1話:ポケモンの世界になりました。
「いや、でもあるはずなんだ………
色々ぶっ飛んでるとはいえ、完成版として持ってきた以上ゲームとしては成り立ってるはずだ。
じゃなきゃ、こうしてゲームを起動すら出来なかったはずだろ?」
「まぁな………」
「たしかに勇騎さんはいろいろポンコツだけど、みんなを危険に晒すことはしないよ。ガシャットは壊れたけど」
「……………思いっきり危険に晒してんじゃねーか」
………おぉぅ………グゥの音も出ない。
その話はおいといて、と。
ポケモンたち、特にチリーンが頑張ってくれたおかけでなんとか物を探せるようにはなった。
俺たちは棚や机の引き出しをあさり、ポケモン図鑑を探す。
「しっかし………派手にやったな………」
「そりゃあ勇騎さん………いやユーキド博士がシャドーボールぶっぱなしたからね」
「疲れてるんだろうな、あいつも」
ポケモン図鑑を探しながらジニアはため息。
いやいや、あんたたちが俺たちと“戦争”なんてしなければ勇騎さんも疲れることなかったって。
………なんてことは口に出さず俺は黙々とポケモン図鑑を探す。
しかし……………
「ポケモン図鑑どころか………アイテムらしいアイテムなくね?」
「だよねー………」
探しても探しても見つからない、というか当たり前のことに気づく。
そもそもここはゲームの世界。
現実世界とは違ってイベントに不必要なものはない。
つまり、ここはポケモンの研究所ということになっているのだが、主人公に『ポケモンの研究に携わるイベントがない』ので実際にポケモンの研究をしているような資料などそういうものは必要ない。
つまりはこの施設に『何もなくていい』のだ。
恐らくポケモン図鑑がないのもポケモン図鑑がゲームのイベントを進行するのに必要がないから………?
「全く時間の無駄じゃねぇか……ん?」
ため息をつくジニアは引き出しの中からなにかを見つける。
「ん?なんだこれ?………お菓子の箱と………DVD?」
引き出しの中から見つけたのは綺麗に包装された箱とDVDのソフト。
「おい、勝利。なんか菓子出てきたぞ?」
「えっ、マジで………ってこんなところにある菓子なんか食べられんの?」
「さっきまで普通にあったんだろ、この研究所。
なら勇騎が食べるためにとっておいたやつじゃねぇのか?」
そういうとジニアは包み紙を破り、箱を開ける。
箱の中には塩饅頭が。
「俺は食わねぇからな?」
「はっ、後で後悔しても知らねぇぞ?
それにしてもうまそうだな………。
……っ!!これは………!」
ジニアは塩饅頭を手に取るとそれを頬張る。
するとしばしの硬直の後、表情筋が情けないくらいに緩む。
「………ここはどこ?私は……だれ?
そう、私は天国にいる!いや、天国より上だ!」
《………きーか♪せてよ♪溢れるメロディ♪》
ジニアの頭に天使の輪と羽根が生え昇天しかけているタイミングでヒメが歌い出す。
…………嗚呼、きっと今ジニアは『生命の神秘』に触れているんだろうな。
ヒメも歌い出しているし。
俺はジニアが見つけたDVDを手に取ると都合よくDVDプレイヤーが目の前にあったのをみつける。
…………なるほど、ジニアが塩饅頭食べ終わったタイミングで再生してほしいのね。
「………ふぃー、ごちそうさん」
やがてジニアが塩饅頭を食べ終わると俺はDVDを再生する。
すると………
『…………ポケモン業界の第一人者ユーキド博士!
そんなユーキド博士の体からは美味しいダシが出る!
ユーキド博士を鍋で煮込みダシをとり、そのダシを煮詰めてダシの結晶を抽出!』
映像には勇騎さんが鍋で茹でられている映像が流れている。
訝しげに見るジニア。
やっぱり食べなくて良かった。これは…………
『そしてそれを練り込み作ったのが……
………今君が食べている塩饅頭……
いや、ヒュー饅頭だ!!』
「うげぇぇぇぇ!ばっちぃ!!
全部食っちまったぞ俺!!」
ジニアは箱を投げ捨て顔面蒼白になる。
そう、ジニアが食べた饅頭は、塩饅頭などではない。
勇騎さんから取れたダシ………『ヒューマンのダシ』を煮詰めて作ったダシの結晶を練り込んだ、『ヒューマンのダシ味の饅頭』……
略して『ヒュー饅頭』なのだ!
