2話:希望の担い手(笑)が人間辞めてました。

「そうだ………社長さん!せっかくなので御社を見学させてもらってもよろしいですか?」


「えぇ。大歓迎です。私たちが案内しますよ」


「よろしくロト!」


ふと何を思ってか、俺はミチノリ社長にDEBONエンタープライズの見学をお願いしてしまう。

多分、ポケモンと人間が共に生きる世界をサポートするこの会社を見て回りたかったのだろう。

だが……失礼な態度をとってしまったかな?


だが、こちらの心配をよそに、ミチノリ社長は嫌な顔ひとつせずに微笑むとプリンを抱き上げ、ロトム図鑑の隣に並び立つ。




「ありゃ?そういえば社長。リクニシさんは……」


「あぁ、先に仕事場に戻りましたよ」


「そうですか………」


あぁ、やっぱりみんな忙しいのか。


でも、そんな中社長自らが時間を割いて俺たちをもてなしてくれるのか。


すげぇよなぁ…………。



「……それでは、皆さんこちらへ」


「なんか面白そうだな……」


「楽しみ」


よかった。ノエルもなんか乗り気だ。

て言うかジニアまでこういうのに乗り気なのは意外すぎるけど……。



「では改めまして。

我が社……DEBONエンタープライズへようこそ!

社長であるミチノリ自らがあなた方のポケモンライフを1000%素晴らしいものへと変えるお手伝いをさせていただきます!」


「………やっぱり1000%なんだな」


「ん?どうかしましたか?」


「いや、何も」


ジニアのつっこみにミチノリ社長は首を傾げる。

まぁ、エンタープライズだから1000%はわかったけど……
ここではその話題はやめようよ。


ゲームの中とはいえ、せっかく平和な世界に来たんだからさ。




…………一部の要素……ユーキド博士の件を除いては、だけど。
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