4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!

「…………これでいいですか、親方?」


「完璧だ」


「………」


あー………急にキャラが江戸っ子に変わったと思ったらスウォルツ太郎に言わされてたのね。

なんか安心した。

あの冴えない目立たない奴が江戸っ子になるとか怖ぇもんな。



「でぇたなぁぁぁ!仮面ルァァァイダァ!マイスシィィィッッ!


…………いたっ。あー………舌噛んだ」



「今のどこに舌噛むところあるんだよ!?」


仮面ライダーも怪人も……なんでこうも俺にツッコミをさせたがるのだろうか。

だからこういう役回りはノゾミや勇騎にでも………。


あー、アイツらがいないことが悔やまれる。



「今日こそはこの洲市を俺たちの過ごしやすいゴミだらけの不衛生な街にしてやるぜぇぇぇぇ!!」


「そうはさせないぞ残パントム!!」


《カジキッ!カリバー!!》


専用武器だろうか。

寿司夫改めマイスシーとかいうライダーはカジキマグロを刀のように細くした武器を召喚した。


『カジキカリバー』という名前から恐らくは刀型の武器だ。


それなら『秋刀魚(さんま)』でよくね………?

あ、『マグロ』だからカジキマグロにしたのか。



「いざ尋常に…………勝負っ!」


するとマイスシーはカジキカリバーの頭部を掴み、一気に引き抜く。

どうやらこのカジキカリバーの胴体は鞘になっているらしく、鞘から引き抜くと魚の骨を模したような刀身が現れた。

カジキマグロモチーフなら頭から胴体までちっちゃくして全部握り手にして、カジキマグロの角を大袈裟に大きくして刀身にすればよかったんじゃね?

まぁ、それだと『カジキフルーレ』とかになりそうだけど。



「てか、カジキマグロが可哀想な気が………」


そしてカジキカリバーの目を見てみれば刀を引き抜く前はしっかりとした黒目だったが引き抜いた途端、黒目が×印に変わった。

細かいギミックだけど………これいる?






「「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」」


互いに地面を蹴り、駆け出すマイスシーと残パントム。

その力強さを物語るように、地面を大きくえぐり、突風が吹きすさぶ。



刹那、一筋の閃光と共に侍と怪物は切り結ぶ。



まさに新世代の武士もののふあやかしの戦い……って表現すればいいのだろうか。



────とにかく、だ。

俺は、この戦いを世界中の誰よりも早く目撃することとなるのであった。
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