4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!
────
「……………」
沈痛な面持ちで黙る私たち。
私、ノゾミ・ナカムラはセッテやフェイトさん………それから勇騎さんや将さん、勝利くんに理緒……。
そして千花と共にBATTOLERのお店にいる。
千花の腕には包帯が巻かれている。
千花は奴らの作った“兵器”の試作品だった。
そして私も千花と交わったことで、“アマゾンのなりそこない”になってしまった。
そして、輝くんもあれから見つかっていない。
記憶を無くしても尚、明るく振る舞っていた千花。
でも今の千花には笑顔すらない。
探していた記憶が………自分の正体が兵器なんて知らされれば無理もない。
私だって、彼女にかける言葉もない。
「………そんな………じゃあ千花は…………」
「奴らの兵器、ということになるわね。
私も見た………彼女の腕から滴り落ちるアマゾン特有の体液を」
愕然とする勇騎さん。
それに対してフェイトさんは淡々と事務をこなすように事実を話していく。
私の世界………ウェズぺリアではみたことのなかった冷たい目。
氷のように固まった冷たい表情。
───何もかもが冷たかった。
そこにいるのは『私の知らない誰か』。
顔こそ同じだが、ここには私の知る優しいフェイトさんはいない。
言うなれば、自分たちのことについて話してるはずなのにどこか他人事。
そこには千花への思いやりなど何処にもない。
そこには使命を遂行するだけの存在の彼女がいた。
私はその事実に無性に腹が立った。
「………なんでそんな他人事なんですか」
衝動的に紡がれる言葉。
この場にいるライダーたちの視線が私に注がれる。
当然フェイトさんも冷たい目で私を見るのだが、私は“臆することなく”彼女を睨み返した。
…………震える手で千花の手を握りながら。
「千花のことを……私たちの仲間のことを話してるのになんでそんなに他人事のように話せるんですか………?
千花が一番混乱してるのに、どうでもいいんですか………?」
「ノンたん…………」
怒りを抑えられなかった。
信じていた仲間が、想いを通い合わせた仲間が……まさかこんな奴だったなんて。
私は彼女を睨むとそういい放つ。
しかし彼女の冷たい視線が、今度は哀れみへと変わる。
そして………
「…………慰めればいいの?“可哀想だったね”って。
それでこの状況がどうにかなるって思ってるの?貴女は」
「………っ!!」
──耳を疑った。
なんでこんなことを平然と言えるの?
こんなの私の信じたフェイトさんじゃない。
フェイトさんは………“私のことを否定なんかしない”!
「それに今、私は状況を整理してるだけ。
別に彼女の存在を否定してるわけじゃないし、彼女を必要以上に追い詰めることもしていない。
あなたは何を苛立ってるの?」
「…………っ!いい加減にしてください!!
だいたい他の神龍も!創世龍も!
世界のバランサーを気取ってる割に対応も遅かったじゃないですか!
それなのに、なんでこの世界に来たら来たで今度は我が物顔で仕切るんですか!
貴女たちが安全なところでチンタラしてる間にいくつも世界が滅んでるんですよ!!」
「だから何?」
「────っ!!」
「ナカムラっ!」
「ノゾミ!!」
怒りが最高点に達した。
勇騎さんも、理緒も、セッテも、輝くんも、将さんも……自分の世界を滅ぼされている。
もちろん私も、セッテも。
それから私たちは勝てもしない戦いを続けてきたのだ。
でもフェイトさんは………いやこのトカゲ女は『だから何?』の一言でと済ましたのだ。
私は将さんや勇騎さんの制止を振り切り、彼女に掴みかかった。
────ようやく解った。
これがこのトカゲ女の本性なのだと。
この女が何を思っているのか、この女に何があったか………“そんな事は全く知らない”。知らなくたっていい。
だけど………今、私はこのトカゲ女が許せない。
絶対に許せないんだ。
「……………」
沈痛な面持ちで黙る私たち。
私、ノゾミ・ナカムラはセッテやフェイトさん………それから勇騎さんや将さん、勝利くんに理緒……。
そして千花と共にBATTOLERのお店にいる。
千花の腕には包帯が巻かれている。
千花は奴らの作った“兵器”の試作品だった。
そして私も千花と交わったことで、“アマゾンのなりそこない”になってしまった。
そして、輝くんもあれから見つかっていない。
記憶を無くしても尚、明るく振る舞っていた千花。
でも今の千花には笑顔すらない。
探していた記憶が………自分の正体が兵器なんて知らされれば無理もない。
私だって、彼女にかける言葉もない。
「………そんな………じゃあ千花は…………」
「奴らの兵器、ということになるわね。
私も見た………彼女の腕から滴り落ちるアマゾン特有の体液を」
愕然とする勇騎さん。
それに対してフェイトさんは淡々と事務をこなすように事実を話していく。
私の世界………ウェズぺリアではみたことのなかった冷たい目。
氷のように固まった冷たい表情。
───何もかもが冷たかった。
そこにいるのは『私の知らない誰か』。
顔こそ同じだが、ここには私の知る優しいフェイトさんはいない。
言うなれば、自分たちのことについて話してるはずなのにどこか他人事。
そこには千花への思いやりなど何処にもない。
そこには使命を遂行するだけの存在の彼女がいた。
私はその事実に無性に腹が立った。
「………なんでそんな他人事なんですか」
衝動的に紡がれる言葉。
この場にいるライダーたちの視線が私に注がれる。
当然フェイトさんも冷たい目で私を見るのだが、私は“臆することなく”彼女を睨み返した。
…………震える手で千花の手を握りながら。
「千花のことを……私たちの仲間のことを話してるのになんでそんなに他人事のように話せるんですか………?
千花が一番混乱してるのに、どうでもいいんですか………?」
「ノンたん…………」
怒りを抑えられなかった。
信じていた仲間が、想いを通い合わせた仲間が……まさかこんな奴だったなんて。
私は彼女を睨むとそういい放つ。
しかし彼女の冷たい視線が、今度は哀れみへと変わる。
そして………
「…………慰めればいいの?“可哀想だったね”って。
それでこの状況がどうにかなるって思ってるの?貴女は」
「………っ!!」
──耳を疑った。
なんでこんなことを平然と言えるの?
こんなの私の信じたフェイトさんじゃない。
フェイトさんは………“私のことを否定なんかしない”!
「それに今、私は状況を整理してるだけ。
別に彼女の存在を否定してるわけじゃないし、彼女を必要以上に追い詰めることもしていない。
あなたは何を苛立ってるの?」
「…………っ!いい加減にしてください!!
だいたい他の神龍も!創世龍も!
世界のバランサーを気取ってる割に対応も遅かったじゃないですか!
それなのに、なんでこの世界に来たら来たで今度は我が物顔で仕切るんですか!
貴女たちが安全なところでチンタラしてる間にいくつも世界が滅んでるんですよ!!」
「だから何?」
「────っ!!」
「ナカムラっ!」
「ノゾミ!!」
怒りが最高点に達した。
勇騎さんも、理緒も、セッテも、輝くんも、将さんも……自分の世界を滅ぼされている。
もちろん私も、セッテも。
それから私たちは勝てもしない戦いを続けてきたのだ。
でもフェイトさんは………いやこのトカゲ女は『だから何?』の一言でと済ましたのだ。
私は将さんや勇騎さんの制止を振り切り、彼女に掴みかかった。
────ようやく解った。
これがこのトカゲ女の本性なのだと。
この女が何を思っているのか、この女に何があったか………“そんな事は全く知らない”。知らなくたっていい。
だけど………今、私はこのトカゲ女が許せない。
絶対に許せないんだ。