4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!
───
「勇騎さん」
「ノゾミ…………話ってなんだ?」
BATTOLERの店内。
閉店時間になり、理緒たちが自分の部屋に戻っていった頃。
私、ノゾミ・ナカムラは千花を自分の部屋に寝かせ、勇騎さんを呼び出した。
その要求はただひとつだ。
「…………私にもっと強化アイテムを作ってください。
私は今すぐ強くならなきゃいけないんです」
私は、何がなんでも千花を護らなきゃいけない。
あの子こそが私の拠り所。そして私だけの王子様でお姫様。
他の誰でもなく千花が私の孤独を理解してくれたのだ………私はあの子を護りたい。
でも、私の最強の力であるインフィニットエクシードじゃ力不足だ。
Re: BUILDの作り上げたエクスライザーには全く手も足も出なかった。
だからもっと強い力がいる。だから………
「理由は?」
「私はもっと強くならなきゃいけないんです。希望の担い手として。ここにいる誰よりも。
じゃなきゃ………私は誰も護れない。
それに強い力は相応しい人に渡すのが…………」
勇騎さんの視線が一気に冷たくなる。
絶対零度の目とはこういうことを言うのだろうか。
私はそれに臆することなく言葉を紡ぐ。
私は『希望の担い手』。
迫り来る絶望を振り払い、希望をもたらす。
それが私だ。
それに力がなければ何も護れない。
敵も倒せない。
「………。
言いたいことはそれだけか?」
「は?」
「悪いけどな、お前に渡すくらいなら理緒や輝………それこそ勝利に渡すよ。
お前の言葉を借りりゃ、“強い力はそれに相応しい奴に渡す”ってのが正しいんだろ?」
「……また勝利ですか……!」
予想通りの答え。
私がここの人たちに嫌われてるのは分かる。
でもアイツを………あの馬鹿を引き合いに出されるのは本当に頭に来る。
───私の方がアイツより強いのに。
「お前は勝利に負けてるだろ?
………お前の言葉通りならお前より勝利に渡した方がいいに決まってるからな」
「あれはっ………!」
ここに来たばかりの頃、私はヴァルツに負けてホープドライバーを破壊されている。
詳しい経緯は心の傷が開くのでここで言及するのは控えるが、私はヴァルツに最強形態であるインフィニットエクシードで挑み返り討ちにあった。
しかも、その時のヴァルツは基本形態であるベーシックフェイズ。
私のホープの最強形態は素人が変身するライダーの基本形態に負けたのだ。
それほどにまでエクスライザーの性能は高いのだ。
「私が負けたんじゃない……あれはホープが負けたんです」
「…………お前、馬鹿なのか?」
声を絞り出すように勇騎さんは言葉をつむぎ、私を睨み付ける。
「お前のライダーシステムは強化され尽くしてる。
今更どこを強化するんだよ?」
「でも!!」
「いい加減気づけ…………!
お前に必要なのは………
………“力の強さ”なんかじゃないだろ?」
「っ!!」
勇騎さんの言葉に、私の体はビクッと飛び上がるような感覚に襲われた。
何かを見透かしたような目。
きっと勇騎さんは『私に足りない何か』に気づいていたんだ。
でも私は……………
「強い力がなかったら何も護れないじゃないですか!!」
───情けなくなった。
無性に腹が立った。
悲しくなって、混乱して………いろんな感情が頭の中で渦巻いた。
なんで………なんで誰もわかってくれないの?
なんで私だけ………!!
私は勇騎さんの言葉の真意すら分からず、BATTOLERの店を飛び出した。
「勇騎さん」
「ノゾミ…………話ってなんだ?」
BATTOLERの店内。
閉店時間になり、理緒たちが自分の部屋に戻っていった頃。
私、ノゾミ・ナカムラは千花を自分の部屋に寝かせ、勇騎さんを呼び出した。
その要求はただひとつだ。
「…………私にもっと強化アイテムを作ってください。
私は今すぐ強くならなきゃいけないんです」
私は、何がなんでも千花を護らなきゃいけない。
あの子こそが私の拠り所。そして私だけの王子様でお姫様。
他の誰でもなく千花が私の孤独を理解してくれたのだ………私はあの子を護りたい。
でも、私の最強の力であるインフィニットエクシードじゃ力不足だ。
Re: BUILDの作り上げたエクスライザーには全く手も足も出なかった。
だからもっと強い力がいる。だから………
「理由は?」
「私はもっと強くならなきゃいけないんです。希望の担い手として。ここにいる誰よりも。
じゃなきゃ………私は誰も護れない。
それに強い力は相応しい人に渡すのが…………」
勇騎さんの視線が一気に冷たくなる。
絶対零度の目とはこういうことを言うのだろうか。
私はそれに臆することなく言葉を紡ぐ。
私は『希望の担い手』。
迫り来る絶望を振り払い、希望をもたらす。
それが私だ。
それに力がなければ何も護れない。
敵も倒せない。
「………。
言いたいことはそれだけか?」
「は?」
「悪いけどな、お前に渡すくらいなら理緒や輝………それこそ勝利に渡すよ。
お前の言葉を借りりゃ、“強い力はそれに相応しい奴に渡す”ってのが正しいんだろ?」
「……また勝利ですか……!」
予想通りの答え。
私がここの人たちに嫌われてるのは分かる。
でもアイツを………あの馬鹿を引き合いに出されるのは本当に頭に来る。
───私の方がアイツより強いのに。
「お前は勝利に負けてるだろ?
………お前の言葉通りならお前より勝利に渡した方がいいに決まってるからな」
「あれはっ………!」
ここに来たばかりの頃、私はヴァルツに負けてホープドライバーを破壊されている。
詳しい経緯は心の傷が開くのでここで言及するのは控えるが、私はヴァルツに最強形態であるインフィニットエクシードで挑み返り討ちにあった。
しかも、その時のヴァルツは基本形態であるベーシックフェイズ。
私のホープの最強形態は素人が変身するライダーの基本形態に負けたのだ。
それほどにまでエクスライザーの性能は高いのだ。
「私が負けたんじゃない……あれはホープが負けたんです」
「…………お前、馬鹿なのか?」
声を絞り出すように勇騎さんは言葉をつむぎ、私を睨み付ける。
「お前のライダーシステムは強化され尽くしてる。
今更どこを強化するんだよ?」
「でも!!」
「いい加減気づけ…………!
お前に必要なのは………
………“力の強さ”なんかじゃないだろ?」
「っ!!」
勇騎さんの言葉に、私の体はビクッと飛び上がるような感覚に襲われた。
何かを見透かしたような目。
きっと勇騎さんは『私に足りない何か』に気づいていたんだ。
でも私は……………
「強い力がなかったら何も護れないじゃないですか!!」
───情けなくなった。
無性に腹が立った。
悲しくなって、混乱して………いろんな感情が頭の中で渦巻いた。
なんで………なんで誰もわかってくれないの?
なんで私だけ………!!
私は勇騎さんの言葉の真意すら分からず、BATTOLERの店を飛び出した。