「…………俺はこの光景を見るのは4度目だよ」
「4回!?何をどうしたらこんなの4回も見れるんだよ!?」
…………いいリアクションをありがとうジニア。
多分3回目の時に一緒にヒューマンのダシを目撃したノンたんと並んでいいリアクションしてるよ。
それにしても映像の勇騎さん、殴りたいほどいい笑顔してるよなぁ。
色々ぶっ飛んでるとはいえ、完成版として持ってきた以上ゲームとしては成り立ってるはずだ。
じゃなきゃ、こうしてゲームを起動すら出来なかったはずだろ?」
「まぁな………」
「たしかに勇騎さんはいろいろポンコツだけど、みんなを危険に晒すことはしないよ。ガシャットは壊れたけど」
「……………思いっきり危険に晒してんじゃねーか」
………おぉぅ………グゥの音も出ない。
その話はおいといて、と。
ポケモンたち、特にチリーンが頑張ってくれたおかけでなんとか物を探せるようにはなった。
俺たちは棚や机の引き出しをあさり、ポケモン図鑑を探す。
「しっかし………派手にやったな………」
「そりゃあ勇騎さん………いやユーキド博士がシャドーボールぶっぱなしたからね」
「疲れてるんだろうな、あいつも」
ポケモン図鑑を探しながらジニアはため息。
いやいや、あんたたちが俺たちと“戦争”なんてしなければ勇騎さんも疲れることなかったって。
………なんてことは口に出さず俺は黙々とポケモン図鑑を探す。
しかし……………
「ポケモン図鑑どころか………アイテムらしいアイテムなくね?」
「だよねー………」
探しても探しても見つからない、というか当たり前のことに気づく。
そもそもここはゲームの世界。
現実世界とは違ってイベントに不必要なものはない。
つまり、ここはポケモンの研究所ということになっているのだが、主人公に『ポケモンの研究に携わるイベントがない』ので実際にポケモンの研究をしているような資料などそういうものは必要ない。
つまりはこの施設に『何もなくていい』のだ。
恐らくポケモン図鑑がないのもポケモン図鑑がゲームのイベントを進行するのに必要がないから………?
「全く時間の無駄じゃねぇか……ん?」
ため息をつくジニアは引き出しの中からなにかを見つける。
「ん?なんだこれ?………お菓子の箱と………DVD?」
引き出しの中から見つけたのは綺麗に包装された箱とDVDのソフト。
「おい、勝利。なんか菓子出てきたぞ?」
「えっ、マジで………ってこんなところにある菓子なんか食べられんの?」
「さっきまで普通にあったんだろ、この研究所。
なら勇騎が食べるためにとっておいたやつじゃねぇのか?」
そういうとジニアは包み紙を破り、箱を開ける。
箱の中には塩饅頭が。
「俺は食わねぇからな?」
「はっ、後で後悔しても知らねぇぞ?
それにしてもうまそうだな………。
……っ!!これは………!」
ジニアは塩饅頭を手に取るとそれを頬張る。
するとしばしの硬直の後、表情筋が情けないくらいに緩む。
「………ここはどこ?私は……だれ?
そう、私は天国にいる!いや、天国より上だ!」
《………きーか♪せてよ♪溢れるメロディ♪》
ジニアの頭に天使の輪と羽根が生え昇天しかけているタイミングでヒメが歌い出す。
…………嗚呼、きっと今ジニアは『生命の神秘』に触れているんだろうな。
ヒメも歌い出しているし。
俺はジニアが見つけたDVDを手に取ると都合よくDVDプレイヤーが目の前にあったのをみつける。
…………なるほど、ジニアが塩饅頭食べ終わったタイミングで再生してほしいのね。
「………ふぃー、ごちそうさん」
やがてジニアが塩饅頭を食べ終わると俺はDVDを再生する。
すると………
『…………ポケモン業界の第一人者ユーキド博士!
そんなユーキド博士の体からは美味しいダシが出る!
ユーキド博士を鍋で煮込みダシをとり、そのダシを煮詰めてダシの結晶を抽出!』
映像には勇騎さんが鍋で茹でられている映像が流れている。
訝しげに見るジニア。
やっぱり食べなくて良かった。これは…………
『そしてそれを練り込み作ったのが……
………今君が食べている塩饅頭……
いや、ヒュー饅頭だ!!』
「うげぇぇぇぇ!ばっちぃ!!
全部食っちまったぞ俺!!」
ジニアは箱を投げ捨て顔面蒼白になる。
そう、ジニアが食べた饅頭は、塩饅頭などではない。
勇騎さんから取れたダシ………『ヒューマンのダシ』を煮詰めて作ったダシの結晶を練り込んだ、『ヒューマンのダシ味の饅頭』……
略して『ヒュー饅頭』なのだ!
「…………俺はこの光景を見るのは4度目だよ」
「4回!?何をどうしたらこんなの4回も見れるんだよ!?」
…………いいリアクションをありがとうジニア。
多分3回目の時に一緒にヒューマンのダシを目撃したノンたんと並んでいいリアクションしてるよ。
それにしても映像の勇騎さん、殴りたいほどいい笑顔してるよなぁ。