4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!
「千花、ノンたんの行きそうなとこに心当たりないか?」
「んー……そうだなぁ……」
勝利くんの言葉を聞いて千花ちゃんは口許に人差し指を当て頭上に視線を向ける。
どうやらコレが彼女のシンキングポーズのようだ。
少し子供っぽくもあるが、たしかに可愛らしいとは思う。
「そうだっ!
ふたりでホタルみたいって言ってたんだけどさ。
もしかしたら川の方に行ったのかも……」
「川ァ!?
おまっ、本気で言ってんのそれ……?」
窓の外に目を向けてみれば外は水の入ったバケツをひっくり返したような、水の塊が直接叩きつけられているような大雨。
来週くらいには更に気温が下がって大雪になるなんて天気予報でも言っていたのに、なんとも珍しいと思う。
特に姫矢市が存在する北陸の大雪は断水すら起こす……ってそんなことはどうでもよくて。
1月の寒空の、しかも大荒れのこの天気でずぶ濡れになって、その上本当に川になんか行ってたらノゾミちゃん死んじゃうよ。
「でもホントに川に向かってるんなら探しにいかなきゃいけないんじゃない?」
「そ、そうだよね……」
ただでさえ奇妙奇天烈な行動しかしないのに、今のノゾミちゃんは普段に輪をかけて何をしでかすかわからない。
本当にこの天気で増水しているであろう川に行く……なんてことも本気でやらかしそうだ。
最悪の結末になる前になんとしても連れ戻さなければ。
「とりあえず早く行かなきゃな……!
理緒、合羽ってどこにある?」
「お店に何着かあるからサイズ合うの適当に使って」
「わかった!」
ボクたち3人はお店に戻ると合羽を着込むと、激しく雨の降る街へ繰り出す。
車があればよかったのだが、ボクたちは車は運転できないし、この雨でヒメちゃんを使うわけにもいかない。
そして、何よりノゾミちゃんは徒歩。
件の川の方へ向かっているにしてもそう遠くにはいけないはずだ。
海沿いの道を通り、ノゾミちゃんが向かったであろう川の方へ。
だが……川にたどり着くまでもなくノゾミちゃんはあっさりと見つかった。
「え………」
最初に“それ”を見つけたのは千花ちゃんだった。
お店から徒歩で15分ほどで見えてくる海岸沿いの道を走っていた時に千花ちゃんがふと海の方をみた時に見つけたのだ。
「ノゾミお姉ちゃん……?
ノゾミお姉ちゃんっ!!」
「もう見つけたのか!?」
千花ちゃんは“それ”を見つけるや否や海岸の方へ駆け出していき、砂に足をとられ合羽や靴が汚れることも厭わずにそれに近づいていった。
千花ちゃんを追いかけるように海岸に行くとボクたちもそれに気がついた。
「嘘……だろ………」
「ノゾミちゃん…………!」
「ノゾミお姉ちゃぁぁぁぁぁぁん!!!」
そこにいたのはたしかにノゾミちゃんその人だった。
だけど……そこにいたノゾミちゃんは……。
──変わり果てた姿で横たわっていた。
「んー……そうだなぁ……」
勝利くんの言葉を聞いて千花ちゃんは口許に人差し指を当て頭上に視線を向ける。
どうやらコレが彼女のシンキングポーズのようだ。
少し子供っぽくもあるが、たしかに可愛らしいとは思う。
「そうだっ!
ふたりでホタルみたいって言ってたんだけどさ。
もしかしたら川の方に行ったのかも……」
「川ァ!?
おまっ、本気で言ってんのそれ……?」
窓の外に目を向けてみれば外は水の入ったバケツをひっくり返したような、水の塊が直接叩きつけられているような大雨。
来週くらいには更に気温が下がって大雪になるなんて天気予報でも言っていたのに、なんとも珍しいと思う。
特に姫矢市が存在する北陸の大雪は断水すら起こす……ってそんなことはどうでもよくて。
1月の寒空の、しかも大荒れのこの天気でずぶ濡れになって、その上本当に川になんか行ってたらノゾミちゃん死んじゃうよ。
「でもホントに川に向かってるんなら探しにいかなきゃいけないんじゃない?」
「そ、そうだよね……」
ただでさえ奇妙奇天烈な行動しかしないのに、今のノゾミちゃんは普段に輪をかけて何をしでかすかわからない。
本当にこの天気で増水しているであろう川に行く……なんてことも本気でやらかしそうだ。
最悪の結末になる前になんとしても連れ戻さなければ。
「とりあえず早く行かなきゃな……!
理緒、合羽ってどこにある?」
「お店に何着かあるからサイズ合うの適当に使って」
「わかった!」
ボクたち3人はお店に戻ると合羽を着込むと、激しく雨の降る街へ繰り出す。
車があればよかったのだが、ボクたちは車は運転できないし、この雨でヒメちゃんを使うわけにもいかない。
そして、何よりノゾミちゃんは徒歩。
件の川の方へ向かっているにしてもそう遠くにはいけないはずだ。
海沿いの道を通り、ノゾミちゃんが向かったであろう川の方へ。
だが……川にたどり着くまでもなくノゾミちゃんはあっさりと見つかった。
「え………」
最初に“それ”を見つけたのは千花ちゃんだった。
お店から徒歩で15分ほどで見えてくる海岸沿いの道を走っていた時に千花ちゃんがふと海の方をみた時に見つけたのだ。
「ノゾミお姉ちゃん……?
ノゾミお姉ちゃんっ!!」
「もう見つけたのか!?」
千花ちゃんは“それ”を見つけるや否や海岸の方へ駆け出していき、砂に足をとられ合羽や靴が汚れることも厭わずにそれに近づいていった。
千花ちゃんを追いかけるように海岸に行くとボクたちもそれに気がついた。
「嘘……だろ………」
「ノゾミちゃん…………!」
「ノゾミお姉ちゃぁぁぁぁぁぁん!!!」
そこにいたのはたしかにノゾミちゃんその人だった。
だけど……そこにいたノゾミちゃんは……。
──変わり果てた姿で横たわっていた。
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