4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!
──ROSE SIDE──
「……ねぇ、セッテちゃん」
あれから時間は少しばかり早いが店じまいとした。
勝利くんは自室に戻り、お店にはボクとセッテちゃんだけ。
しかし、セッテちゃんは泣き腫らして赤くなった目で遠くの方を見つめるばかり。
……よほどノゾミちゃんの事を思っていたのだろう。
ボクはセッテちゃんに声をかけた。
「……なに?」
こちらを振り向き、生気のない目でボクを見つめるセッテちゃん。
分かってはいたが、想像よりもセッテちゃんの心の傷は深いようだ。
「ボクね、たったひとりの親友を死なせたことがあるの……」
「………」
ボク自身、この話をするのは心が痛む。
こちらの世界で勝利くんたちに打ち明けて、楽になったがそれでも……ね。
それでも今のセッテちゃんには聞いてほしい。
いや、セッテちゃんが嫌がろうとも聞かせるつもりだ。
ボクと同じ道を辿らないためにも。
「自分の慢心と浅はかさで、判断ミスをして……それで………。
いなくなったときは受け入れられなかった。
なんか時が止まったような気がしてたよ。
今は前を向けるようにはなったけどさ、やっぱりこうやって話をするのは辛いかな」
「……何がいいたいの?もしかして慰めてるつもり?」
セッテちゃんの冷たい視線がボクを射抜く。
辛いことがあって本来ならそっとしてほしいところだろうけど、それでもセッテちゃんには言わなきゃいけないことがある。
慰めるどころか、追い討ちをかけることになるかもしれないけど。それでも。
ボクも勝利くんと想いは同じ。
今セッテちゃんに必要なのは『寄り添う』ことなんかじゃない。
たとえ傷つけることになったとしても。
たとえ苦しめることになったとしても。
たとえ恨まれることになったとしても。
セッテちゃんが『心』を知る、その手助けをしなきゃならないんだ。
「慰めなんて……」
「……慰める気なんてないよ」
「は?」
『慰めなんていらない』。
そんな彼女の言葉を遮り、言葉を紡ぐ。
セッテちゃんは露骨に嫌悪感を示すのだが、そんなことを気にしている場合ではない。
「むしろ忠告するつもりで今、話してる。
ノゾミちゃんはさ、まだ生きてるんだよ?
セッテちゃんには辛いかもしれないけど、ノゾミちゃんのこと本当に好きなら、もっとノゾミちゃんの気持ちを大切にしたら?
判断の全てをノゾミちゃんに依存して、ノゾミちゃんが他の女の子と仲良くし始めたら嫉妬して泣きわめいて……。
そんなのただのわがままじゃん。自己チューじゃん」
「っ!だからアンタたちになにが分かるのよ!!」
セッテちゃんは立ち上がるとボクの胸ぐらを掴む。
胸ぐらを掴まれたことで上着の襟がボクの首に食い込むが、その痛みに耐えながら続ける。
「……セッテちゃんはさ、ノゾミちゃんの事を『愛してない』の。
ノゾミちゃんに『恋』をしてるだけ。
きっとそれは今のノゾミちゃんも同じだろうけどさ……セッテちゃんは今のうちに気づいた方がいい」
親友を自らの判断ミスで死なせてしまったボクが言えることじゃないのは分かってる。
でも、今のセッテちゃんやノゾミちゃんをただ見ていることなんて出来はしない。
このままじゃセッテちゃんは永遠に親友を失う。そんな気がして………。
「……ねぇ、セッテちゃん」
あれから時間は少しばかり早いが店じまいとした。
勝利くんは自室に戻り、お店にはボクとセッテちゃんだけ。
しかし、セッテちゃんは泣き腫らして赤くなった目で遠くの方を見つめるばかり。
……よほどノゾミちゃんの事を思っていたのだろう。
ボクはセッテちゃんに声をかけた。
「……なに?」
こちらを振り向き、生気のない目でボクを見つめるセッテちゃん。
分かってはいたが、想像よりもセッテちゃんの心の傷は深いようだ。
「ボクね、たったひとりの親友を死なせたことがあるの……」
「………」
ボク自身、この話をするのは心が痛む。
こちらの世界で勝利くんたちに打ち明けて、楽になったがそれでも……ね。
それでも今のセッテちゃんには聞いてほしい。
いや、セッテちゃんが嫌がろうとも聞かせるつもりだ。
ボクと同じ道を辿らないためにも。
「自分の慢心と浅はかさで、判断ミスをして……それで………。
いなくなったときは受け入れられなかった。
なんか時が止まったような気がしてたよ。
今は前を向けるようにはなったけどさ、やっぱりこうやって話をするのは辛いかな」
「……何がいいたいの?もしかして慰めてるつもり?」
セッテちゃんの冷たい視線がボクを射抜く。
辛いことがあって本来ならそっとしてほしいところだろうけど、それでもセッテちゃんには言わなきゃいけないことがある。
慰めるどころか、追い討ちをかけることになるかもしれないけど。それでも。
ボクも勝利くんと想いは同じ。
今セッテちゃんに必要なのは『寄り添う』ことなんかじゃない。
たとえ傷つけることになったとしても。
たとえ苦しめることになったとしても。
たとえ恨まれることになったとしても。
セッテちゃんが『心』を知る、その手助けをしなきゃならないんだ。
「慰めなんて……」
「……慰める気なんてないよ」
「は?」
『慰めなんていらない』。
そんな彼女の言葉を遮り、言葉を紡ぐ。
セッテちゃんは露骨に嫌悪感を示すのだが、そんなことを気にしている場合ではない。
「むしろ忠告するつもりで今、話してる。
ノゾミちゃんはさ、まだ生きてるんだよ?
セッテちゃんには辛いかもしれないけど、ノゾミちゃんのこと本当に好きなら、もっとノゾミちゃんの気持ちを大切にしたら?
判断の全てをノゾミちゃんに依存して、ノゾミちゃんが他の女の子と仲良くし始めたら嫉妬して泣きわめいて……。
そんなのただのわがままじゃん。自己チューじゃん」
「っ!だからアンタたちになにが分かるのよ!!」
セッテちゃんは立ち上がるとボクの胸ぐらを掴む。
胸ぐらを掴まれたことで上着の襟がボクの首に食い込むが、その痛みに耐えながら続ける。
「……セッテちゃんはさ、ノゾミちゃんの事を『愛してない』の。
ノゾミちゃんに『恋』をしてるだけ。
きっとそれは今のノゾミちゃんも同じだろうけどさ……セッテちゃんは今のうちに気づいた方がいい」
親友を自らの判断ミスで死なせてしまったボクが言えることじゃないのは分かってる。
でも、今のセッテちゃんやノゾミちゃんをただ見ていることなんて出来はしない。
このままじゃセッテちゃんは永遠に親友を失う。そんな気がして………。