づいたようだ。
「ダメじゃないかリクニシ。
自分のポケモンなんだからちゃんと見てやんないと」
「本当に申し訳ございません!つい研究に夢中になってしまって……。
ほら、ものづけんしも謝って!」
「ごめんなさい……」
「まぁ、この子にも悪気はないからね……今度好きなだけ歌えるステージ用意するよ」
「「ホントですか!?」」
……トレーナーであるリクニシさんに注意をするミチノリ社長だが、その表情は元の世界の険しさは感じられずむしろどこか穏やかにも見える。
現にこちらの世界では笑顔を見せている。
「あぁ。リクニシのモノズは歌が上手いからね。きっとみんな気に入ると思うよ」
「「ありがとうございます!」」
ミチノリ社長の言葉に笑顔になるリクニシさんとモノズ。
なんか似た者同士のふたりなのだが、それを微笑ましく見つめるミチノリ社長も本当はいい人なのだろうか。
でもなんでミチノリ社長は……
いや『血の聖誕祭』を終結させ、姫矢の街を救った『英雄』……松本道紀はあそこまでノエルの命を狙うのだろうか?
やはり、ノエルの“力”のことだろうか?
現に俺も道紀さんに何度も殺されかけているが……
──でも、俺“たち”は知らないことが多すぎる。
目の前の道紀さんのことも。
隣にいるジニア……先生のことも。
このまま目の前の事実だけを鵜呑みにして、敵と判断して、思考停止して……
……それで本当にいいのだろうか?
確かに俺の仲間たちは自分たちの世界を俺たちの世界に飲み込まれているし、俺達の世界での戦いの中で俺たちは何度も傷ついてきた。
でも………最近思うんだ。
漠然とだけど、きっと……
“今のまま”じゃ俺たちの世界は救われないんだって。
正しさで裁き合うだけじゃ、ただ目の前の敵に暴力を振るうだけじゃきっと救われないんだって。
間もなくしてモノズの親であるリクニシさんが駆け寄ってきた。
モノズが自分のモンスターボールから抜け出したことに気づいたようだ。
「ダメじゃないかリクニシ。
自分のポケモンなんだからちゃんと見てやんないと」
「本当に申し訳ございません!つい研究に夢中になってしまって……。
ほら、ものづけんしも謝って!」
「ごめんなさい……」
「まぁ、この子にも悪気はないからね……今度好きなだけ歌えるステージ用意するよ」
「「ホントですか!?」」
……トレーナーであるリクニシさんに注意をするミチノリ社長だが、その表情は元の世界の険しさは感じられずむしろどこか穏やかにも見える。
現にこちらの世界では笑顔を見せている。
「あぁ。リクニシのモノズは歌が上手いからね。きっとみんな気に入ると思うよ」
「「ありがとうございます!」」
ミチノリ社長の言葉に笑顔になるリクニシさんとモノズ。
なんか似た者同士のふたりなのだが、それを微笑ましく見つめるミチノリ社長も本当はいい人なのだろうか。
でもなんでミチノリ社長は……
いや『血の聖誕祭』を終結させ、姫矢の街を救った『英雄』……松本道紀はあそこまでノエルの命を狙うのだろうか?
やはり、ノエルの“力”のことだろうか?
現に俺も道紀さんに何度も殺されかけているが……
──でも、俺“たち”は知らないことが多すぎる。
目の前の道紀さんのことも。
隣にいるジニア……先生のことも。
このまま目の前の事実だけを鵜呑みにして、敵と判断して、思考停止して……
……それで本当にいいのだろうか?
確かに俺の仲間たちは自分たちの世界を俺たちの世界に飲み込まれているし、俺達の世界での戦いの中で俺たちは何度も傷ついてきた。
でも………最近思うんだ。
漠然とだけど、きっと……
“今のまま”じゃ俺たちの世界は救われないんだって。
正しさで裁き合うだけじゃ、ただ目の前の敵に暴力を振るうだけじゃきっと救われないんだって。