2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!
「────!!」
まずはリベルアシッドスマッシュがその剣を振りかざす。
生身の肉眼では捉えられないほどのスピード。
その太刀筋はまさに勇騎さんのそれだ。
しかし、ユライトはそれをいとも容易く左腕のバックラーで受け流し怒濤のスピードで何度も何度もリベルアシッドスマッシュの体を切りつける。
おそらくユライトは『マスクドフォーム』。
簡単に言えばスピードを犠牲に防御に特化したサナギにあたる姿だ。
それなのにも関わらず、リベルアシッドスマッシュをはるかに上回るスピードで切り裂いてゆく。
ユライトの攻撃を抵抗もせず攻撃を受け続けているようにも見える。
いや、『抵抗しない』んじゃない。
───『抵抗出来ない』んだ。
それもユライトは特別なことはやってない。
俺がこんなことを言うのも難だが………
──その力量が雲泥の差なのである。
「────!!」
《ビルド!ラビットタンクハザード!》
何処からともなく音声が響き渡り、赤と青の複眼だけを残して全てが漆黒のライダー『ビルド・ラビットタンクハザードフォーム』の幻影がリベルアシッドスマッシュの体に纏われる。
どうやらこのリベルアシッドスマッシュにはリベルが………いや、勇騎さんが所有するライダージュエルに対応したライダーの能力が使えるようだ。
だが…………。
《オーバーフロー!ヤベーイ!》
「…………だからどうしたの?」
淡々と、機械的に一言。
真っ黒なオーラを纏い、触れたものを分解することで相手の防御効果を無視する一撃。
そんな一撃を剣に込め、リベルアシッドスマッシュが放つ。
しかし、ユライトはそれすらもお構い無しと言わんがばかりにリベルガンブレードの刀身を盾すら使わず指で受け止めるとその右手の剣でリベルガンブレードをへし折ってしまう。
「!?」
剣をいとも簡単に折られてしまい、動揺するリベルアシッドスマッシュ。
しかし、ユライトの怒濤の連撃は止まらない。
何度も刀で切りつけ、リベルアシッドスマッシュを蹴り飛ばす。
勝負にならないほどの実力差のせいか、
彼女からは『機械的に』『淡々と』『事務的に』………そんな印象すら受けてしまった。
「勇騎さん…………!」
『仲間ってのはな………そう簡単に絶ち切れるもんじゃねーんだよ!!』
『何我慢してるんだよ………辛いなら辛いって言えよ!!』
『許してやれよ………自分のことも………』
───勇騎さんが俺に投げ掛けてくれた言葉が頭をよぎる。
何もかもに絶望して、自暴自棄になって仲間も傷つけて………それでもこんな俺を受け入れてくれた。
言いたくなんてないけど、俺は勇騎さんに憧れてたんだ。
俺にない強さを持ってる勇騎さんに。
その背中をずっと近くで見てきたから。
その優しさに触れたから。
そんな男が今、まるで糸の切れた操り人形みたいに地面を転がっている。
手も足も出せずに……殺されようとしているんだ。
───涙が止まらなかった。
離れてた時期もあったけど一緒に頑張ってきたんだ。
俺たちが少しでも安全に戦えるようにアイテムを作ってくれるのも、装備のメンテナンスをしてくれてるのも、作戦を考えてるのも勇騎さんだ。
こないだだって難解なノゾミやセッテのライダーシステムの整備を徹夜でやってたんだ。
そんな勇騎さんの手伝いなんて俺には少ししか出来ないけど………。
いつの間にかあの人が心の支えになってたんだ。
「止めて…………くれ………!
勇騎さんを…………」
お願いだ…………勇騎さんの強さを否定しないで。
俺たちの半年を否定しないで。
お願いだから……………!
