2話:希望の担い手(笑)が人間辞めてました。

「はいはい、オオタチ大好きお兄さん次の説明いきますよー」


「誰がオオタチ大好きお兄さんだ!

確かにオオタチは大好きだけども………」


「ならいいじゃん」


そして次のポケモン強化要素である『ダイマックス』について説明を始める。



「ダイマックスってのはね、特定の場所で一定時間……多分体感時間で3分くらいかな?
ポケモンを文字通り巨大化させることができるんだ。
それで技も専用の技に変わって威力も大幅に上がるし能力もパワーアップするって訳。
しかも、ある3体のポケモンを除けば全てのポケモンでダイマックスできるから俺たちのポケモンでも条件の合う場所に行けばできるよ」


ダイマックスとはポケモンをウルトラマンの如く巨大化させるパワーアップ要素だ。

『ガラル粒子』と呼ばれる素粒子の放出量が多い場所で、『ダイマックスバンド』なるアイテムを用いることで使用可能となる。

一度ポケモンをボールに戻しボールをデータグリッド状のものに巨大化させ、それを投げること現れたポケモンがぐんぐんと巨大化するのだが……3分もとい3ターンだけというターン制限も相まってウルトラマンにしか思えない。

だが、技も『ダイマックスわざ』なる技に変わり威力も強化される。

しかも『ザシアン』『ザマゼンタ』『ムゲンダイナ』と呼ばれるポケモンたちを除けば全てのポケモンでダイマックスが可能だ。

まぁ、この3体はダイマックスしたポケモンに対して強く出ることができる技を持ってるからそれで対抗できるんだけどな。


「なるほど。先程のメガシンカとZワザのいいところ取りって訳だ……」


「ちなみに特定のポケモンの中でも特別なポケモンたちは『キョダイマックス』っていう強化もあってこっちは技だけじゃなくて姿も能力もかなり変わるよ。」


「なるほどな………」


納得したように頷くとジニアはオオタチの頭を撫でた。



「きっと、こいつをダイマックスさせたら……………



……………きっとフカフカなんだろうなァ」


「おぉーったっちっ!」



オオタチを抱き抱えながら呟くジニア。


オオタチが甘えて奴に頬擦りする中、ジニアの表情筋がだんだんと緩んでいき、もはや鏡餅のように頼りないものになる。




「そうだよなぁ…………」


俺も手持ちの2つのボールを投げる。

すると、中からヒメとノエルが連れていたムチュールが出てくる。


俺も2体のポケモンたちを抱きしめる…………



………あ、ヒメは厳密にはポケモンじゃないんだったな。



「むちゅー?」

「イヌヌワンッ!」



「きっとフカフカしてるんだろうなぁ………」



「ふたりともー?もしもーし?」



ミチノリ社長の困ったような顔にノエルのポカーンとした顔が俺たちを見つめる。


おっと、俺としたことが。


………すっかり和んでしまった。
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