2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

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………なんか、どっと疲れたような気がする。


私は勝利くんを寝かせ、勝利くんの部屋を後にする。


て言うか、どうしようコレ………

なんか、とんでもないことになっちゃったんだけど………


私はポッピーカプセルを見つめながらため息をつき、お店に戻る。


お店に出ると理緒とセッテ、輝くんに将さん、そして……これまた傷だらけの勇騎さんがいた。


て言うか勇騎さん、大丈夫なの?



「あっ、お疲れ様~!」


「おっ、ノゾミお疲れ様!」


「あ、どうも………って勇騎さん大丈夫なんですか?」


「あぁ、勝利よりは大丈夫だよ。ただ戦えはしないけど………」



いや、寝ててくださいよ。

て言うかなんで起きてきた?



「………」


「なんで起きてきたー?って顔だな。

まぁ、お前たちに話しておきたいことがあってな」


「どうしたんですか?」


私の疑問を見透かしたかのようにそういえば、勇騎さんは苦笑する。




そして、勇騎さんはこの場にいるみんなを一瞥し、話を始める。




「今、仲間の何人かは神崎を中心にガンバライジング社の依頼で姫矢の街を離れている。

それに加えて俺と勝利が負傷した。

俺たちが回復するまでの間、将がいるから大丈夫だと思うが、今、戦えるのは将と輝と理緒、そしてノゾミとセッテの5人だけだ。

孟もいるが、孟にはノエルの護衛を頼んであるから、事実上戦えるのはやっぱりお前たち5人だけだと思っていればいい」



───遡ること一週間前。


私たちをサポートしている仮面ライダー研究機関『ガンバライジング社』の社長『ガノン・ガーランド』さんの依頼により、ガンバライジング社の協力者で私たちの仲間である『神崎俊哉(かんざきとしや)』さんを中心に何人かのメンバーが姫矢市を離れて特別な任務に向かった。


そして姫矢市に残ったのが私たちだったのだけど………。



まさか勇騎さんと勝利くんが負傷するなんて。


私たち5人しかいない今、改めて身を引き締めないと。



「ジニアたちRe:BUILDと半年……何人かは一年以上戦っているが奴らは日に日に確実に強くなってる。

そして、俺たちを取り巻く状況も日毎に悪くなっているのも事実だ………」


顔を伏せながら絞り出すようにそう話す勇騎さん。

確かにその通りだ。


Re:BUILD……そしてジニア・ロックディールはこの世界の経済やエネルギー産業を裏側から支配している姫矢グループを事実上乗っ取っているのだ。

そして姫矢の城下町として栄えた姫矢市は今や“影の首都”なんて呼ばれてる。



まぁ………これは勝利くんに教えてもらったことなんだけども、そんな姫矢グループを乗っ取ったジニアはすなわちヴァルツ世界だけでいうなら『世界征服』というものは達成していることになる。



だからこそ………この世界そのものが私たちの敵として立ちはだかる。




そして────



それはもう現実の問題として立ちはだかることになろうとしているのだ。
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