1話:魔法少女始めました!……ってなんのこと!?

「お前の未来は見切った!」


私が豆型エネルギーを飛ばすのとほぼ同時に奴の頭部のアンテナ……時計の長針型センサーがその見た目の通り回転する。


これはジオウⅡの固有能力。

『起こりうる事象』を一瞬にして解析・分析し、未来を“予知”するものだ。


《ジオウサイキョウ!覇王切り!》


「はぁぁぁ………だぁぁぁぁぁっ!!」


横一閃に振るわれる斬撃。

刃から放たれる力の奔流は豆型エネルギーを全て消滅させてしまう。


「……ふん」


「なっ!?」


───だが、その精度はジオウⅡの本来の変身者である『常磐ソウゴ』の持つ『能力』を持ってしてようやく100%の精度の“予知”となり、また予知した未来を思うがままに変えることすら可能にする。

そして、目の前のジオウⅡ擬き……呼道勇騎も常磐ソウゴ本人の力を“ある程度”継承しているとは言え、所詮は贋作使い。常磐ソウゴ本人ではない。


私は豆型エネルギー弾と奴の攻撃を目眩ましとし、奴の背後を取った。



「私がお前の未来予知の結果まで読んでいたことは予測出来なかったか?」


《DESPAIR!MAXIMUM-DRIVE!!》


つまり、奴の未来予知は『常磐ソウゴの未来予知には及ばない』ということだ。

常磐ソウゴが変身するジオウⅡだったらどうなっていたかは私には分からないが、呼道勇騎の場合付け入る隙がある。


奴が対処するより早く、奴の武器を叩き落とすと自身のディスペアーメモリをディスペアーサーベルに装填。


膨大な量のどす黒いエネルギーが刃を包む。



「はぁっ!!」


「ぐわぁぁぁぁぁ!!」


そして今度は縦に一閃。


どす黒いエネルギーの刃が奴の体を飲み込んだ。
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