2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!
「………で、呼道。次の手は考えてあるのか?」
「ボクはスルーですか!?」
理緒のボケをスルーし、将さんは話を続ける。
たしかに奴らが攻めこんできたら動く………という自衛を徹底するだけでは遅すぎる。
現に今も私たちを取り巻く状況は悪化しているしこうしているうちにも他の世界がこの世界に飲み込まれつつある。
「あぁ………。相当危険な賭けになるがな………」
“危険な賭け”。
このワードを口にした途端、勇騎さんは口を閉ざす。
その勇騎さんの反応で分かってしまった。
この賭けは私たちのうち誰かの命を危険にさらすだけじゃない。
これから先の私たちはもちろん………私たちの世界を救った後も勝利くんのような“この世界に残る仮面ライダー”たちから永遠に居場所を奪う可能性があるものだと。
「まさか、姫矢の本社に乗り込む………とかですか?」
「あぁ、そのまさかだ」
「「「「!?」」」」
『姫矢グループ』。
この世界の経済やエネルギー産業を裏で支配している企業群だってのは何回か説明してるから分かるはず。
姫矢グループは私たちがいる『姫矢市』を拠点にして様々な事業展開を行っているけど、この姫矢グループは今から24年前………1999年かな?……に、『トーキョー』っていう街が滅んだ時に『トーキョー』の街とこの『ニホン』っていう国の経済を建て直したところなんだって。
そして、その功績と経営者の手腕によってあらゆる企業を傘下に納めてて、その中には………マスコミ関係の会社や調査会社もあるみたい。
これは勝利くんやこの世界に来て長い勇騎さんに聞いた話なんだけど、私にはちょっと難しすぎるね。
ただ、私にも分かることは姫矢グループに乗り込むことは『この世界の中心』に喧嘩を売りに行くようなもの。
だからこそ勇騎さんの言っているように慎重にならなきゃいけないんだけど、まさかその勇騎さんから真逆の提案が出るとは。
「ちょっと待ってくれよ勇騎!さっき慎重になるべきだって言ったのは勇騎じゃねぇか!なに考えてるんだよ!?」
「そうだよ!さすがにその作戦は無理がありすぎる!!」
この提案にはさすがの輝くんと理緒も声を荒げる。
当たり前だ。成功して私たちの世界を取り戻せるならそれでいい。
だが、現在私たちの戦力はたった5人。
しかも、その中で上位の幹部と張り合えるのは将さんたった1人だ。
こんな中でどうやって正面から乗り込むというのだろう。
「最後まで聞けって。誰も正面切って戦うなんて言ってねぇよ。
………これを使うんだ」
そういって、勇騎さんは自分のジュエルドライバーとライダージュエルをテーブルに置く。
ジュエルに描かれていたライダーは『ビルド・ニンニンコミックフォーム』。
“忍者”と“漫画”というどうやったらそんな意味の分からない組み合わせがベストマッチになるのか分からない姿だが、その能力は変幻自在の一言。
「これって…………!」
「俺のジュエルとドライバーだ。これを………輝、お前に預ける」
「俺!?マジかよ!」
普段なら喜ぶんだろうが……いや内心喜んでそうだが………輝くんは驚きながらも勇騎さんからジュエルドライバーとライダージュエルを受け取った。
「あと理緒、お前にも」
「これは……」
次に勇騎さんはアタッシュケースを理緒に渡す。
理緒がそれを開くと中にはやはり同じようにジュエルドライバーとライダージュエルがひとつ。
ジュエルに描かれていたのは『ベルデ』という龍騎の世界に存在するカメレオンをモチーフにしたライダー。
「これは俺がガンバライジング社の施設で複製したジュエルドライバーだ。
ジュエルはそれを使ってくれ」
「わかったけど………」
「ノゾミとセッテはこの間渡したインビジブルメモリを、将はフォーゼとスーパー1の組み合わせ……『コズミックハンド』のステルスモジュールを使ってもらう。
正面きって戦うのを出来るだけ避けつつ、5人で姫矢の本社に乗り込む。
そして、本社地下のデータサーバーに潜り込み、姫矢がこれまで不正を働いてきた、その証拠となるデータが入ったデータファイルを奪ってきて欲しい。
そのデータファイルさえあればこちらもまだ有利に動けるはずだ。
無論、5人で敵の本拠地に乗り込むのは相当な危険が伴うし、本当は俺や勝利が行ければいいんだけど………」
ここまで話すと勇騎さんはやはり口を閉ざす。
やっぱり私たちだけに危険な任務をさせるのに気が引けるのだろう。
「……なーに調子こいてんだ呼道。
自分がこのチームの中では最強だって思ってんの、かッ!」
「いたっ!」
ムスッとした表情をすると、将さんは勇騎さんにデコピンをかます。
デコピンされた箇所を押さえながら将さんを見る勇騎さん。
「なに迷ってんだ。危険なのはみんな承知だろうが。
どっちにしろ動かなきゃ何もはじまんねぇしな。
それに………俺が他の4人を守ればいい話だ。
先輩ライダーたちの力を継承してるのは、お前だけじゃねぇ。
………だから、気を張るなよ」
「将………!」
「そういうこった。だから怪我人は怪我人らしくくたばってろ!」
「アァァーーーーーー!!」
そういって笑顔を見せると勇騎さんの背中を叩く。
情けない悲鳴をあげる勇騎さん。
「ばっかやろう!!俺怪我人!俺怪我人だから!!本当にくたばったらどーすんだ!?」
「わりぃわりぃ!ちょっと力強すぎた!」
なんとも締まらないふたりの英雄。
でも………なんかこのふたりがいる、このチームなら世界すらも救える気がする。
