2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「おやぁ?………ご存知なかった?」


軽口を叩きながら私に歩み寄るギンガ。

冷気による拘束は先程の一撃で破壊されており、もはや自由に動けるようだ。



「君たちは今までレプリカジュエルで変身していたライダー擬きと戦ってたと思うけど………

父さんの知り合いにね、このジュエルドライバーを作った大元の組織でボスの右腕をつとめていた人がいるんだ。

………そしてこの僕のジュエルはその組織の人間ですら“使えなかった”れっきとしたオリジナルのジュエル。

ウェズペリアの“Xマジンラー”の連中が使ってたレプリカジュエルとは訳が違う」


「っ!!きゃああ!!」



瞬きの間に距離を詰めたギンガ。


エネルギーの奔流によりまた私の体は吹っ飛ばされる。



「ノゾミちゃん!

……くっ!強すぎる…………!!」


《Rose Shooter 》


私の様子をみかねたのか今度はローズが弓を構える。


しかし………


「邪魔っ!!」


「ちょっ………!」


私はまたもやローズを突き飛ばしてしまう。


こんなことをしても意味がないって分かってるはずなのに。



「おやおやぁ…………仲間割れ?

……全く、『希望の担い手』の2つ名が泣いてるよ?」


「うるさいっ!!!」


再び刃に9つの光を灯し、NS能力でその威力を更にあげる。




─────だが…………




「わかんないかなぁ…………」


いつの間にか距離を詰めてきたギンガが私の剣に手を触れた途端、蓄積されていたエネルギーが一瞬にして消滅してしまった。


この力は………もしかしてNS能力!?

でもNS能力にはそんな他のNSを無力化する力なんて……。



「………“同じ”NS能力者でも僕と君とじゃ雲泥の差だってこと。」


《ギカンティック!ギンガーーーーー!!》


「っ!!!」


刹那、突き出される掌と共に放たれる破壊の一撃。



私は全く理解などしていなかった。



思い上がったつもりはなかったはずなのに。


それでもどこかで『私ならジルに勝てる』とでも思っていたのだろうか。



しかしどれだけ足掻いても、私ひとりの力では………






───奴には到底敵わない。






「きゃああああああああ!!」


破壊される装甲に砕ける仮面。
紙屑のように宙を舞う私の体。


私は眼前に映る雲ひとつない青い空を見ながらこの現実を噛み締めるしかなかった。
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