1話:ポケモンの世界になりました。
「「…………」」
互いに沈黙が続く。
そりゃそうだ。
昔は家族みたいなものだったが、今では敵同士。
殺し合うだけの仲でしかない。
………会話なんて続く訳もなかった。
「………まてまて~」
そんな中、幼い子供の声が聞こえてくる。
なんか聞いたことある声、だな………。
………ていうか、厳密には子供ではないかもしれない。
俺は慌てて飛び起きる。
「…やっぱりか…………」
ここでも平常運転……か。
お花畑ですごーくよく見慣れた女の子が、ウーパールーパーを更にデフォルメしたようなポケモン……『ウパー』とおいかけっこしてる。
ヒメを飼うことになった時も断固として飼わないという選択肢をとらせなかった女の子……。
「のえるん!?」
「マジか…………!」
いつの間にか起き上がっていたジニアも頭を抱えていた。
そう……彼女も俺たちの仲間にして、そこで頭を抱えているジニアの娘……ノエルだ。
「捕まえた……えへへ…………」
「うぱぱぱぱ!」
泥んこになっても、スカートがめくれあがろうとも、パンツが丸見えでもお構いなしにポケモンと戯れるのえるん。
なんか和むなぁ………。ぐへへへへへ。
「おい」
おっと。後ろにお父様がいるんだった。
凄まじい殺気を感じつつも、俺たちは立ち上がりノエルの側へ………。
「きゃっ」
しかし、ノエルはウパーとおいかけっこするのに夢中でNPCとぶつかってしまう。
「おいコラ!なに叔父貴にぶつかっとんねん!」
そしてぶつかった相手が悪かった。
巨体に和服、そして腕にはタトゥーもみえる。
背後にはスーツをきた強面の男たち。
これは………あれだ。
その道の人。カテゴリー893に属する人たち。
しかも取り巻きの言動から察するにノエルがぶつかったのはそのトップだろう。
「ノエルっ!!」
このままじゃノエルたちが危ない!
俺とジニアはそれぞれモンスターボールを構え駆け出すが………
「ごめんなさい………」
「えぇねん、えぇねん。
お嬢ちゃん、今度はおいかけっこじゃなくてポケモンとお菓子でも一緒に食べな」
893の皆様に怯えるノエルとウパーだったが、叔父貴と呼ばれた人物はノエルとウパーに微笑むと小銭を何枚か渡し、ノエルの頭を撫でる。
「ありがと~」
「ほなな~」
「暗くなる前に帰れや~」
「ちゃんと前みぃや~」
「はーい」
ノエルは小銭を受けとり礼をいうと、893の皆様は立ち去っていった。
「「……………」」
呆然と立ち尽くす俺たち。
てっきり初戦闘だと思ってた。
あの893の皆様とポケモンバトルだと思ってた。
でも………………
「おっ………O★JI★KIィィィィィィィ!!」
あの叔父貴もほかの皆様も…………めっちゃいい人でした。まる。
互いに沈黙が続く。
そりゃそうだ。
昔は家族みたいなものだったが、今では敵同士。
殺し合うだけの仲でしかない。
………会話なんて続く訳もなかった。
「………まてまて~」
そんな中、幼い子供の声が聞こえてくる。
なんか聞いたことある声、だな………。
………ていうか、厳密には子供ではないかもしれない。
俺は慌てて飛び起きる。
「…やっぱりか…………」
ここでも平常運転……か。
お花畑ですごーくよく見慣れた女の子が、ウーパールーパーを更にデフォルメしたようなポケモン……『ウパー』とおいかけっこしてる。
ヒメを飼うことになった時も断固として飼わないという選択肢をとらせなかった女の子……。
「のえるん!?」
「マジか…………!」
いつの間にか起き上がっていたジニアも頭を抱えていた。
そう……彼女も俺たちの仲間にして、そこで頭を抱えているジニアの娘……ノエルだ。
「捕まえた……えへへ…………」
「うぱぱぱぱ!」
泥んこになっても、スカートがめくれあがろうとも、パンツが丸見えでもお構いなしにポケモンと戯れるのえるん。
なんか和むなぁ………。ぐへへへへへ。
「おい」
おっと。後ろにお父様がいるんだった。
凄まじい殺気を感じつつも、俺たちは立ち上がりノエルの側へ………。
「きゃっ」
しかし、ノエルはウパーとおいかけっこするのに夢中でNPCとぶつかってしまう。
「おいコラ!なに叔父貴にぶつかっとんねん!」
そしてぶつかった相手が悪かった。
巨体に和服、そして腕にはタトゥーもみえる。
背後にはスーツをきた強面の男たち。
これは………あれだ。
その道の人。カテゴリー893に属する人たち。
しかも取り巻きの言動から察するにノエルがぶつかったのはそのトップだろう。
「ノエルっ!!」
このままじゃノエルたちが危ない!
俺とジニアはそれぞれモンスターボールを構え駆け出すが………
「ごめんなさい………」
「えぇねん、えぇねん。
お嬢ちゃん、今度はおいかけっこじゃなくてポケモンとお菓子でも一緒に食べな」
893の皆様に怯えるノエルとウパーだったが、叔父貴と呼ばれた人物はノエルとウパーに微笑むと小銭を何枚か渡し、ノエルの頭を撫でる。
「ありがと~」
「ほなな~」
「暗くなる前に帰れや~」
「ちゃんと前みぃや~」
「はーい」
ノエルは小銭を受けとり礼をいうと、893の皆様は立ち去っていった。
「「……………」」
呆然と立ち尽くす俺たち。
てっきり初戦闘だと思ってた。
あの893の皆様とポケモンバトルだと思ってた。
でも………………
「おっ………O★JI★KIィィィィィィィ!!」
あの叔父貴もほかの皆様も…………めっちゃいい人でした。まる。