2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「「さぁ、ここからは……ゲホッゲホッ………

俺たちの、ステージだ!!」」


椿勝利は拳を、呼道勇騎は刃……ピストルの上部に刃をつけたような武器『無双セイバー』を突きだす。



「その傷だらけの生身の体でどこまで戦えるかな?」


私も店の外に出たところで、バイカイザーとヘルブロスの背後に立つ。


バイカイザーとヘルブロスはそれぞれ『カイザーシステム』と呼ばれるライダーとはまた別の存在であり、バイカイザーもヘルブロスもそのカイザーシステムの完全体だ。

しかもヘルブロスに至ってはバイカイザーを元に更にチューンナップが施されている。


どうあがいても生身の人間には勝ち目はない。


そんなこと火を見るより明らかだろう。



しかし…………



「「うおぉぉぉぉ!!」」


奴らはその傷だらけの体にむち打ちながら挑んでくる。


椿勝利は鬼火を纏った拳を振るい、呼道勇騎は無双セイバーとオレンジの果肉を模した刃を持つ『大橙丸』を握りしめ斬りかかる。



そして、そんなふたりの攻撃を食らい……

いや、その気迫に押されるように徐々に追い詰められる2体のカイザーシステム。



「バイカイザー!ヘルブロス!貴様ら何をしている!?」


「「はぁぁぁぁっ!!」」


ついに奴らの渾身の一撃がバイカイザーとヘルブロスを吹っ飛ばす。

おおよそ生身の人間、それも満身創痍の男たちから放たれるものとは思えない一撃。


まるでカプセルに宿ったライダーたちが奴らに力を貸しているかのようだ。



「………良いだろう。

後悔するといい………。私が直々に葬ってやろう」


何故だ?何故ライダーたちはジニア様ではなくこんな奴らに力を貸す?

こんな奴らに力を継ぐ資格があるとは私には思えないが。



────まぁ、いいだろう。




ここで血祭りにあげればそんなことは関係ない。


私はジニア様から託された“力”………ライダーカプセルを取り出すと奴らを静かに見据える。


これからお見せしよう。

これが今現在、私と最も適合している“力”だ………。
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