2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

《Nozo min》


「マジカル!がんばる!イェス!のぞみん♪」


私の意識に関係なく歌い続ける“私”。


恥ずかしいとかそんなレベルじゃない。

穴でも掘ってみんなが忘れるまで冬眠したい気分だ。



「…………」


「ホラホラ、ネス。あの子と戦いたいんでしょ?

行きなって………見た目はふざけてるけど、少なくとも今までの君より強いよ、アレは」


無言で立ち尽くすディスペアーの背中を叩き、ジルはディスペアーをけしかける。



「世迷い言を。だが、致し方ない………

このまま他の連中にいいようにされるのも癪だからな………。

ノゾミ・ナカムラを“絶望”させるのは私だ………!」


エターナルエッジをガンスピンの要領で回し、構え直すと歌っている私目掛けて駆け出す。



「ハートきゅんっ!とちゅういほう♪」


《ポッピー!バースト!》


《キメワザ……!クリティカルクルセイド……!》


歌いながらエクスライザーでポッピーカプセルを読み込ませると無数のハート型のエネルギー弾をディスペアーに投げつけるが……



「はぁぁぁっ………!」


エターナルエッジから発生させた青白いエネルギーの刃でハート型エネルギーを切り裂いていく。



「誰かがきゃっ!とおこまりちゅう♪」


《ときめきっ!テレポート!》


一気に距離を詰めたディスペアーがその刃を振るうが、私が振るったステッキにより発動したテレポートの魔法が私を文字通りテレポートさせ、ディスペアーの刃を回避する。



「ちぃっ………!」


「……なんとかしちゃいましょう♪きぼうのパワーで♪」


《ROCKET!LUNA!MAXIMUM-DRIVE!!》


《ときめきっ!コピー!コネクト!サンダー!》


ディスペアーの周囲に召喚されたミサイルが、まるでネスの意思によって操られているかのように変幻自在の軌道を描き迫る。

なるほど、ロケットのマキシマムドライブのミサイルをルナの効果で分身させつつ変幻自在の軌道を与えているのか。


しかし“私”はそれを察知すると、コピーによって分身させたステッキをコネクトの魔法によって全面展開。

そこから電撃を放射し、襲いくるミサイルを全て撃ち落とし………



「ドジッコはお愛嬌♪」


「ぐぅぅぅぅ………!」


無論、更にコピーしたステッキの先端をディスペアーの周囲に展開し一斉に放電。

将さんとの戦いでマントを脱ぎ捨てたディスペアーに電撃をぶちかます。



「やってくれる………」


「コロんじゃってもスマイル♪」


「うるさい………!」


全方位からの電撃を喰らい、膝をつくディスペアー。

しかし、私の挑発ともとれる言葉を聞くとすぐさま立ち上がり………



《VIOLENCE!MAXIMUM-DRIVE!!》


《ときめきっ!エキサイト!》


互いに膂力を強化し、地面を蹴る。

瞬きしている暇もなく、距離が縮まる。




意思と意思。太陽と月。希望ヒカリ絶望カゲ


───相対する“私”は、今日も向かい合う。




「「はぁぁぁぁぁぁっ!!」」


ぶつかり合う拳と拳。


光と影……私たちの戦いは始まったばかりだ。
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