2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

───Re:BUILD SIDE───

「………奴らが動き出すみたいだな」


姫矢市・願葉区。姫矢グループ本社ビルの一室。


いつものデスク越しに私とネス、ジル様はジニア様と謁見していた。


ジニア様の赤い瞳が妖しく輝くとジニア様は笑みを浮かべる。



「ここに乗り込んで来ると?」


ガンバライジング社という後ろ楯があるとはいえ、戦況は我々の方が圧倒的に有利。

奴らももう後がない。


そうなればおそらく逆転の一手として、ここに乗り込むくらいしか奴らには残されていない。


それは何故か?



───我々が奴らの手をひとつひとつ潰してきたからだ。




「………アイツらも後がないからな。

恐らく残った奴らだけでここに乗り込んで来るだろうさ。


目的は“分かりきっている”。


手厚く迎えてやろうじゃねぇか」


その通りだ。目的は分かりきっている。


恐らく奴らはこのビルに侵入し、姫矢グループを失墜させるために、姫矢グループの上層部の連中が不正を働いたその証拠となる“ナニカ”…………

例えば反社会勢力との取引の記録や改竄されたデータが思い浮かぶだろうが、奴らは根本的に勘違いをしている。



今までにも内部告発はあったが……ここの会長がどうやって隠蔽してきたと思っている?


どうやって不正をもみ消してきたと思っている?




そもそも…………不正の証拠を手に入れた所で“誰が奴らの言葉を信じる”?




マスメディアも、そして警察も既に姫矢の傀儡だと言うのに。



────やはり奴らはただの“子供”の集まりだ。



ただライダーの力を手にいれて、
ただ幼稚な“青義セイギ”を振りかざし
ただ暴力を振るう快感に酔いしれるだけの子供。



全く…………反吐が出る。




「随分と楽しそうじゃないか、ジニア。

俺も混ぜて貰おうか」


我々の背後から歩み寄る人影。


声の主は私たちも知っている。


不遜な態度の、いけすかないあの男。





────数多の世界を巡り、世界を救った伝説の破壊者。





彼の姿を見てはジニア様は妖しく微笑む。




「フッ………いいだろう。


お前にも働いて貰おうか………






門矢 士(かどや つかさ)………!」
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