「あ、いえいえ………」


ちょっと色々ありすぎて本当にどんな顔をしていいかわからない。


だが、とりあえずは笑顔を作っておこうか。




「私は『DEBONエンタープライズ』の社員のリクニシといいます！

この度は助けていただきありがとうございます！」





「で、デボン？

あれ？“デボンコーポレーション”じゃないんですか？」


『デボン』という名前をポケモンの世界で聞くとまず思い浮かべるのは、『デボンコーポレーション』。


ゲームボーイアドバンスのゲーム、『ルビー』それから『サファイア』から出てきたホウエン地方の企業だ。


工業製品から日用品に薬、それからモンスターボールなどのトレーナー用品を制作、販売していたのだが…………。




「名前こそ似ているけど、あちらとはあまり関係ないですねぇ」


「そ、そうなんだ………」


なんだ………なんか関係あるのかな、って思ったけど勇騎さんはそこまで設定考えてねーか。


───まぁいいや。



「あのっ！皆さんにお礼がしたいので、この先の“ナカムラシティ”の本社に来てください！」



「あ、はぁ………なぁ、どうする？」


NPCの研究員………リクニシさんの提案に俺はジニアの方を向く。


ジニアも少しだけ考えるような仕草をして……



「しゃーねぇ………行ってみるか」


「じゃあ行きます」


「ありがとうございます！では早速行きましょう！！」


ジニアの鶴の一声に俺も頷き、俺たちはリクニシさんに案内されるようにして、森を抜けた先………“ナカムラシティ”の“DEBONエンタープライズ本社ビル”へと向かうのであった。




(続く)