だけど、“神様”というやつは何時でも残酷なものだ──────。
「…………“殺さないで”、って言いたいの?」
仮面越しからでも分かる冷徹な眼差し。
彼女が放ったのは、俺の次の言葉。
そのあまりに淡々とした口調と共に
背中から体温を奪われたかのような感覚に襲われた。
まずはリベルアシッドスマッシュがその剣を振りかざす。
生身の肉眼では捉えられないほどのスピード。
その太刀筋はまさに勇騎さんのそれだ。
しかし、ユライトはそれをいとも容易く左腕のバックラーで受け流し怒濤のスピードで何度も何度もリベルアシッドスマッシュの体を切りつける。
おそらくユライトは『マスクドフォーム』。
簡単に言えばスピードを犠牲に防御に特化したサナギにあたる姿だ。
それなのにも関わらず、リベルアシッドスマッシュをはるかに上回るスピードで切り裂いてゆく。
ユライトの攻撃を抵抗もせず攻撃を受け続けているようにも見える。
いや、『抵抗しない』んじゃない。
───『抵抗出来ない』んだ。
それもユライトは特別なことはやってない。
俺がこんなことを言うのも難だが………
──その力量が雲泥の差なのである。
「────!!」
《ビルド!ラビットタンクハザード!》
何処からともなく音声が響き渡り、赤と青の複眼だけを残して全てが漆黒のライダー『ビルド・ラビットタンクハザードフォーム』の幻影がリベルアシッドスマッシュの体に纏われる。
どうやらこのリベルアシッドスマッシュにはリベルが………いや、勇騎さんが所有するライダージュエルに対応したライダーの能力が使えるようだ。
だが…………。
《オーバーフロー!ヤベーイ!》
「…………だからどうしたの?」
淡々と、機械的に一言。
真っ黒なオーラを纏い、触れたものを分解することで相手の防御効果を無視する一撃。
そんな一撃を剣に込め、リベルアシッドスマッシュが放つ。
しかし、ユライトはそれすらもお構い無しと言わんがばかりにリベルガンブレードの刀身を盾すら使わず指で受け止めるとその右手の剣でリベルガンブレードをへし折ってしまう。
「!?」
剣をいとも簡単に折られてしまい、動揺するリベルアシッドスマッシュ。
しかし、ユライトの怒濤の連撃は止まらない。
何度も刀で切りつけ、リベルアシッドスマッシュを蹴り飛ばす。
勝負にならないほどの実力差のせいか、
彼女からは『機械的に』『淡々と』『事務的に』………そんな印象すら受けてしまった。
「勇騎さん…………!」
『仲間ってのはな………そう簡単に絶ち切れるもんじゃねーんだよ!!』
『何我慢してるんだよ………辛いなら辛いって言えよ!!』
『許してやれよ………自分のことも………』
───勇騎さんが俺に投げ掛けてくれた言葉が頭をよぎる。
何もかもに絶望して、自暴自棄になって仲間も傷つけて………それでもこんな俺を受け入れてくれた。
言いたくなんてないけど、俺は勇騎さんに憧れてたんだ。
俺にない強さを持ってる勇騎さんに。
その背中をずっと近くで見てきたから。
その優しさに触れたから。
そんな男が今、まるで糸の切れた操り人形みたいに地面を転がっている。
手も足も出せずに……殺されようとしているんだ。
───涙が止まらなかった。
離れてた時期もあったけど一緒に頑張ってきたんだ。
俺たちが少しでも安全に戦えるようにアイテムを作ってくれるのも、装備のメンテナンスをしてくれてるのも、作戦を考えてるのも勇騎さんだ。
こないだだって難解なノゾミやセッテのライダーシステムの整備を徹夜でやってたんだ。
そんな勇騎さんの手伝いなんて俺には少ししか出来ないけど………。
いつの間にかあの人が心の支えになってたんだ。
「止めて…………くれ………!
勇騎さんを…………」
お願いだ…………勇騎さんの強さを否定しないで。
俺たちの半年を否定しないで。
お願いだから……………!
だけど、“神様”というやつは何時でも残酷なものだ──────。
「…………“殺さないで”、って言いたいの?」
仮面越しからでも分かる冷徹な眼差し。
彼女が放ったのは、俺の次の言葉。
そのあまりに淡々とした口調と共に
背中から体温を奪われたかのような感覚に襲われた。