2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「…………オー、モーレツゥ」


「見るなァァァ!!///」


「いや、別にお前の裸なんかに興味ないし。
ていうか見せるなきったねぇ」


イージススタイルから一変、衣服すら弾けとび全裸になってしまった私を見てジルが一言。

その歳でよくそんな古いネタ知ってるよね!
てか汚いってなんだ!傷つくなァ!!


………なんて言ってやりたいがそんな暇もなく私の体は光に包まれる。



《ドリーミンガール♪》

《プリーズ!》

《マジカルレボリューション♪》

《乙女はいーつも♪ピプペポパニック♪》

《サイコーーー!!》


またこの歌だ。

この軽快な歌と共に、私のコスチュームが再構成されてゆく。


はっきり言いましょう。



これ戦い向けじゃないよね!絶対!!



「呼ばれて飛びてでじゃじゃじゃじゃーん!!


魔法少女!プリティ☆のぞみん参上♪

みーーーんなに!希望を届けるだっちゃ!」




絢爛登場!そして可愛く決めポーズだっちゃ!




………ってバカッッ!!




これは私の意思じゃないから!
ホントだから!

ねぇ信じて!お願いだから!

この世界に来てはじめておこづかいでもらった300円あげるからァ!!




「……………相変わらず気持ち悪いなお前」


仮面越しからでも分かる冷たいネスの冷たい視線。

………うん、だからやめて?


私も自覚してるからやめて?


せめてオブラートに包んでよぉ!!



「うっそ………なんで………?ボクが使ったはずなのに」


「………やっぱり知らないよね。

エクスライザーとライダーカプセル自体はぶっちゃけ誰でも使えるし、変身アイテムにも強化アイテムにもなる。

でも、それぞれのカプセルの組み合わせは、君たちでいうなら『ウィザードとポッピーの組み合わせ』がそれに当たるんだけど………“基本的に”最初に使った人にしか使えない。


仮に使ったとしても今みたいに最初に使った人が変身してしまうのさ。


…………“よっぽどのイレギュラー”がない限りはね」



「そんなぁ~~!」





なんかさりげなく重要な説明をしてるんだけども私にはそれを聞いてる暇もない。

だってまたコントロール出来なくなってるもん。


……ていうかちょっと待って!

て言うことは一番始めにこの姿になった時に勝利くんから投げ渡されたウィザードとドライブのカプセルじゃ最初から私変身出来なかったってこと!?


………もぉ~!!ちゃんと自分のアイテムのこと把握してよ~~!!




「さぁ~~!悪いコにはお仕置きだっちゃよ~~~!!」


《ときめきッ!ミュージック!!》


私は……だからこれは“私”なのだろうか分からないけど、まぁいいや…………魔法のステッキを取り出すとステッキを振るう。


すると魔法が発動し、音楽が流れ出す。


…………あれ?なんか前のと違う。



「今日は歌の力で戦うだっちゃ!

ここにいるみんなも!
スマホの前のみんなも!
のぞみんと一緒に歌うだっちゃ!」



「「スマホの前のみんな?」」



「それでは!『うたえPretty🖤のぞみん』!」


《Nozo min》


「……キラキラにせかいをかえちゃえっ♪」


そして私はステッキをマイク代わりに歌い始めるのであった。



………あれ?なにこのノリ?


だから説明!説明をプリーズ!!


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