4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!

──VALZ SIDE──



………気が重い。


ジニアと対面して、話をして。



俺は………何のために戦ってるか分からなくなった。


迷わないと決めたはずなのに、迷わないって決めたばかりなのに。


結局俺は、ジニアの言うように口ばかりで全然なっちゃいない。




本当に、情けなくなってくる…………。





「はぁ………ホント、ダメだな俺。


…………ん?」


こういうときは将さんが買いだめしているラムネをぐぐっと飲むに限る。


なんでもいいから、気分転換しなくては。

しかし、憂鬱な気持ちは消えず、ため息交じりに台所に入った。



すると………声が聞こえてきた。

ボソボソと何か呟く女の子の声。



この声からすると………ノンたんかな?


ノンたんも色々あるみたいだし、ラムネでも飲みに来たのかな?





「ノンたんかー?何し…………っ!?」



───信じられない光景………
いやめちゃくちゃデジャブを感じる光景が視界に飛び込んできた。



台所の中央に置かれた人ひとりが入れる巨大な水槽。


その中に並々と注がれたもずくスープ。




更に、その中には…………全裸のノンたん。







「────恐怖心、私の心に、恐怖心」



………川柳詠んでますやん、ノンたん。



もしかして……『シュルトケスナー藻』かなんかだと思ってんの??




バカなの??ノンたんはバカなの??






どうみても市販の……というか店で出してる業務用のもずくスープじゃねぇか!!

現にもずくスープ用の袋があちらこちらに散乱してるし!

コイツ、ホントに頭おかしいだろ!!


なんで店の備品使ってんだよ!!




「のっ…………ノン、たん………?何してんの?」




「………このもずく風呂に漬かっていればきっと私は………強く……………」





「い…………いいからあがれーーーー!!!」



この際、セクハラがどうとかそんなこと言ってる場合じゃない。


俺は無理やり水槽の中に手を突っ込むと、全裸のノンたんを強引に水槽の中から引きすりだしたのだった。


てかその水槽どこで準備した!?
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