2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

膝から崩れ落ちる。

幸い、クロスオリジンとしての姿は保っているが………もはや戦うことはおろか、体を動かすことすら出来やしない。



「お前は仮面ライダーの力を使うことに強い拘りがあるようだな…………」


俺の前に立ちはだかるディスペアー。

俺にとどめを刺すつもりだろう。


ディスペアーは羽織っていたマントを脱ぎ捨て、エッグ&チキンメモリを抜き取り、代わりにエターナルさんの武装であるコンバットナイフ『エターナルエッジ』と白いメモリを取り出した。



「だったらこれは、私の慈悲だ。

………最も仮面ライダーらしい技でお前を葬ってやろう」


《ZONE!MAXIMUM-DRIVE!!》


そのメモリは“ゾーン”。地帯の記憶を内包し、その力は地点や位置、座標を司る。


このメモリを使用することでエターナルさんが使用するガイアメモリたちが全身のスロットに装填されるという仕組みだ。



《ACCEL!BIRD!CYCLONE!DUMMY!FANG!GENE!HEAT!ICEAGE!JOKER!KEY!LUNA!METAL!NASCA!OCEAN!PUPPETEER!QUEEN!ROCKET!SKULL!TRIGGER!UNICORN!VIOLENCE!WEATHER !X-TREME!YESTERDAY!MAXIMUM-DRIVE!!》


《ETERNAL!DESPAIR!MAXIMUM-DRIVE!!》




「さぁ………“絶望の宴”を楽しめ……!!」





エターナルさんが所有する26本のガイアメモリとディスペアーのメモリの合計27本のガイアメモリが奴の全身に装填される。


その瞬間、青い炎のエネルギーが奴の右足に集約される。




これがおそらく奴の最大最強の一撃。





そしてこの一撃は『世界のひとつやふたつ容易く破壊できる』と言わしめたほどの一撃。




「“ジェスターネバーエンド”………はぁぁぁぁぁ!!!」


助走から飛び上がり、渾身の一撃による蹴りが放たれた。


先ほどの一撃で避けるだけの気力も攻撃を防ぐだけの体力もない。




「がはっ……………!」


俺は成す術もなく………


“最もライダーらしい”攻撃を受け、俺の体は宙を舞う。



その目に映ったのは砕けてゆく装甲と自身の血潮、そして青い空であった。
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