「なぁ………。

その『メガシンカ』だとか、『Zワザ』だとか、『ダイマックス』や『キョダイマックス』だとか。

あと『テラスタル』もか……

俺とノエルはよくわかんねーんだけど、説明してくれないか？」


ここでジニアが訝しげに口を開く。


あぁ、そうか。

この人、昔のポケモンしか知らないんだった。



「えっと……じゃあミチノリ社長、俺から説明します」


「お願いします」


まずはこのデボンスペックがもたらす恩恵であるものを理解しないことにはデボンスペックの凄さが理解出来ないだろう。


俺はふたりに説明を開始することに。



「まずは『メガシンカ』からね。

メガシンカは特定のポケモンが戦闘中に『変身』みたいな形でポケモンがパワーアップするんだよ。

それこそ、普通の進化ではあり得ないパワーを発揮するんだ」　



「なるほど………特定のポケモンってことは出来るやつと出来ないやつがいるってことか？」



「そう。少なくとも俺たちの中にはメガシンカ出来るポケモンはいないね」



そう、メガシンカは確かに強力なのだがゲームでは『メガストーン』と呼ばれる特殊なアイテムを持たせ、トレーナーが持つ『キーストーン』というデバイスと共鳴させることで発動する。

しかし、その仕様からポケモンに持たせる持ち物や戦略が限定されることと、バトル中に急速な進化をさせることから他の作品を連想するプレイヤーが多い。

そしてなにより、メガシンカ出来るポケモンと出来ないポケモン、そしてメガシンカ出来るポケモン同士でも能力に格差があるため賛否が別れるものとなった。




「なるほど………じゃあ俺かお前のどちらかがメガシンカ出来るポケモンを捕まえる必要があるのか。

どちらかというと俺より詳しいお前が持つべきだな……」



「珍しくやる気だね」



ジニアは考え込むような仕草をすると、メガシンカを使うこと前提で話を進める。




──なんというか、驚いた。




先ほどはポケモンは愛でる派とか言っていたのにバトルにも関心を持ち始めたのだ。


やっぱりポケモンバトルが面白かったのだろうか。




「………勘違いするなよ？俺は最短でこのゲームを終わらせるために」


「ハイハイ」


……ハイ、ジニア様のツンデレはいいんで次行きますよー。