2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!
───VALZ SIDE───
「ヴァーハハハハハ!実にいい気分だぁ………!」
「勇騎さん!目を覚ましてくれ!!」
あれから何発その攻撃を貰っただろうか。
来栖さんの手により黒いリベル……リベルアシッドスマッシュとなった勇騎さんは依然として意識を取り戻さず、来栖さん……いや『アシッドローグ』のいいなり。
そして、そのアシッドローグはというと隣にヘルブロスとバイカイザーとかいう取り巻きを配置しつつも、ただ俺たちを見て笑い声をあげているだけ。
………勇騎さんの手で俺の息の音を止めるつもりなのだろう。
「勇騎さん……っ!」
前回のネスとの戦いであれだけ負傷して、その直後にまた攻撃を受ける。
前回ネスから受けたリアクターの過剰な火力を全身に受け、その傷も全く癒えないうちにこの襲撃だ。
体を酷使し続けて、普通ならとっくの昔に死んでるんだろうな。
ていうか死んだ方がラクかもしれない。
だけど………せめて勇騎さんは助けないとね。
《クウガ!》
俺の感覚すらなくなってきた体を気力だけで動かし、なんとかカプセルを起動させる。
そして、起動されていたカプセルの中に記憶されたライダーの力を解放すれば、カプセルの中に内包されたライダーに負傷を『肩代わり』してもらうことで俺は立ち上がる。
………こんな事ばかりしていたら本当に自分が生きているのか死んでいるのかわからなくなってしまうが、なにふりかまってなんかいられない。
「……ライダーの力を“悪用”してまで立ち上がるか。そのまま死んでいればいいものを」
「………たしかに悪用してるのは否定できない。
力を貸してくれたライダーに、俺の怪我の痛みを肩代わりしてもらって自分はこうやって立ってるんだからな」
俺は怪我の痛みを肩代わりしてくれたライダー……“クウガ”の幻影を纏うとリベルアシッドスマッシュ目掛けて駆け出し、拳を振るう。
明らかに常人を超えた力。
しかし、あくまでも急場凌ぎの力であるため、本物の異形には遠く及ばない。
「でも………それでも俺は勇騎さんを、助けたい。助けたいんだ!この命に代えても!」
「しゃらくさい事を………やれ、リベルアシッドスマッシュ!」
しかし、想いは届かない。
リベルアシッドスマッシュは俺の腕を捻るとその腹目掛けて蹴りをつき出す。
「っ!!」
纏われたクウガの幻影によりダメージは最小限に抑えられたが、俺の体はまるでボールのように何度も地面に叩きつけられ、地面を転がりレンガの壁にぶち当たりようやく止まる。
「諦めろ……椿勝利。
世間知らずのガキ共揃いも揃って敵うはずもない“世界”に戦いを挑んだ結果がこれだ。
ただの子供がライダーの力を手に入れた所で何の意味もない………。
これが現実だ。
せいぜいあの世で他の仲間と共に目と耳を閉ざし口をつぐんで静かに暮らすんだなァ……
ヴァーハハハハハハハハハ!!」
得意気に語るアシッドローグ。
歩みより、俺に掴みかかるリベルアシッドスマッシュ。
もう、ダメなのか。
これが俺の罰、か………。
俺は静かに目を閉じた。
そして、アシッドローグの合図と共にリベルアシッドスマッシュはその手刀を俺の体に突き立て………
「!?」
「なにっ!?」
────刹那、鳴り響く雷鳴。
暗黒を切り裂く稲光。
………何が起こったのか分からなかった。
それはおそらくこの場にいる誰もがそう。
恐る恐る目を開けて見てみれば、リベルアシッドスマッシュの手刀に貫かれているはずの俺の体は安全地帯におり、リベルアシッドスマッシュは地面に叩きつけられいた。
リベルの体には稲妻が迸る。
まるで“雷”による一撃でも喰らわされたかのように。
「大丈夫?」
何者かが話しかけてくる。
少女の優しく、それでいて凛とした声。
だが、その姿は─────!
