プロローグ:なんか希望の担い手(屑)を撥ねました……ってなにやってんの!?

「おぉぉぉぉぉぉ!!」


至近距離からの業火を浴びてもなお、倒れない目の前の怪物。


やっぱり頑丈だよね。わかってる。


わかってるからこそ、この一手が効くんだよね。


「ぐぅぅぅ……図に乗るなよ小娘ェェ!」


「うっ!」


業火に耐えながら奴は私の左腕に噛みついてきた。

激痛と共にインナーに血が滲んでいくのがわかる。



そして、少しの目眩。



そうか。ゲバコンドルは吸血怪人。

女性の生き血をエネルギーゲインにするんだっけ。


だけど、もう遅い。



「勇騎さん!!」


「あぁ!!」



《チェーンジッ!ドライブ!テクニック!》


《Drive!Type Technique!!》


リベルライザーはジュエルを交換し、緑のロボットのようなライダー『ドライブ・タイプテクニック』に変身。

すかさず車のドアを模した銃を召喚すれば、ミニカー型のサポートメカを装填する。


《ヒッサーツ!ウィンター!フルスロットル!!》



「なっ!?まさか!」


「そのまさか、です!!」 


「はっ離せェ!離せェェェ!!」


銃口にチャージされる冷気。




そうだ。これが私の目論みだ。




「勇騎さん!いっけーーーー!!」


「…………あばよ!」


私の手を必死に振りほどこうとするバッファコンドルをよそに放たれる冷気を纏った銃弾。



その機械のように正確無比な一撃。


それをすり抜けるようにして、私は奴から離れる。


そして銃弾は奴の体だけを捉え…………



「バカなァァァァァァァァ!!!」



……ホラ、予想通り。



高温から低温。
温度変化に耐えきれず、奴の装甲は粉々に砕けその体をも巻き込み爆発四散。



こうして断末魔をも…………ていうか本当に何もかもが予想通りの結末を迎えたのであった。



ちなみにさっきのクイズの正解は『勇騎さんに冷たい一撃をお願いする』が正解です。
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