4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!
───
「さて、そろそろ行こうかな…………
理緒。俺、ちょっと出掛けてくるから店番よろしく」
「うん、わかった!」
俺はマグカップやティーカップを片付け、エプロンを畳むと理緒に店番を任せ、裏口から店を出る。
そしてヒメに見つからないように裏口に置いた自転車に乗るとそのまま自転車を漕ぎ、目的地へ。
流石にこの目的地は他の仲間やヒメには明かせない。
でも………行かなきゃいけない。
───こんなことが“償い”になるなんて思っちゃいないけども。
「………ごめんくださーい」
「いらっしゃいませ~」
その前に寄り道。
俺は道中の花屋に寄った。
昔ながらの小さな花屋さん。
ドアを開けて店内に入ると、アルバイトの女子高生が迎えてくれた。
おさげが可愛いメガネの女の子だ。
真面目そうな印象を与えさせられる女の子だ。
「花束をひとつ見繕って貰えませんか?」
「はーい」
アルバイトの女子高生は慣れた手つきで花を選んでは花束を作り、俺に手渡してくれた。
「1500円になりまーす」
「はーい」
俺は見繕ってもらった花束を受け取り、代金を払う。
1500円きっちり。お釣りもなく。
結構前にそれを見ていた勇騎さんには『神経質だ』と笑われたことがあったが、俺はつり銭がないように払うのが好きなのだ。
まぁ、そんなことはどうでもいいとして。
「ありがとうございました~」
俺はバイトの女の子に背を向けると、店を出た。
そして自転車を漕ぎ、目的地へと急ぐ。
中央街から郊外へ出て、それから住宅地へと向かっていく。
自転車を漕ぎ目的地に近く度、眼前に広がる風景がその表情を変えていった。
コンクリートの灰色から草木の緑へ。
まるで要らぬしがらみに自らの色を失った魂を浄化するかのように。
「………」
俺は、自転車を漕げるようになるまで回復した。
2週間くらい前にネスや来栖さんとの連戦で大怪我を負ったはずだが、今ではもう殆ど傷が残っていない。
勇騎さんや将さんなんてまだ怪我が治ってないのにだ。
確かに昔から怪我や病気をしてもすぐに回復していたような気がするが、普通に考えれば流石にこれは異常だ。
普通、あそこまでの怪我なら1ヶ月2ヶ月はベッドで安静のはずだが、俺の場合、次の日の朝には普通に歩けたくらいだ。
これが俺の“体質”なのだ。
そしてその体質を実現しているのは………。
「やっとついた…………!」
───でも今はその話は止めておこう。
夢中で自転車を漕いでいる間に目的地へとたどり着いたのだから。
それは巨大な仁王門に、日本古来の木造の荘厳な建物。
───近所のお寺。それが俺の目的地。
俺は自転車を止め、花束を持ち仁王門の左側に立つと門前で一礼。
そして一度深呼吸をすると境内へと入っていくのであった。
「さて、そろそろ行こうかな…………
理緒。俺、ちょっと出掛けてくるから店番よろしく」
「うん、わかった!」
俺はマグカップやティーカップを片付け、エプロンを畳むと理緒に店番を任せ、裏口から店を出る。
そしてヒメに見つからないように裏口に置いた自転車に乗るとそのまま自転車を漕ぎ、目的地へ。
流石にこの目的地は他の仲間やヒメには明かせない。
でも………行かなきゃいけない。
───こんなことが“償い”になるなんて思っちゃいないけども。
「………ごめんくださーい」
「いらっしゃいませ~」
その前に寄り道。
俺は道中の花屋に寄った。
昔ながらの小さな花屋さん。
ドアを開けて店内に入ると、アルバイトの女子高生が迎えてくれた。
おさげが可愛いメガネの女の子だ。
真面目そうな印象を与えさせられる女の子だ。
「花束をひとつ見繕って貰えませんか?」
「はーい」
アルバイトの女子高生は慣れた手つきで花を選んでは花束を作り、俺に手渡してくれた。
「1500円になりまーす」
「はーい」
俺は見繕ってもらった花束を受け取り、代金を払う。
1500円きっちり。お釣りもなく。
結構前にそれを見ていた勇騎さんには『神経質だ』と笑われたことがあったが、俺はつり銭がないように払うのが好きなのだ。
まぁ、そんなことはどうでもいいとして。
「ありがとうございました~」
俺はバイトの女の子に背を向けると、店を出た。
そして自転車を漕ぎ、目的地へと急ぐ。
中央街から郊外へ出て、それから住宅地へと向かっていく。
自転車を漕ぎ目的地に近く度、眼前に広がる風景がその表情を変えていった。
コンクリートの灰色から草木の緑へ。
まるで要らぬしがらみに自らの色を失った魂を浄化するかのように。
「………」
俺は、自転車を漕げるようになるまで回復した。
2週間くらい前にネスや来栖さんとの連戦で大怪我を負ったはずだが、今ではもう殆ど傷が残っていない。
勇騎さんや将さんなんてまだ怪我が治ってないのにだ。
確かに昔から怪我や病気をしてもすぐに回復していたような気がするが、普通に考えれば流石にこれは異常だ。
普通、あそこまでの怪我なら1ヶ月2ヶ月はベッドで安静のはずだが、俺の場合、次の日の朝には普通に歩けたくらいだ。
これが俺の“体質”なのだ。
そしてその体質を実現しているのは………。
「やっとついた…………!」
───でも今はその話は止めておこう。
夢中で自転車を漕いでいる間に目的地へとたどり着いたのだから。
それは巨大な仁王門に、日本古来の木造の荘厳な建物。
───近所のお寺。それが俺の目的地。
俺は自転車を止め、花束を持ち仁王門の左側に立つと門前で一礼。
そして一度深呼吸をすると境内へと入っていくのであった。