1話:ポケモンの世界になりました。

「黙れ。パクりでも盗作でもない。二次創作と言ってくれ。

これはみんなも知ってるポケモンを元にして体感ゲームとして作り直したもんだ。

ゲームフィールド“キーユウ地方”に入って、ポケモンを捕まえて、育てて、戦わせる。

まさにゲームやアニメのポケモンの世界を楽しめるんだぜ」



キーユウ地方って………作品の舞台に自分の名前つけたのかよ、この人。

ここまで来たら流石に変な笑いがこみ上げてきたぞ……?



それはさておき……まずは『ポケモン』を説明しなきゃだね。


『ポケットモンスター』。縮めて『ポケモン』。

デフォルメされたかわいらしいキャラクターを捕まえたり、交換したり、育てたり、戦わせるゲームだ。


俺が生まれる前からあるゲームなんだけど、当時の子供たちの口コミで広まっていって日本一売れたゲームとなったそうな。


更にはアニメやアプリゲーム、カードゲームなどマルチに展開していって今では日本だけでなく世界に広がる一大コンテンツとなった。



ちなみに俺、椿勝利はアニポケではショートヘアーにしたセレナちゃんがオシがなです☆



………女の子じゃなくて好きなポケモン言えって?



うーん……ムチュールとワンパチとギエ……ピッピかな……?
あとはあくタイプのポケモンなら大体。




「なるほど……それはいいんだけど。

そのガシャット、変身アイテムとしても使えるの?」


金髪のポニーテールを掻き分け、あくまでもクールに振る舞う『ドラゴンのお姉さん』………英華さん。

彼女はゲームの内容よりも、そのガシャットが本来の用途である変身アイテムとして機能するのかどうか……つまりはオレたちの戦力になるのかということの方が気になるようだ。



「オリジナルのガシャットもあるけど……今から使うこのガシャットに関してはただのゲームと大差ないよ。

ただゲームの世界に入って遊ぶためのものだ」


「ならこんな風に遊んでる暇なんて」


「固いこというなって。たまにはいいだろ? ………はりつめた糸は切れるってな」


いいかけた英華さんの言葉を遮り、勇騎さんは笑顔を見せる。


そうだ。たしかに毎日毎日辛い戦いばっかりだったらこっちの気が滅入る。


今日1日くらいこうやってみんなでゲームしてる方がかえって士気も高まるし、何より精神衛生的にもいい。



なるほど、だからみんな知ってる題材でゲーム作ったのか。



「たしかにそうだね……今日は思いっきり遊びましょうか」


勇騎さんの意図がわかったのかようやく納得した英華さんも笑顔を見せ、ようやくゲームを始める準備がスタートした。
2/40ページ
スキ