そんな妙な安心感に、私の顔は笑顔になるのだった。
「ボクはスルーですか!?」
理緒のボケをスルーし、将さんは話を続ける。
たしかに奴らが攻めこんできたら動く………という自衛を徹底するだけでは遅すぎる。
現に今も私たちを取り巻く状況は悪化しているしこうしているうちにも他の世界がこの世界に飲み込まれつつある。
「あぁ………。相当危険な賭けになるがな………」
“危険な賭け”。
このワードを口にした途端、勇騎さんは口を閉ざす。
その勇騎さんの反応で分かってしまった。
この賭けは私たちのうち誰かの命を危険にさらすだけじゃない。
これから先の私たちはもちろん………私たちの世界を救った後も勝利くんのような“この世界に残る仮面ライダー”たちから永遠に居場所を奪う可能性があるものだと。
「まさか、姫矢の本社に乗り込む………とかですか?」
「あぁ、そのまさかだ」
「「「「!?」」」」
『姫矢グループ』。
この世界の経済やエネルギー産業を裏で支配している企業群だってのは何回か説明してるから分かるはず。
姫矢グループは私たちがいる『姫矢市』を拠点にして様々な事業展開を行っているけど、この姫矢グループは今から24年前………1999年かな?……に、『トーキョー』っていう街が滅んだ時に『トーキョー』の街とこの『ニホン』っていう国の経済を建て直したところなんだって。
そして、その功績と経営者の手腕によってあらゆる企業を傘下に納めてて、その中には………マスコミ関係の会社や調査会社もあるみたい。
これは勝利くんやこの世界に来て長い勇騎さんに聞いた話なんだけど、私にはちょっと難しすぎるね。
ただ、私にも分かることは姫矢グループに乗り込むことは『この世界の中心』に喧嘩を売りに行くようなもの。
だからこそ勇騎さんの言っているように慎重にならなきゃいけないんだけど、まさかその勇騎さんから真逆の提案が出るとは。
「ちょっと待ってくれよ勇騎!さっき慎重になるべきだって言ったのは勇騎じゃねぇか!なに考えてるんだよ!?」
「そうだよ!さすがにその作戦は無理がありすぎる!!」
この提案にはさすがの輝くんと理緒も声を荒げる。
当たり前だ。成功して私たちの世界を取り戻せるならそれでいい。
だが、現在私たちの戦力はたった5人。
しかも、その中で上位の幹部と張り合えるのは将さんたった1人だ。
こんな中でどうやって正面から乗り込むというのだろう。
「最後まで聞けって。誰も正面切って戦うなんて言ってねぇよ。
………これを使うんだ」
そういって、勇騎さんは自分のジュエルドライバーとライダージュエルをテーブルに置く。
ジュエルに描かれていたライダーは『ビルド・ニンニンコミックフォーム』。
“忍者”と“漫画”というどうやったらそんな意味の分からない組み合わせがベストマッチになるのか分からない姿だが、その能力は変幻自在の一言。
「これって…………!」
「俺のジュエルとドライバーだ。これを………輝、お前に預ける」
「俺!?マジかよ!」
普段なら喜ぶんだろうが……いや内心喜んでそうだが………輝くんは驚きながらも勇騎さんからジュエルドライバーとライダージュエルを受け取った。
「あと理緒、お前にも」
「これは……」
次に勇騎さんはアタッシュケースを理緒に渡す。
理緒がそれを開くと中にはやはり同じようにジュエルドライバーとライダージュエルがひとつ。
ジュエルに描かれていたのは『ベルデ』という龍騎の世界に存在するカメレオンをモチーフにしたライダー。
「これは俺がガンバライジング社の施設で複製したジュエルドライバーだ。
ジュエルはそれを使ってくれ」
「わかったけど………」
「ノゾミとセッテはこの間渡したインビジブルメモリを、将はフォーゼとスーパー1の組み合わせ……『コズミックハンド』のステルスモジュールを使ってもらう。
正面きって戦うのを出来るだけ避けつつ、5人で姫矢の本社に乗り込む。
そして、本社地下のデータサーバーに潜り込み、姫矢がこれまで不正を働いてきた、その証拠となるデータが入ったデータファイルを奪ってきて欲しい。
そのデータファイルさえあればこちらもまだ有利に動けるはずだ。
無論、5人で敵の本拠地に乗り込むのは相当な危険が伴うし、本当は俺や勝利が行ければいいんだけど………」
ここまで話すと勇騎さんはやはり口を閉ざす。
やっぱり私たちだけに危険な任務をさせるのに気が引けるのだろう。
「……なーに調子こいてんだ呼道。
自分がこのチームの中では最強だって思ってんの、かッ!」
「いたっ!」
ムスッとした表情をすると、将さんは勇騎さんにデコピンをかます。
デコピンされた箇所を押さえながら将さんを見る勇騎さん。
「なに迷ってんだ。危険なのはみんな承知だろうが。
どっちにしろ動かなきゃ何もはじまんねぇしな。
それに………俺が他の4人を守ればいい話だ。
先輩ライダーたちの力を継承してるのは、お前だけじゃねぇ。
………だから、気を張るなよ」
「将………!」
「そういうこった。だから怪我人は怪我人らしくくたばってろ!」
「アァァーーーーーー!!」
そういって笑顔を見せると勇騎さんの背中を叩く。
情けない悲鳴をあげる勇騎さん。
「ばっかやろう!!俺怪我人!俺怪我人だから!!本当にくたばったらどーすんだ!?」
「わりぃわりぃ!ちょっと力強すぎた!」
なんとも締まらないふたりの英雄。
でも………なんかこのふたりがいる、このチームなら世界すらも救える気がする。
そんな妙な安心感に、私の顔は笑顔になるのだった。