《ときめきっ！ミュージック！》


《………叶えられる夢ばかりで♪ありふれていたDAYS♪》


「にゃにゃにゃにゃにゃ～～～！！」


私はステッキを振るいながら飛び上がると、音楽がステッキから再生され、周囲に音符型エネルギーが飛び交う。


そして、セッテたちから離れた位置に着地すれば、その音符型エネルギーをメガロマギア目掛けて飛ばす。



───しかし、なんだろう……この感覚。



自分の体なのに、自分が見ている光景を他人のそれを見ているかのように客観的に見ている。


なんていうか、自分じゃない何かが自分の体の中心を乗っ取って、自分の魂はすみっこに追いやられている感じ。


これが『憑依される』ってことなのかな？



───いや、でも………誰に？



「どんだけ～～～！！」


アームカッターを肥大化させれば、メガロマギアは私が飛ばした音符を切り裂く。



切り裂かれた音符はエネルギーの塊。


切り裂かれた瞬間、それは爆発を起こし、爆風と爆炎と共にメガロマギアを吹っ飛ばした。



「ちょっと～～！！爆発強すぎ～～～！！」


音符型エネルギーにより、自慢のアームカッターとこれまでダメージを与えられなかった装甲にダメージが入る。


なるほど、ふざけててもデュアルフュージョン形態ということか。



これなら行けそうだっちゃ。

………って私まで毒されてる！？



「ヤバスギィ～～～！！」


メガロマギアは体を高速回転させると、地面に頭から潜り込むと、背鰭だけを地面から出して地中を高速で動き回る。


その姿は某パニック映画の鮫のよう。


私という獲物を食い殺すために、私の周囲を“泳いでいる”。



「悪いコはお仕置きだっちゃ！」


《ときめきっ！エクスプロージョン！》


「えーいっ！」


………もはやこれを、プリティ☆のぞみんを“私”と言っていいのかはわからないけども。


私は往年の魔法少女たちのようにステッキを２回振るい、ステッキをつき出す。



「ばくれつ～～～～～！！」


すると私の周囲の地面が爆発を起こし、爆風と共にメガロマギアの巨体が宙を舞う。


どうやらこのプリティ☆のぞみんという姿、ステッキを振るうことでウィザードや私の魔法が使用できるようだ。


しかも、ホープ単体の魔法では全く通用しなかったメガロマギアに決定打を与えられる位に強化されて、だ。



「す、すごい……」


「いぇ～～～いっ！」


メガロマギアを圧倒している私を見て驚愕と困惑の表情を見せるセッテにピースサインを見せる。


それを見たセッテは……


「いっ、いぇ～～い…………」


苦笑しながらもピースサインを返してくれた。



うん、セッテ。あんたはいい友達だよ。

わたしゃ嬉しいよ。あんたのこと大事にするよ。



………ってなんでまるこちゃん風！？