「ヴァーハハハハハ!実にいい気分だぁ………!」
「勇騎さん!目を覚ましてくれ!!」
あれから何発その攻撃を貰っただろうか。
来栖さんの手により黒いリベル……リベルアシッドスマッシュとなった勇騎さんは依然として意識を取り戻さず、来栖さん……いや『アシッドローグ』のいいなり。
そして、そのアシッドローグはというと隣にヘルブロスとバイカイザーとかいう取り巻きを配置しつつも、ただ俺たちを見て笑い声をあげているだけ。
………勇騎さんの手で俺の息の音を止めるつもりなのだろう。
「勇騎さん……っ!」
前回のネスとの戦いであれだけ負傷して、その直後にまた攻撃を受ける。
前回ネスから受けたリアクターの過剰な火力を全身に受け、その傷も全く癒えないうちにこの襲撃だ。
体を酷使し続けて、普通ならとっくの昔に死んでるんだろうな。
ていうか死んだ方がラクかもしれない。
だけど………せめて勇騎さんは助けないとね。
《クウガ!》
俺の感覚すらなくなってきた体を気力だけで動かし、なんとかカプセルを起動させる。
そして、起動されていたカプセルの中に記憶されたライダーの力を解放すれば、カプセルの中に内包されたライダーに負傷を『肩代わり』してもらうことで俺は立ち上がる。
………こんな事ばかりしていたら本当に自分が生きているのか死んでいるのかわからなくなってしまうが、なにふりかまってなんかいられない。
「……ライダーの力を“悪用”してまで立ち上がるか。そのまま死んでいればいいものを」
「………たしかに悪用してるのは否定できない。
力を貸してくれたライダーに、俺の怪我の痛みを肩代わりしてもらって自分はこうやって立ってるんだからな」
俺は怪我の痛みを肩代わりしてくれたライダー……“クウガ”の幻影を纏うとリベルアシッドスマッシュ目掛けて駆け出し、拳を振るう。
明らかに常人を超えた力。
しかし、あくまでも急場凌ぎの力であるため、本物の異形には遠く及ばない。
「でも………それでも俺は勇騎さんを、助けたい。助けたいんだ!この命に代えても!」
「しゃらくさい事を………やれ、リベルアシッドスマッシュ!」
しかし、想いは届かない。
リベルアシッドスマッシュは俺の腕を捻るとその腹目掛けて蹴りをつき出す。
「っ!!」
纏われたクウガの幻影によりダメージは最小限に抑えられたが、俺の体はまるでボールのように何度も地面に叩きつけられ、地面を転がりレンガの壁にぶち当たりようやく止まる。
「諦めろ……椿勝利。
世間知らずのガキ共揃いも揃って敵うはずもない“世界”に戦いを挑んだ結果がこれだ。
ただの子供がライダーの力を手に入れた所で何の意味もない………。
これが現実だ。
せいぜいあの世で他の仲間と共に目と耳を閉ざし口をつぐんで静かに暮らすんだなァ……
ヴァーハハハハハハハハハ!!」
得意気に語るアシッドローグ。
歩みより、俺に掴みかかるリベルアシッドスマッシュ。
もう、ダメなのか。
これが俺の罰、か………。
俺は静かに目を閉じた。
そして、アシッドローグの合図と共にリベルアシッドスマッシュはその手刀を俺の体に突き立て………
「!?」
「なにっ!?」
────刹那、鳴り響く雷鳴。
暗黒を切り裂く稲光。
………何が起こったのか分からなかった。
それはおそらくこの場にいる誰もがそう。
恐る恐る目を開けて見てみれば、リベルアシッドスマッシュの手刀に貫かれているはずの俺の体は安全地帯におり、リベルアシッドスマッシュは地面に叩きつけられいた。
リベルの体には稲妻が迸る。
まるで“雷”による一撃でも喰らわされたかのように。
「大丈夫?」
何者かが話しかけてくる。
少女の優しく、それでいて凛とした声。
だが、その姿は─────!