2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「いや、ねぇよ。

今まではカプセルを媒介にライダーの変身者たちが“召喚”されたとか、勇騎さんたちから借りたアイテムをエクスライザーで一時的に作り替えたとか、ノンたんたちから力を“分けてもらった”とか。

そういうのはあったが……


でもカプセルが自動で動いたりとか、そういうのはなかったかな~」


「そうなんだ………」


ライダーの力を継承するといってもデバイスは様々だ。


例えば、勇騎さんのもつ『ライダージュエル』。

これはライダーや怪人の力そのものを結晶化したもので、専用のベルトで能力を解放することで対応したライダーや怪人に変身できる。

このジュエルとベルトに関しては私の世界にもあった。


次に将さんの使う『ライダーアンプル』。

こちらは財団Xの技術により開発されたものみたい。
クロスドライバーでヴァルツと同じように2体のライダーの力を融合させることができるけど、悪の心を持つものがこれを使うとユニゾンっていう怪人になるみたい。


その他にも『ライダーカード』とか『ライドウォッチ』だとか。


その他にも色んなライダーの力を内包したアイテムがある。



そして、共通しているのは『そのライダーたちと心を通わせること』と『想いを受け継ぐことで力を継承すること』。


このライダーカプセルは勝利くんの使っているもののほとんどは私やセッテ、勇騎さんとか他の仲間たちの力を“継承”したものだけど、ジニアたちの使っているものは他のライダーや怪人たちから力を奪ったり、はたまた戦闘データだけを内包したものだったりとか様々だ。


だからより“兵器”として量産に長けていたりはするが、やはり“継承”を終えたライダーカプセルの方が“兵器”としてのライダーカプセルより圧倒的に強かったりする。


そして、勝利くんは私やセッテを含めた仲間たち全員の力を“継承”している。


だからなんとしても勝利くんには一人前の仮面ライダーになってほしいのだけど………



……ゲフンゲフン。ごめんなさい、話逸れちゃったよね。


何が言いたいかっていうと、確かに色々とイレギュラーなライダーカプセルだけど、流石に喋ったり自分の意思で動いたり、そんなことはしないと思ってた。


でも………ポッピーカプセルに関しては別だ。


なんていうか、色々と分からないことだらけ。


私の頭では考えても答えは導き出せない。




────その時だった。



《ポッピー!》




「「へっ!?」」



カプセルがひとりでに起動。


それと同時に橙色の粒子がカプセルから放出されていき……………



「コスチュームチェンジ~~~!!」


「は?」


「えっ?」


かわいらしい女の子の声が聞こえる。


この声はあの名前すら言いたくない変身形態の変身ソングと同じ声だ。


やがて、カプセルから放たれた粒子は人の形を作っていき…………






「「え…………えぇーーーーーーーー!!!!」」




───私たちの驚愕の声が部屋にこだました。
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